広告費ゼロ!グロースハックの代名詞Airbnbが900万ユーザーを獲得した方法


広告費ゼロ!グロースハックの代名詞Airbnbが900万ユーザーを獲得した方法
目次
  1. Airbnbとは?
  2. Airbnbのグロースハック
  3. より大きな力を持つサービスを上手く利用する仕組みをつくる
  4. グロースハックにおけるプログラミングの活躍
  5. Airbnbの事例から学べるグロースハック
  6. まとめ

前回、世界で大活躍している”グロースハッカー”とは?にて具体的なグロースハックの事例としてDropboxを挙げましたが、

「昔はセールスやマーケターが企業のヒーローだったけど、今はプログラマーがヒーローです。」

と「GrowthHacker」という言葉の生みの親であるSeanEllis氏が語るように、グロースハックはプログラマーによって行われることが多いです。なので今回は前回以上に”プログラミング色の強い”グロースハックを紹介します。

今回ご紹介する事例はAirbnbのグロースハックです。Airbnbは世界的に急成長しているサービスですが、実はこのサービスの成長はプログラマーを中心として行われたグロースハックによって支えられてきました。

今回のブログでは前回紹介したグロースハックについて、よりAirbnbのグロースハックの例を挙げて本質に更に踏み込んで分かりやすく説明しています。

Airbnbとは?

Airbnb(エアビーアンドビー)とは空き部屋などを持つ宿泊場所の提供者(ホスト)と宿泊場所を探している旅行者(ゲスト)をつなぐ世界的なプラットフォームです。コンセプトはずばり「世界192カ国でホームステイができる」です。

Airbnbのグロースハック

より大きな力を持つサービスを上手く利用する仕組みをつくる

Airbnbは当時最大手と言われていた地域情報コミュニティサイトCraigslistを上手く利用する仕組みをつくって、一気にユーザーを獲得して行きました。

具体的には、Airbnbの投稿をCraigslistに自動投稿する機能Airbnbの投稿をCraigslistに自動投稿する機能をつけました。

※Craigslistとは?

Craigslistとは不動産や求人情報など、「特定の都市・地域に限定された様々な情報」を住民などが投稿して掲載する地域情報コミュニティサイトです。

サービス内容として地域の宿泊地情報に詳しいと言う点から、Airbnbにとっては同じような分野での最大手の競合サービスでした。

結果、CraigslistのリストにAirbnbの物件が多く掲載され、物件に実際に予約しようと思った際に、借り手はAirbnbのアカウントを作成する必要が出てきます。Airbnbは「自分より大きなプラットフォームを活用して、ユーザー数を増やした」有名な例です。

グロースハックにおけるプログラミングの活躍

このグロースハックを実現する為にはプログラミングの活躍が不可欠でした。

問題:Craigslistへの他サービスからの同時投稿は不可能に思われていた

Craigslistへの他サービスからの投稿は仕組み的に不可能と思われており、前例がないものでした。それは「CraigslistはAPIを公開していなかった」からです。

APIとは開発者が開発する際に、他のサービスの機能を使いたい時、「この決まりに従って指示すればすればやりたいことが出来るよ」という方法を教えてくれる一覧表です。ですから、CraigslistがAPIを公開していなかったことは「Craigslistに他のサービスからの投稿が出来る方法の明示が無かった」という事です。

そのため、AirbnbにとってCraigslistの投稿のシステムを真似することは難しく、また、投稿を自動的に表示させるための方法が分かる参照ドキュメントもありませんでした。

解決策:Craigslistの投稿がどのように動いているかをリバース・エンジニアリングする

AirbnbのプログラマーはCraigslistの投稿のフォームのプログラムを見て、徹底的にリバース・エンジニアリングしました。リバース・エンジニアリングとは、他社製品のプログラムを解析し、設計や構造などを調べる方法です。ここがプログラマーならではの技術的な手法でありました。

APIこそ公開されてませんでしたが、結果として彼らは“プログラミング(コード)を読む”という行為を通じてCraigslistの投稿の仕組みを読み取り、”プログラミング(コード)を書く”という行為を通じて、Airbnbの投稿がCraigslistに投稿される仕組みをコーディングしたのです。

結果としてサービスがグロースする仕組みがここでつくられ、自分よりも大きなプラットフォームの力を使って数百万のユーザーを獲得したのです。

Webサイト担当者としてのスキルが身に付く

無料カウンセリングはこちら

Airbnbの事例から学べるグロースハック

1.技術的な切り口

少ないリソースで多くのユーザーを獲得する為には伝統的なマーケティング手法ではなく、プログラマーとしての技術的な切り口で取り組むことが大事です。マーケティングの科目で教えられているような手法やフレームワークでは、今回のようなグロースハックは不可能でした。

2.プロダクトベース

Airbnbのメンバーは、似たようなサービス内容で大手であったCraigslistに、Airbnbからの投稿を受け入れるユーザーがすでに沢山居ると見込んでプラットフォームを乗っ取り方法を考えました。自分たちのプロダクトへの理解と自信があったと考えられます。

3.プログラミングベース

Airbnbのサービスがグロースしたのはチームがプログラミングなど技術面への理解がとても深かった事が理由として挙げられます。従来の広告等のマーケット手法にたよらずCraigslistのプログラム(コード)から構造や仕組みを学び取り、Airbnbのサービス内にCraigslistに投稿するオプションを設けることが出来たというのがミソでした。

まとめ

今回も前回同様、具体的な事例を通じてグロースハックについて少しでもご理解を深めていただければという思いでまとめてみました。グロースハックは技術的な切り口で解決策を探り、多くの場合プログラミングを中心として改善が行われる場合が多い事が分かっていただけたかと思います。


関連記事

CodeCampus編集部
この記事を書いた人
CodeCampus編集部
まずは7日間お試し!人気プログラミング講座を無料公開中
オンライン・プログラミングレッスンNo.1のCodeCamp