エンジニアから強いスタートアップ企業を作るには リブセンス平山氏


エンジニアから強いスタートアップ企業を作るには リブセンス平山氏
目次
  1. 目指すはLIVESENSEmade*
  2. Phase1:受託型
  3. Phase2:開発部枠強化
  4. 1.情報共有基盤の導入と文化の醸成
  5. 2.レイヤーごとのビジョンの見える化
  6. 3.タイムサイクルとメンバー役割の明確化
  7. 4.自律的な改善文化の構築
  8. phase2a:マトリクス型
  9. Phase3:開発部枠開放
  10. まとめ
  11. イベント第2弾開催決定!
  12. nanapiCTO和田氏、VOYAGEGROUP三浦氏登壇!

前回、セミナー紹介として前半では、サイバーエージェントの鷲田氏のプレゼン内容をご紹介しましたが、今回その後半であるリブセンスCTOの平山氏の内容を書かせて頂きます。

平山氏には以前CTOインタビューIMG_4033

プロフィール:平山宗介氏大学卒業後、2005年に日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社に入社。2009年にグリー株式会社に転職し、SNSのリニューアルおよび、ソーシャルゲーム「モンプラ」の立ち上げ等を中心としたプロジェクトに従事。2012年に株式会社リブセンス入社し、現在は同社にてCTOを務める。リブセンス:http://made.livesense.co.jp/**プロフィール:平山宗介氏

大学卒業後、2005年に日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社に入社。2009年にグリー株式会社に転職し、SNSのリニューアルおよび、ソーシャルゲーム「モンプラ」の立ち上げ等を中心としたプロジェクトに従事。2012年に株式会社リブセンス入社し、現在は同社にてCTOを務める。 リブセンス:http://made.livesense.co.jp/**[http://made.livesense.co.jp/](http://made.livesense.co.jp/)

目指すはLIVESENSEmade*

「リブセンスは最年少上場企業というイメージばかりが先行していますが、実際どのような事をやっているのかというと、”あたりまえを、発明しよう。”を合い言葉にやっています。スクリーンショット 2014-08-06 18.48.23

今回のテーマである、エンジニアから強いスタートアップ企業を作るために、リブセンスのエンジニアが何を目指しているかですが、大きくLIVESENSEmade*という言葉を掲げてチーム作りをしています。

エンジニアは、ただプログラミングできるだけでなく、プロダクトを作れるようになろうと常々メンバーに話をしています。つまり、テクノロジーをしっかり抑えた上で、マーケティングやデザインなどの周辺領域もできるようになることを重視しています。」

Phase1:受託型

平山氏が入社した当初は、いわゆる受託型の企業で様々な問題が発生していたようで、そこから約2年間かけて組織の構造を変化させてきたと言います。IMG_4106

「よく有りがちな受託型で、各事業ユニットがあって、そこにエンジニアが属していました。事業部長が予算を持っていて、企画もディレクターがする、エンジニアは基本的に言われたものを作るという構造でした。自分が入った時そのような状況に驚いたことを覚えています。」

社内のエンジニアにヒアリングを実施し、課題を浮き彫りにする。

そこで、すぐにエンジニア全員に対してヒアリングを実施したところ、いくつも問題が出てきており、もやもやとしているエンジニアがいたとのことでした。

「2年前、みんなに一度アンケートを取ってみると、主に3つの課題が出てきました。

1、プロジェクトの目的がわからない

実際のアウトプットも課題山積な状況で、社内の電話システムや本番サーバーが落ちてしまうことさえあったほどです。」

Phase2:開発部枠強化

受託型という組織構造のなかで起きていた問題を何とかしようと、それまで全事業部に属していたエンジニアを一つの部として固めていきます。

1.情報共有基盤の導入と文化の醸成

「”隣の人が何をやっているか分からない”という話に対して、適切なツールをいれて、適切に運用し、他のメンバーのアウトプットの明文化やライブドキュメントの蓄積を目指しました。

具体的には、ツールの刷新で、ConfluenceやHipChatというチャットのツールを入ました。基本的にConfluence内でみんながやっているドキュメントが流れる、例えば日報等が流れてきます。良ければイイネしたりとか、個人がやっているアプローチが分かったりします。それをやることで隣の人が何をしているかということが染み付きました。」

2.レイヤーごとのビジョンの見える化

「アンケートからも分かったように、会社が何をやっているかわからないということから、Confluenceというツールを利用して、全体戦略やプロジェクト稼働状況、KPI推移などの見える化を徹底して進めました。

例えば、事業部長が何となくアイディアを思い浮かべているだけではなくて、しっかり見える化したり、開発プロジェクトでも、どのプロジェクトが終わっているか分かるようにしました。あとは、その施策を打つ理由やどの施策を打ってどういう数字が上がったというのを明示し、これまでディレクターが直感でやっていたところを、エンジニアでもわかるようにする。こうすることで、達成感も生まれてきました。」

3.タイムサイクルとメンバー役割の明確化

「ディレクターが粒度の細かいタスクを逐次的にエンジニアに渡すようなところがあって、とにかく来た球を打ち続けるというケースではなく、ちゃんとリズムを作ろうということになりました。」

