あらゆる”モノ”が賢くなる!身近なIoT活用事例10選


あらゆる”モノ”が賢くなる!身近なIoT活用事例10選
目次
  1. あらゆるモノが賢くなる世界
  2. IoT活用事例10選
  3. Fitbit:リストバンドで健康管理
  4. ディズニーワールド:チケットいらずの「MagicBand」
  5. 京都市営バス:リアルタイム到着案内
  6. 松屋銀座:スマートフォンにセール情報発信
  7. Nest:冷暖房の自動制御
  8. ボルボ:スマートデバイスと連動する「コネクテッドカー」
  9. 竹中工務店:賢いビル管理システム
  10. UPS:配送車のセンサーで賢い輸送
  11. PSソリューションズ:農業に科学をもたらす“ITかかし”
  12. Apple Watch:最も注目されるIoT機器
  13. まとめ

IoTは最近の流行語の一つですが、日常生活で目にする機会が少ないため、実際どのように活用されているのか伝わりにくい技術かもしれません。世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信したりする技術がIoT(Internet of Things、モノのインターネット)です。

あらゆるモノが賢くなる世界

従来は主にパソコンやサーバ等のIT機器がインターネットに接続されていましたが、IoTは機械、建物、家電、洋服など、あらゆるモノに通信機能を持たせる取り組みです。モノの状況を自動的に認識したり、位置情報を使って機械の自動制御や遠隔操作を行ったりするため、これまででは考えられなかった“賢さ”をモノに与えられるのがメリットです。

IoTが実現できるようになった理由としてセンサー技術の進化が上げられます。位置情報を取得するGPS、カメラ、各種センサーなどが小型化・高精度化しているため、取得できるデータが格段に増えました。また、ビッグデータと呼ばれるデータ分析技術の進化も見逃せません。自動認識や異常検知といった手法が実用化されてきたので、大量のセンサーデータから意味のある知見を取り出せるようになったのです。

IoT活用事例10選

Fitbit:リストバンドで健康管理

fitbit

https://www.fitbit.com/

Fitbitは世界的に有名になったIoT製品です。リストバンドを付けるだけで、歩数・消費カロリー・睡眠記録・心拍数などが計測可能になり、測定結果はスマートフォンで確認できる優れモノです。健康管理、運動、ダイエットの支えになるでしょう。2014年にはアメリカ市場で68%のシェアを獲得するリーダー企業になりました。

ディズニーワールド:チケットいらずの「MagicBand」

disney

https://disneyworld.disney.go.com/plan/my-disney-experience/bands-cards/

米ディズニーワールドでは来場者にリストバンドを配布し、入場券・ホテルの鍵・食事・買い物といった全ての体験をリストバンド一つで行えるようにしました。支払いなどに煩わされることなく、ディズニーの世界に集中できるのです。ディズニー側としては、リアルタイムで来場者の状況を確認し、混雑状況に応じたスタッフ配置や在庫管理に役立てています。

京都市営バス:リアルタイム到着案内

kyoto

http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/

観光客向けサービスの拡充を目指し、京都市はバスの停留所に大型液晶ディスプレイを設置し、バスの運行状況をリアルタイムで通知するサービスを開始しました。788台のバス全てに通信機器を搭載し、無料の公衆Wi-Fiなどと連動して、リアルタイムの到着案内を行います。この手法は従来技術よりも少ないコストで導入できるため、他の自治体での活用も期待されます。

松屋銀座:スマートフォンにセール情報発信

ginza

http://www.matsuya.com/m_ginza/

高級百貨店もIoTを導入しています。松屋銀座では店舗の入り口に電波の発信機を設置し、得意客が近づくと、スマートフォンへセールやイベントの情報を発信する仕組みを始めました。たまたま通りがかった見込み顧客に、お得な情報を提供し、買い物に寄ってもらおうという位置情報を上手に使ったアイデアです。

Nest:冷暖房の自動制御

nest

https://nest.com/thermostat/meet-nest-thermostat/

2010年にAppleに勤務していたエンジニアによって創設されたNestは居住者の好みを学習し、自動で温度調節を行うサーモスタットの開発を行っています。冷暖房運転を最適化し、光熱費の削減にも役立ちます。欧米を中心にヒット商品となり、2014年にはGoogleに買収され、ホームオートメーション戦略の中心に位置づけられています。

ボルボ:スマートデバイスと連動する「コネクテッドカー」

volvo

http://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/xc70

自動車のIT化は大きく進んでおり、市場調査・マーケティングで高名な富士経済は「2025年には世界で6547万台、日本でも954万台がコネクテッドカーになる」と予測しています。整備の時期を自動で知らせたり、カーナビのソフトウェア更新をネットワーク経由で行ったりする機能が開発されつつあるのです。自動車の通信機能によって、自動車自身が事故を避けるようになり、自動運転が実現されるのも遠い未来ではないかもしれません。

竹中工務店:賢いビル管理システム

takenaka

http://www.takenaka.co.jp/solution_manage/needs/smartcommunity/service01/index.html

ビル管理は、省エネと快適性を両立させるために、センサーデータを活用した最適化技術が求められるようになりました。また、防災や防犯の観点から監視カメラを用いた異常検知にもニーズがあります。竹中工務店はビル管理システムをクラウド化し、データの見える化、リアルタイム制御などのサービスを提供しています。

UPS:配送車のセンサーで賢い輸送

ups

https://www.ups.com/jp

世界最大の配送業者の一つであるUPSでは、8万台を超える輸送車両にセンサーを搭載し速度・燃費・走行距離・停止回数・エンジンの状態などを監視しています。輸送プロセスの最適化を行い、コスト削減・効率化・環境負荷の低減などを実現するのが狙いです。

PSソリューションズ:農業に科学をもたらす“ITかかし”

ps

https://www.e-kakashi.com/

労働力不足や市場自由化など農業にまつわる課題は多く上げられます。IoTの力を用いて効率的な栽培方法を数値化し農業改革を目指すのが、e-kakashiです。田んぼや畑に設置するセンサーでデータを収集し、分析結果をパソコンやスマートフォンで確認します。米・いちご・トマトといった農作物の栽培方法は“レシピ”として登録されており、ベテラン農家のノウハウを活用できるのが魅力です。京都の与謝野町では既に試験導入が行われています。

Apple Watch:最も注目されるIoT機器

apple_watch

http://www.apple.com/jp/watch/

2015年4月に発売されたApple Watchは最も注目するべきIoT技術かもしれません。心拍センサーや加速度センサーを搭載し、健康状態や位置情報の取得を行うのはもとより、iPhoneとの通信によって音楽再生・電話・Siriなど様々な機能を簡単に使えます。フォルクスワーゲンが車載器とApple Watchの連携を発表したように、様々なモノとの連携がApple Watchの可能性を拡げます。iPhoneがスマートフォン市場を創造し、人々の電話の使い方を変えたように、Apple Watchが腕時計の使い方を変え、IoT市場を創造できるかどうか、注目が集まっています。

まとめ

IoTによる高度化は「インダストリー4.0」あるいは「次の産業革命」と呼ばれ、国の産業競争力を左右する技術と言われています。センサーやビッグデータ分析の力が世界をより“賢く”するのです。


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佐藤隆之
この記事を書いた人
佐藤隆之
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