全世界で合計3,300万人がプレイするスマートフォン向けゲーム『ブレイブ フロンティア』を開発・運営し、「ユーザーに楽しんでもらえるゲームを創る」ことに情熱を持つエンジニアが集まる株式会社エイリム。
新入社員として入社するエンジニア社員の中長期的なキャリア形成を見据えて、ゲーム開発会社として先進的な取り組みを行っています。今回は、開発部長として新入社員育成を管掌する杉山氏と、新入社員としてクライアントサイド開発を担当している深澤氏にお話を伺いました。
株式会社エイリム
取締役 開発部長 杉山 浩氏(写真右)、開発部 深澤 佑太氏(写真中央)
インタビュアー:コードキャンプ株式会社 デジタル人材開発支援室 井元 健太 (写真左)
ゲームづくりの根幹を担う、エンジニアへのプログラミング研修
-コードキャンプの研修を活用していただきありがとうございます。今年は初めての試みとして、新入社員にサーバーサイドのプログラミング研修を実施していただきました。まずはその狙いについてお話いただけますか?
杉山氏:エイリムは、「全員がゲームクリエイター」を掲げている会社です。全社員が共通して目指していることは「ユーザーに楽しんでもらえるゲームをつくる」ということ。
開発現場でもプランナー、デザイナー、エンジニアが一体となってゲームの企画・開発に取り組んでいます。面白いゲームは仕様書の上だけで生み出すことができません。実際にデザインを起こし、システムを組み上げながら手触り感をもって開発を進めることでいいものを生み出すことができると考えています。
技術についての考え方も同じで、「面白いゲームをつくるために必要」な技術があるならば習得して磨いていくべき。そしてやはり、質が高いゲームをつくり上げるためには、クライアントサイドだけではなくサーバーサイドの知識・技術力が必要です。
これからエンジニアとして入社する新入社員の育成についても、クライアントサイド・サーバーサイドという分け方に関係なく、いい仕事をするために必要な技術を習得してもらおうということで、新入社員にサーバーサイドのプログラミング研修を実施しました。
クライアント・サーバー両方の技術に通じた人材を育成
-このような研修は今年度が初めての実施ということですが、これまでにどのような課題をお持ちだったのでしょうか?
杉山氏:一番大きいのは、開発環境の変化です。スマートフォンゲームの開発体制も以前と比べて大規模になってきていて、分業化せざるを得ない状況になっています。もし、新入社員を現場に配属してOJTを行っても、配属先で使われている技術にしか触れることができなくなってしまう。
今年から新入社員には、現場配属前に知っておくべき技術の研修を実施しようということで、サーバーサイド(PHP)の研修を行うことにしました。実施することを決めてから研修が始まるまでの期間が1ヶ月弱だったので、コードキャンプさんにはかなりスピーディーに対応していただいて感謝しています。
また、クライアントサイドのエンジニアでありながら、サーバーサイドの技術もしっかり理解しているという人材は少なく、中途で採用できることもなかなか稀です。
クライアントサイドの経験が長い方で、サーバーサイドの言語や技術を自分から学ぼうとする方はあまり多くないのが現実ですし、クライアントサイドの経験しかない方にとっては、とっつきづらさというか、抵抗感を持ってしまう人が多いのではないかと感じています。
今回の研修は、そういった人材を採用することが難しいのであれば「自分たちで育てていくしかない」という想いもあり実施を決めました。
-エンジニアとしての幅を広げたり、更に上のキャリアを目指すうえでもサーバーサイドの技術について理解を深めることは非常に重要ですね。
杉山氏:その通りで、将来的に「リードエンジニアとして活躍する」「開発部門をとりまとめる仕事をする」となると、どうしてもクライアントサイド・サーバーサイド両方の知識をもっていることが必須です。
新入社員のキャリアの可能性を広げるという意味でも、入社した時点でクライアントサイド・サーバーサイドについてしっかり理解してから現場の仕事に入るということは価値がある経験だと思います。
深澤氏:私としても、入社してすぐにクライアントサイドのエンジニアがサーバーサイドの技術を習得することの価値や意義について説明を受けて、納得して学習を進めることができたので振り返ってみると非常によい経験だったと思います。
