「今ある仕事はどんどん人工知能に変わって、これからはやはりIT系の仕事かな」と思っている方。
IT業界の中でも、特に手堅く求人倍率も高いシステムエンジニア(System Engineer、通称SE)、魅力的ですよね。しかし、「自分は文系だから」と尻込みしておられる方もいらっしゃるのでは?
今回は、文系の方こそSEにむいている、求められている理由をピックアップさせて頂きました。
プログラミング未経験でも文系にこそSEをおすすめする6つの理由
SEってどんな仕事をするの?
文系の方がSEにむいている理由を述べる前に、「SEとは」についてご紹介します。
SE(システムエンジニア)は、和製英語でコンピューターシステムやソフトウェア開発を行う際にプロジェクトの要点をまとめて、設計書・仕様書を作成し、プロジェクトを管理運営する方です。
住宅業界でいうと設計士みたいなところでしょう。
身近な成果物としては以下のようなものがあります。
- タクシーの配車サービス・アプリやバスの接近表示システム
- おサイフケータイやポイントサービス
- 社内のワークフロー・システムや営業支援システム
- 自動運転車の開発やドローン配送システムの開発
- 人工知能を用いたQ&Aシステムや画像解析を用いた監視システム など
これらのプロダクトをつくる工程において、SEは以下のような部分に携わっています。
上図はSEの一例になりますが大まかな部分は一緒で、クライアントからの要望を聞いて、それを実現するためのプランを構築し、プログラマにプログラミングを依頼し、システムを作る流れになります。
プログラミングの作業は、基本的にはプログラマが行いますが、依頼したりチェックする方としてSEにもプログラミングスキルは必要です。
もうちょっと具体的にSEについて知りたい方は、SEの一日を見てみるとイメージしやすいと思います。SEの一日については、「転職ステーションさん」や「HDC社」が参考になるでしょう。
結構、打ち合わせやミーティング、会議の時間が多いですよね。
また意外と退社時間が早い方も多いのでビックリです。
ちなみにSEの平均残業時間は、月60時間未満の会社が全体の6割*、21時までに退社する人の割合が7割*です。いかがでしょうか、意外といい環境ですよね。
またSEの10年後、20年後のキャリアパスについては、プロジェクト・マネジャーやプロジェクト・リーダーといった職種があります。
年収が増えるだけでなく、仕事のやりがいやさらなるキャリアUPに有利です。
文系にこそSEをススメる6つの理由
① 読解力
SEは、システム設計を行うため、関係するソフトや機器、システムの細かい仕様を理解する必要があります。そのためにはたくさんのマニュアルや文章を読んで理解する必要があるんですね。
また新人SEは、最初の3ヶ月間から半年間はプログラミングやシステムの学習に時間を裂かれます。
学習にはテキストが使われるのですが、ぶ厚いです。
プログラミング言語のJavaを例に取ってみると、基礎文法から初期開発まで習得しようと思うと 1800ページほどになります(インプレスブックス:Javaスッキリわかるシリーズ3冊の場合)。
六法全書の3分の1ぐらいですね。
読むことが好きな文系の方なら難なくクリアできるのではないでしょうか。
② 文法力
システムで使うプログラムには必ず「文法」が存在します。
日本語をはじめ、外国語で培った文法理解の思考は、プログラミング言語の学習にも活きてくるでしょう。
③ コミュニケーション能力
システムエンジニアの仕事は、顧客の要件を聴き、プロジェクトを設計、管理作成することです。
コミュニケーション手段は、集団対面、個人対面、電話、メール、チャットなどを使い分けて、要件の確認、依頼が行われます。
多くの場合、クライアントにはプログラミング知識がなく、専門知識をもったエンジニアとの会話にストレスを感じやすいものです。
例えばWeb開発において、SEから以下のようなコメントがあった場合、理解できますでしょうか?
- 『だったら NodeJSベースで、フレームワークはReactかAngularで検討しましょう、データベースはNoSQLがいいかな。』
難しいWebやITの知識を自分で理解するだけでなく、相手のレベルにあったように伝える技術がSEには求められるのですね。
この点はやはり文系の方のほうが得意ではないでしょうか?
