ブロックチェーンを応用した革新的サービス13選


ブロックチェーンを応用した革新的サービス13選

データを不変的に永続的に維持でき、第三者からの干渉を免れるブロックチェーンは、知らない内に私達の生活を支えようとしています。 今回はブロックチェーンに興味があるない関わらず、知っておきたい活用事例をご紹介させて頂きます。 ちょっと長い文ですが、お付き合い頂ければ幸いです。

目次
  1. ブロックチェーンを応用した革新的サービス【2017最新版】
  2. 支払いに
  3. ポイントサービスに
  4. 不動産取引に
  5. 食品管理に
  6. 農業支援に
  7. 愛の証明に
  8. アート作品の証明に
  9. 個人の特定に
  10. 履歴書管理に
  11. データの証明や領収書に
  12. クラウドファンディングのプラットフォームに
  13. 分散型インターネットに
  14. 国家戦略に
  15. まとめ

ブロックチェーンを応用した革新的サービス【2017最新版】

支払いに

image veem 【ブロックチェーン/オリジナル】

ビットコインに代表されるように、ブロックチェーンは金銭の授受に使われます。 現在ではビットコインのような仮想通貨の授受に留まらず、ドルや円、ユーロなど現実通貨の授受にもブロックチェーンは使われています。

代表的なサービスとして veem があります。 veem では、円やドル、ユーロなど世界の主要通貨をシームレスに移動でき、利用者が伴うリスク(為替ヘッジや手数料、送金時間)から開放し、資金移動ができるブロックチェーンベースのプラットフォームになります。

尚、送金手数料は $ → $ で $15 となっており、銀行口座間同士で簡単に送受金できます。veem にお金は預けないので PayPal よりもリスクが低いと感じます。


ポイントサービスに

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日立ソリューションズ 【ブロックチェーン/mijin)】

もはやお金と同じぐらい日々の生活に欠かせない ポイント ですが、こちらにもブロックチェーンが活用できます。

特にネット販売における集中的な注文時の処理には、サーバーに高い負荷がかかり、注文が滞ってしまうケースもありました。 一方で分散型データベースのブロックチェーンは、高負荷にも強く、スムーズなポイント処理にも期待されています。

2016年 5月に EC-CUBE で実験が行われ、現在は、日立ソリューションズが展開する PointInfinity でも検証が行われています。PointInfinity は、1 億 5千万人分のポイントを管理する巨大なシステムとして知られています。


不動産取引に

image REX 【ブロックチェーン/Ethereum】

ビットコインが通貨の垣根をなくしたように、REX は不動産取引の垣根をなくそうとしています。 不動産売買というと、高額な手数料や取引完了までにかかる時間、データの信ぴょう性など何かとストレスの多い取引と思います。

そんなストレスをブロックチェーンで解決しようとしているのが、REX になります。 尚、REX を使って不動産を売りたい場合は、REXトークン(仮想通貨の一種) が必要になります。 *2017年 12月サービス開始予定


食品管理に

image

食の安全は、いつの時代も管理が難しいもので、消費者をはじめ、スーパーや問屋も頭を悩ましているところと思います。本当にこの食品は安全か?どこの誰がいつ作って、どう流通して、誰が加工したか? そんな長い間続いた食の問題もそろそろ終止符が打たれようとしています。

昨年 10月からアメリカのウォルマート(スーパー)で、豚肉の流通経路とアメリカ製パッケージ商品の流通経路をブロックチェーンに記録するテストが行われています。 中国のどこで誰が生産して、どういう経路でスーパーに並べられているかを読み取ることができます。

これによって安全性へのガバナンスが働き、万が一、問題が起こった時も迅速に、ピンポイントで対策を進めることができます。 この技術には、IBM社のブロックチェーンサービスが利用されています。


農業支援に

image img:iSiD 【ブロックチェーン/SIVIRA社製】

街中で「有機野菜」と目にしても、ホントかな?と心の中でつぶやく方も多いのではないでしょうか? そんな障害をなくすべく立ち上がったのが宮崎県綾町とイノラボです。

有機野菜に使われた農薬や土壌の質などをブロックチェーンに書き込み、消費者に信憑性の高い情報を提供します。 尚、このプロジェクトのブロックチェーンは、国内有数のブロックチェーン・ベンチャーの SIVIRA社製のモノが利用されています。


愛の証明に

image SIVIRA/Soul Gem 【ブロックチェーン/ビットコイン】

ちょっとロマンチックですが、今のラブをビットコインのブロックチェーンに刻み込むことができます。 まさに、永遠の愛、ですね。 こちらのアプリを使うと結婚証明書や恋愛証明書、といったブロックチェーン・ベースの証明書を発行することができます。