自分の身のまわりでエンジニアとして就職した人たちを見回してみても、クライアントサイドとサーバーサイドの両方がしっかりできる人はほとんどいないので、身につけることで差がつくと感じています。
実際に研修を受けてみるとクライアントサイドの技術とは勝手が違うので、業務と別に集中して学習する時間を取ることができてよかったです。
やはり、仕事をしながら空いた時間を使って新しいことを勉強するという形だと、今のレベルまで習得するのに時間がかかってしまうと思いますし、最後まで学習を続けられるかどうかも不安があるので。
確実に技術力を磨く、マンツーマン研修
-サーバーサイドの言語を学習することに目的意識を持って意欲的に取り組んでいただけたので、深澤さんへの講師からの評価は非常に高かったです。研修を受けた率直な感想を教えてください。
深澤氏:私はPHPについて全くの未経験だったので、コードキャンプのように現役のサーバーサイドエンジニアの方からマンツーマンで教えていただけるという学習の進め方は理想的だと思います。
集合型で講義を受けるのとは違い、自分が疑問に思ったことを気になったタイミングですぐに聞いて解消することができるので、かなりスムーズに学習を進めることができました。
毎日決まった時間にマンツーマンレッスンを受講するようにして、次のレッスンまでを目標にカリキュラムや課題を進めてわからないことや、躓いた所をレッスンで解消するという風に学習を進めていました。
杉山氏:今回、研修をお願いする上でマンツーマンでしっかり指導してもらえるということは大きな決め手でした。e-Learningだと質問することができず表層的な理解になってしまいますし、マンツーマンレッスンというのは新入社員が確実に技術を習得するために有効な学び方だと思います。
あとはシンプルに多くの企業で導入されている実績があるので、そこも安心感を持ってお願いすることができました。自社内で講師を確保することができれば質が担保できると思うのですが、研修のためにエンジニアのリソースを割くということは現実的ではなかったので、実績があるコードキャンプさんにお願いすることになったという形です。
技術を磨き、最高のゲームづくりに挑戦を
-コードキャンプに大きな期待をかけていただきありがとうございます。研修後に、新入社員のみなさんにどのような活躍を期待されているのか、杉山さんが考えていることをお話いただければと思います。
杉山氏:僕たちがつくっているのはただのシステムではなくゲーム・エンターテイメントなので、自分がやりたいと思ったことや面白いと思ったことにどんどんチャレンジしていってもらいたいですね。
現場ではプランナー・デザイナーとチームを組んでゲームを開発していくことになるのですが、エイリムではエンジニアという役割にとらわれず「これで本当に面白いものができるのか?」と問い続けて欲しい。ユーザーに楽しんでもらうために必要だと思うことをトコトン追求してもらいたい。
やりたいことを追求していくと必然的に、越えなければいけない技術的な壁にぶつかることがあると思います。研修でエンジニアとして身につけておくべきことの基礎は習得できていると思うので、それをベースに難易度が高いことにも自分から挑戦してもらえると嬉しいです。
任されたタスクをこなすだけのエンジニアではなく、ゲームクリエイターとして、多くのユーザーに楽しんでもらえるような仕事をしてもらいたいと思っています。
-配属後に仕事に対して受け身にならないようするためにも、研修時点で業務遂行のために必要な知識・技術を習得しておくことは重要ですね。最後に、ゲームクリエイター・エンジニアを目指されている方にメッセージを頂ければと思います。
杉山氏:ゲームを開発するために技術力は必須ですが、まずはユーザーに楽しんでもらう、面白いゲームをつくりたいという情熱が全てのスタート地点です。つくりたいという情熱があれば技術はあとからでも磨くことができるし、新しい技術に対しても敏感になることができます。
「ゲームをつくりたい」という気持ちがある人はその軸をぶらさずに、面白いゲームをつくるために必要な技術を身につけていってもらえたらいいと思います。
エイリムはゲームづくりを突き詰めたいエンジニアにとって良い環境だと思います。エンジニアはただプログラミングを行うだけではなく、ゲームクリエイターとしてモノづくりの根幹を担う存在です。
言われた事をやれば良いだけではないので、大変な面も多いですが、それ以上にやりがいのある仕事だと思います。ゲーム作りへの情熱も持った方と一緒に、良いものを作っていけると嬉しいですね。