④ 想像力
システムエンジニアの仕事には「ゼロからシステムを構築する仕事」があります。
今まで世の中になかったサービスやシステムを開発するときには、複数の物事を組み合わせて、いくつかのパターンを考える必要があります。
この作業には、「想像力」が求められます。
読書好きの文系にとって、「想像」は性に合っているのではないでしょうか。
また実際にシステムを構成するときに使うプログラミング言語の「Java」や「PHP」「C++」などは、「オブジェクト指向」という言語モデルを採用しています。
「現実世界のモノ」を「プログラム」に置き換えるオブジェクト指向の理解も、想像力や読解力がなくてはとても無理です。
⑤ 作文力
システムエンジニアの仕事の一つに、クライアントからの要件をまとめ設計書を作る作業があります。この設計書は「要件定義書」と言われ、住宅でいうと設計図面・仕様書を作る工程と同じです。
つまり要件定義が間違っていれば、これから作られるプロジェクトも間違ったものになる、ということです。
プロジェクトによっては1億円を超えるものもありますので、非常に責任の重い仕事といえるでしょう。
要件定義書は、クライアントと開発側が共有しますので、高いレベルの作文力が求められます。
法学部や文学部の方、お得意でしょうか?
⑥ 英語力
GoogleやMicrosoft、Appleのドキュメント原文は、英語です。また最新技術のソフトウェアやフレームワーク、プラグイン、ネットワーク技術などもほとんどの場合、英語のみの情報です。
翻訳機能もありますが、やはりある程度英語が読めて書けた方が仕事がはかどります。
いかがでしょうか?案外システムエンジニアの仕事って文系が役に立つこと、たくさんありそうですよね。
SEになるために習得したいスキル
ちょっとSEに興味が湧いてきたところで、差し当たって必要となるスキルをご紹介させて頂きます。
■パソコンの基本操作■
文系の方はパソコンに弱いと言われますが、システムエンジニアに限らずこれからの時代パソコンのスキルなしでは厳しいのではないでしょうか?
OSの基本的な使い方、セキュリティー知識、インターネットについて知っておくと、スムーズにスキルアップしていけると思いますよ。
■Webやアプリ、コンピュータの基礎知識■
エンジニアに限らず、ほとんどのビジネスマンはパソコンやスマートフォンを持って生活しています。プロジェクトの要件がWebやアプリでなくても、クライアントからWebやアプリへの展開、連携について質問されることも少なくありません。一般人以上のWebやアプリ、パソコンの知識を持っていた方が、信頼関係を気づけると思います。
これには簡単なものでいいので、実際に自分で作ってみることが一番でしょう。
■トレンド力■
Webやアプリ、システム、ネットワークの世界は日進月歩で技術が進み、それに合わせてシステムデザインもトレンドがあったりします。最新情報をキャッチ&理解できるスキルもあると優位に仕事を進められると思いますよ。
■プログラミング■
SEはシステム設計をした後、システムに搭載するプログラムを「プログラマ」に依頼します。プログラミングのことが分かっていないと依頼できないですし、出来上がったものが正しいのか悪いのか判断することもできません。専門によって扱うプログラミング言語は違ってくると思いますが、システム系ならJava、Web系ならPHPやRubyが多いのではないでしょうか?
文系出身のSE(IT企業創業者)
現在社会で活躍するシステムエンジニアの4割から5割*は「文系出身者」と言われます。励みになりますよね。
システムエンジニアの枠を超えて起業しておられる方の中にも文系出身者がいますので、ご紹介させて頂きます。
- 【Wantedly創業者】仲暁子さん 経済学部卒
- 【モデルハント・アプリのCoupe社創業者】竹村恵美さん 文学部卒
- 【Web制作会社の株式会社アイプレス創業者】野田亜友弓さん 経済学部卒
- 【paiza社】谷口さん(元SE)*
ITやSEというと理系をイメージしてしまうのは、もう過去の話かもしれません。
私自身は理系なのですが、プログラミングを習得するときに欠かせない参考書の読解に相当の時間を取られてしまっています。
「もっと読む力があったら・・・」と常々思う次第です。
「ちょっとSE、本気で考えようかな」という方は、就職転職を有利にススメるために「プログラミング・スキル」挑戦してみませんか?
Tech2GO母体の「CodeCamp社」から就職転職斡旋型のプログラミングスクール「エンジニア転職コース」が開講されています。
「新卒コース」「転職コース」と設けられていますので、目的にあったものを選ぶことができますよ。
まずは「無料カウンセリング」からはじめてみてはいかがでしょうか?