アート作品の証明に

image VERISART

偽物が流通する絵画の世界も終わりを告げようとしています。 画像データをブロックチェーンに記録し、この絵は本物だ! と誰でも自身を持って言えるようになります。

iTunes 用のアプリは無料で利用できますので、デザイナーやバイヤーは試してみたいですね。 またデジタル・アート用には ascribe というサービスが公開されています。


個人の特定に

image BLOCKNOTARY

予め定められた質問に答えて個人認証するアプリにブロックチェーンが使われています。 オフィスの認証やクレジットカードの認証に使えて、日本では銀行の借り入れ業務にも使えるのでは?と思いました。 クレジットカードにおいては既に好実績があり、詐欺で困っていたカードプロバイダーの Pay-Me で Blocknotary が使われています。


履歴書管理に

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こちらはリクルートテクノロジーズの社内ラボで行われているブロックチェーンの検証実験になります。

履歴書詐欺や経歴書詐欺、人材採用を行う企業としてはなかなか難しい問題があります。 また人材不足で悩む企業は、多額の費用を払って転職サービスに頼らざるを得ない状況があります。 そんな難問をブロックチェーンによって解決しようという試みがリクルートで行われています。


データの証明や領収書に

image Stampery 【ブロックチェーン/ビットコインと Ethereum Classic の両方】

こちらはワードやメール、計測データ、領収書などドキュメントの信ぴょう性を証明するためのサービスになります。 通常使用するブロックチェーンは 1種類ですが、こちらの場合は ビットコインと Ethereum Classic の 2種類のブロックチェーンを利用しています。

不変性に優れているビットコイン・チェーンのメリットと拡張性に優れている Ethereum Classic のチェーンのいいとこ取りをしてサービスを開発しています。 Stampery は、e-Estonia プロジェクトの登記でも使用されている注目のブロックチェーン技術になります。


クラウドファンディングのプラットフォームに

image Starbase 【ブロックチェーン/Ethereum や Rootstock】

ナニかを試したくなって、資金が必要になった時に思いつくのがクラウドファンドですが、実際にサービスに登録して、資金を調達するのは手間や時間、手数料がかかります。

そんな煩わしさから開放してくれるプラットフォームが、ブロックチェーンを活用して登場してきています。 例えば、Starbase では プロジェクト独自のトークン(通貨)を発行し、出資者にトークンを販売することで資金を調達することができます。トークン所有者は、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を期待することができます。

また Starbase とよく似たサービスに Wings があります。こちらは DAO の市場予測メカニズムも装備しているクラウドファンド・プロバイダーになります。


分散型インターネットに

image BLOCKSTACK 【ブロックチェーン/ビットコイン】

こちらは私達が使い慣れているサービスや環境とかけ離れているので想像しにくいですが、分散型インターネットのプログラムを提供するサービスになります。

任意のドメインをコマンドラインからビットコインで取得し(.id)、Google ドライブや AWS、Azure、ローカルのデータと紐付け、サーバーレスの状態でアプリケーションを運用できる、シロモノになります。

DNS のキャッシュ問題や ドメイン管理に役立つと説明されています。 凄そうですが、使ってみないとよくわからないですね。 尚、分散型 DNS を提供する Namecoin との違いは、こちらが参考になります。


国家戦略に

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IT 先進国として知られるエストニア国では、インフラとしてブロックチェーンが多数使用されています。

課税システムや登記、それから 100万人以上(人口の 76% 以上)の医療記録に株式会社での議決権行使、それから準備段階ではありますがブロックチェーン・ベースの証券取引所開設も進められています*

日本に比べてエストニアは今後 5年間で 3% 程度の経済成長*があると言われており、国民と国家にとってブロックチェーンがどうプラスに働くのか、興味深いところです。


まとめ

2、3年前まではブロックチェーンを使ったサービスというと皆無に等しかったですが、2016年から Decentralize(非中央集権)を合言葉に劇的にサービス数が増えてきています。

国や行政レベルでの開発数も増え、今後私達の生活も知らない内にブロックチェーンによって支えられている、時が来るかもしれません。(エストニアではもう来ています) 以下のグラフを見ると、2017年、2018年も新しいブロックチェーン・サービスが生まれる予感がしますね。

image Bloomberg Technology

非エンジニアとしては、2009年にスタートしたビットコインのブロックチェーンが、たった 7年ほどでインフラをも支える技術へと急成長する、指数関数的に成長するテクノロジーの世界を理解し、今後どう自分が対応するか、ということが重要になってくると思います。

そういう意味では、プログラミング思考は必須と言えるでしょうね。

Thumbnail : Flickr/Mike Seyfang


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