全社のミッション、クォーターのミッション、それをブレイクダウンして、月次、週次、日次のミッション。それまでのタスクをしっかりとクォーター、月次のように会議体を設計して運用しようと取り組んできたと語ります。

「例えばエンジニアでいうとクォーターのキックオフでは、今までグダっと始まっていたのを、ちゃんとリーダーの人が資料を作ってきて、4Qのキックオフなら3Qの振り返りをして、4Qに向けてやって行こうと、3Qのテーマは何だったけどそれに対してどうだったかなど、愚直にやってきました。

そうすると、自然とタスクが決まるので、けっこうみんな週報も自主的に書くようになりました。仕事のリズムが構築されたことによって、今日一日何をやるべきなのかというのがはっきりしたのだと思います。」

4.自律的な改善文化の構築

「ここについてはタスクフォースという仕組みを導入しました。開発業務を行うにあたっては必ずしも事業に直結しないような課題も発生します。サーバー増強やセキュリティ強化も含めた保守性の向上等、事業部側からするとそれが直接的に事業成長につながるのかという面もありますが、開発側からすると非常に大事な部分でもあるのでタスクフォースという仕組みを作り改善していくようにしました。クォーター毎に開発業務を遂行する際の課題を洗い出し、皆で改善していこうよと。」

やらされた感から、積極的に問題提起するように。

「結果的に、すごくみんな頑張るようになって、がんばったらお祝いする文化は浸透したかなと思いますね。そのおかげで、これまで外部の勉強会で発表することが億劫と思う人も多かったのですが、リブセンスのエンジニアを活性化させるためならと自主的に参加するようになりました。」

phase2a:マトリクス型

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内向きに考えるエンジニアが増え、マトリクス型を導入。

「Phase2において開発部枠を強化することで、先ほどの課題はほぼ全て解決しました。

意思決定の仕組みが複雑化したことが課題

「組織体制でレポートラインがクロスし、意思決定がやりづらくなってしまいました。結果、現場からも誰が決めるのという不平不満があがるようになったのです。リブセンスでは、これまでいくつか事業を立ち上げ、テスト結果が悪かった事業を撤退してきた背景があり、エンジニア部隊が大きくなっていく中で、複数のプロジェクトや事業を掛け持ちするリーダー層が出てくるなど、よく分からないことになってしまいました。」

Phase3:開発部枠開放

「そこで、開発部の枠を開放しました。基本的にエンジニアは事業部に属し、エンジニア文化や採用、評価、高度技術、インフラ基盤など培ってきた横断的機能については、CTO室を設置しました。これまで、開発部として私が指揮を取っていた際に、リーダー層の採用もできたことで、新しい体制が取れるようになりました。」

完全ユニット制に移行

「今年7月に、完全ユニット制に組織を移行しました。しかし、新たな課題も見え始めています。これまでCTO室が主体となってエンジニア採用を行ってきましたが、事業別に採用しなければならない。各ユニットにエンジニアが分散することで、これまで醸成してきたエンジニア文化や志向性などリブセンスエンジニア全体としての統一感(LIVESENSEmade*というメッセージ)の維持がすごく難しい。今後、さらに会社全体が大きくなりユニット数が増えていくことが想定される中で、さらに大切に、そして難しくなってくると思っています。」

まとめ

「モノ作り組織については、縦・横それぞれ良い悪いといった議論がありますが、これが正解ということはないと思ってます。会社のフェーズに応じて会社のフォーメーションを変えていく、そして変えた先でも現場が混乱しないように、現場のリーダーが現場に発信する。そういうことを愚直にやり続けることが重要だと感じます。」

「そしてエンジニアは仕組みや制度で担保しないといけない。エンジニアが偉いとか、どっちが偉くないというわけではなくて、エンジニアがハブになる文化を創ろうとしている。そういった意味でLIVESENSEmade*というメッセージを作りました。」

プレゼンの最後には、エンジニアをハブにする文化を創る中で、非エンジニアにもプログラミング研修の機会を設けていると話します。その背景には、社員が自主的に業務を効率化させたいという思いから研修を受けさせて欲しいという打診がありました。

このようにLIVESENSEmade*を掲げ、エンジニアだけでなく、非エンジニアもさらなる成長を目指すリブセンス。今回平山氏からエンジニアを中心に成長するための取り組みについて伺う事が出来ました。これからもLIVESENSEmade*という独自の文化を築くリブセンスから目が離せません。

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イベント第2弾開催決定!

nanapiCTO和田氏、VOYAGEGROUP三浦氏登壇!

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「IT業界で勝つための、技術を軸とした社内文化を創るには?nanapiとVoyageGroupが実践する人材育成と効果」9月18日(木)19:00~@新宿住友ビル「IT業界で勝つための、技術を軸とした社内文化を創るには?nanapiとVoyageGroupが実践する人材育成と効果」**「IT業界で勝つための、技術を軸とした社内文化を創るには?

nanapiとVoyage Groupが実践する人材育成と効果」**9月18日(木)19:00~@新宿住友ビル

この度、nanapiCTO和田氏、VOYAGEGROUP三浦氏をお招きし、非エンジニアがプログラミングを学ぶ必要性について、セミナーを開催します。

独特の社内文化や、実際に行われた研修の内容や効果についてお話いただく、

http://peatix.com/event/49832


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CodeCampus編集部
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