- 更新日: 2017年04月05日
- 公開日: 2017年03月16日
フロムスクラッチ 請井氏が語る「破壊的イノベーションを実現するエンジニアチーム」の特徴《新卒エンジニア育成カイギ その3》
「これからの新卒エンジニア育成のあり方」を考えるイベント、「新卒エンジニア育成カイギ」が2016年12月15日に行われました。
日本最大級のクラウドソーシングサービスを提供されているクラウドワークス安西氏に続き、ForbesJAPANより2年連続で国内有望スタートアップに選出され、次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」を開発・提供しているフロムスクラッチの請井氏にご登壇頂きました。
前回記事:《新卒エンジニア育成カイギ その2:クラウドワークス 安西氏「エンジニアの自立的な学習を促す」組織のつくり方》
フロムスクラッチ R&D-Unit 商品企画 執行役員 請井氏
はじめまして。フロムスクラッチの請井と申します。
今日このようにお話しさせていただく場をいただき、ありがとうございます。
フロムスクラッチからは“新卒エンジニアの採用と育成の秘密” と題して、新卒の採用と育成について、簡単ではありますがお話しできればと思います。
まず、簡単に私の自己紹介からさせていただきます。新卒で入社したのは日系のSIerで、インフラSEとして保険会社様へのシステム導入(サーバー構築など)を担当。その後、アクセンチュアへ移り、戦略企画・実行・業務管理、システム対応などのITに関するコンサルティング全般を経験。
2012年にシニアマネージャー昇格後、4年ほどマネジメント中心の業務を行っていました。
多くのチームやクライアントと接する場面が多かったため、多種多様な職位やバックグラウンドを持った人達と接する機会が多く、なかなか「人って面白いな」と感じることが多かったです。
今はフロムスクラッチというテクノロジースタートアップに移り、R&D-Unitという開発部門で執行役員を務めています。現在は新製品の開発プロジェクトを統括しつつも、採用や育成、組織管理などのマネジメント業務を基本的に全て担当する職務です。
本日は、メインコンテンツへ入る前に、その背景として会社とプロダクトについて簡単に紹介させて頂き、製品開発に求められるもの・エンジニアに求められるものを整理した上で、「新卒エンジニアの採用と育成」の話題に入っていければと思います。
フロムスクラッチとは?B→Dashとは?
フロムスクラッチは、マーケティングシステムのソリューションである「B→Dash」の開発から営業・導入・サポートまで、一貫したサービス提供をしている会社です。「B→Dash」がローンチされてからの約2年の間に急伸しています。主なトピックスはこちらです。
- 2015年に総額約13億円の資金調達
- 元LINEの森川氏が顧問就任
- Forbes誌の「有望ベンチャー」に2年連続で選出
- TechCrunch主催イベントにて「CTOオブザイヤー」へノミネート
- 前PwC JapanのCEO椎名氏がテクノロジーアドバイザリーを担当
弊社が開発しているプロダクト「B→Dash」は、「マーケティングプラットフォーム」と呼んでいただくことが多いです。マーケティングプラットフォームの特徴は、従来のマーケティングツールが抱えていた課題である「データの取得・統合・活用」を解決するソリューションとして注目いただいています。
従来のマーケティングツールは、機能ごとに乱立しており、企業がマーケティングを最適化していくためには複数のツールを併用しなければなりませんでした。
併用の結果、各ツールの利用コストが高騰したり、運用工数がかかったり、さらには複数ツールに分散されたデータの統合や管理、活用ができなくなるため、本質的なデータ分析やデータを活用した施策を講じることが困難になります。これらの課題を一挙に解決したのがマーケティングプラットフォーム「B→Dash」です。
各企業の膨大なマーケティングデータがどんどんB→Dashに蓄積されていき、このビックデータにAIを掛け合わせる事で、企業ごと・業界ごとにカスタマイズされたマーケティング・プロモーションの最適化・自動化が実現します。
外部の方々には「マーケティングテクノロジー領域の破壊的イノベーション」と言っていただく機会も増えてきました。
フロムスクラッチのエンジニアに求められる要素
そのようなプロダクトである「B→Dash」を開発するエンジニアは非常にスキルフルです。手前味噌ですが、社内には自由に挑戦し続ける、優秀なエンジニアたちで溢れています。
弊社が誇るエンジニアは、大きく4つ特徴があると思います。その4つの観点で整理してみようと思います。
- Technology
昨今の技術革新はめまぐるしいものがあり、次々に新しい技術が開発され利用できる状態となっています。弊社では「これは面白い!」や「使える!」と思った新技術は、より良いプロダクト開発に必要であると判断して、すぐに技術検証に入り、問題なければすぐに取り入れていく文化があります。
そのため弊社のエンジニアは先進テクノロジーを常にウォッチ・キャッチアップしていくことが求められます。むしろテクノロジー好きのエンジニアが多いため、変に意識せず自ら新技術の活用を提案する方も多いです。
- Competitor
“マーケティングツール”という市場において、「B→Dash」と競合するのは欧米を中心とした、開発者が数千人規模にものぼるグローバル企業が開発するツールです。その他の競合も、特定機能に特化した専門ツール、大規模システム開発・導入の経験豊富なSIerが競合として挙げられます。そのような競争環境の激しい市場では顧客のニーズや価値観もどんどん変化していきます。
そのため、弊社のエンジニアは顧客の期待を超え続けるため、スピード感を持った開発推進をしていくことも求められます。そうでないと、たちまち競合に飲み込まれたり、顧客の期待に応えられなくなってしまうからです。
- Client
弊社のクライアントは日本を代表するようなリーディングカンパニーが多くいらっしゃいます。そういった会社に弊社のプロダクトやテクノロジーを利用してもらっているのですが、「その会社のサービスや商品を利用するお客様」まで考えると、その影響範囲はとても大きいものになります。
当然、セキュリティはもちろん、安定的かつ品質の高いサービス提供が必須です。システムとして担保すべきことを確実にし、提供サービスとして品質を高め、信頼頂ける製品を創ることが、エンジニアに求められます。
- Big Data
現在、「B→Dash」には膨大なマーケティングデータが日々蓄積されていっています。「B→Dash」が記憶しているセールストランザクションデータは月間1,000億円規模にも上り、総ユーザーデータは日本のネット人口3分の1以上に達します。これだけ多くのデータ・IDを処理するプラットフォームを開発するということで、そのインパクトの大きさを認識しながらエンジニアは開発を進める必要があります。
\Webサイト担当者としてのスキルが身に付く/
まとめ
後編では、フロムスクラッチがいかにして優秀な学生を採用し、エンジニアに求められるスキルを醸成するためどのように育成しているか、その秘密をお届けいたします。
後編はこちら→ フロムスクラッチ 請井氏「採用における敗北は、事業における敗北である」《新卒エンジニア育成カイギ その4》
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部