ICTって何だろう?
ITやIoTとどう違うのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
ICTとは情報通信技術のことです。
ICTという言葉は、使う場面によって技術の種類やメリットに違いがあるため、最初は漠然としていてわかりにくく感じるかもしれません。
この記事では、ICTやその周辺用語、ICT化の活用事例についてご紹介します。
ICTの概要
ICTは現代にとって欠かせないものであり、今後さらに社会で活用されていくと期待されています。
[ICTの一例]
いま日本において少子高齢化が進む中で、経済を成長させるために、ICT化の推進は最重要課題です。
ICTとITの違いは?
ICTとITという2つの言葉は、意味や用途にほぼ違いはありません。
略称 |
日本語表記 |
英語表記 |
ICT |
情報通信技術 |
Information and Communication Technology |
IT |
情報技術 |
Information Technology |
ITは“技術そのもの”、ICTは“技術+技術の活用方法”と使い分けられることもあります。
しかし国際的にはその両方を指してICTと呼ぶのが通例ですので、いずれ日本でもそうなるでしょう。
IoTやAIはICTに含まれる技術の中で今後、特に成長が見込まれる分野です。
略称 |
日本語表記 |
英語表記 |
IoT |
モノのインターネット |
Internet of Things |
AI |
人工知能 |
Artificial Intelligence |
IoTとAIについて、内容と活用例を簡単に説明します。
IoTとは
IoTとは、あらゆるモノをネットワークにつなげて大量にデータ(計測データ)を集め、分析してまたモノにフィードバック・活用する技術です。
[IoTの活用例]
- ウェアラブルデバイス・・・健康管理
- インターネット家電・・・家事の省力化、省エネ
- 自動車・・・自動運転、渋滞の解消(将来的に)
AIとは
いま身の回りで実用化されているAI技術は、大量のデータ(画像や音声、文字)を解析して得た“パターン”をもとにして、他のデータを判断する技術です。
[AIの活用例]
ICTの活用
ICTが活用される、代表的な場面を3つ挙げてご紹介します。
ビジネスのICT化
PCやEメール、表計算ソフト、ファイルの共有など、ビジネス分野のICT化はすでに進んでいます。
しかし、今までICT化が考慮されなかった業務に新しいICT技術を導入することで、さらなる効率と品質の向上が可能です。
最近では人事分野に特化したICT技術が注目され、“HRTech(HRテック)”と呼ばれています。
[HRTechの例]
・人事担当者が抱える多様な業務を、まとめて一気にICT化できるシステム
・人材管理にAIを利用し、優秀な人材の選考や適材適所への配置、離職率の低下などを支援するシステム
HRTechは単純に手作業を自動化するのではなく、人間の手や目が届かないところまで支援してくれるICT化といえます。
また、オフィスに各種ICTツールやサービスを導入すれば、テレワークやクラウドソーシングなど多様な働き方が可能です。
働き方 |
内容 |
ICTツール・サービス |
ICT化で生まれるメリット |
テレワーク |
自宅やサテライトオフィスで勤務する |
グループウェア/メッセンジャー/Web会議システム/VPN |
働く時間や場所に融通がきく/ライフイベント(育児や介護)に比較的対応しやすくなる |
クラウドソーシング |
クラウドソーシングサービスを利用して仕事を受注する |
クラウドソーシングサービス/グループウェア/メッセンジャー |
働く時間や場所に融通がきく/雇用形態にしばられない/システム上で金銭のやりとりを完結できる |
短時間なら働ける人や地方の人材も活用できるなど、採用面でのメリットもあります。
教育のICT化
教育現場にICTを導入すると、以下のようなメリットがあります。
[ICT導入によるメリット]
・業務の軽減、効率性の向上
・教育活動の質を改善できる
・保護者と地域との連携が取れる
学校で主に利用されるICT技術は、パソコン、プロジェクタ-、タブレット端末、電子黒板、グループウェア、eラーニングシステムなどです。
このようなICT化に対応する教員をサポートするため『ICT支援員』という専門家の派遣制度があります。
しかし予算などの関係上、残念ながらICT支援員が配置されている学校はまだ希少です。
また、学校でICT技術を使う基盤の整備として、文部科学省で『GIGAスクール構想』が推進されています。
GIGAスクール構想では学校に高速ネットワークを整備し、PCを1人1台使えるようにすることで、生徒の個性に合わせた教育を受けられる環境を整えるとされています。
ただ、PCは3クラスに1クラス分程度整備となっており、学校に登校してから1人1日1~2時限くらいのPC利用が前提です。
アメリカやオーストラリアのように、個人用ノートPCやタブレット端末の1人1台配布が推進されるような状況は、日本ではまだ先になりそうです。
参考:GIGAスクール構想の実現へ.PDF(文部科学省)
農業のICT化
年々農業従事者が減っている現状で、ICT化によって以下のような効果が期待されています。
農業で利用されるICT技術は、ドローンや無人トラクター、センサー、GPSなどです。
北海道ではスマート農業導入のために企業やJA、大学などと合同で実証実験が行われ、以下のような成果が出ています。
キャベツの生産・・・自動収穫機を中心とした機械化で、労働力を50%低減
カボチャの生産・・・ドローンによる農薬の散布と画像診断による追肥で、良質なカボチャの収穫量が10%向上
タマネギの生産・・・無人トラクターとカメラ付きオニオンピッカーを伴走させることで、タマネギの収穫を無人化
農業のICT化はハード面への大規模な投資が必要になりますが、労働力を大幅に低減できる可能性があり、今後に期待が高まります。
参考:スマート農業(北海道農政事務所)
いま日本は少子高齢化が進んで“課題先進国”となっており、ICTについても例外ではありません。
国を挙げてICT政策を進めるなか、ICT技術を使ったサービスの開発や保守、ICT支援員など、エンジニアのニーズはこれから高まると予想されます。
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