メルカリCTOが語る「成長速度を加速させる方法」とはー執行役員CTO柄沢聡太郎氏

   

Code部

株式会社メルカリ執行役員CTO柄沢聡太郎氏にインタビュー!

業界をリードするトップエンジニアの皆さまに聞いた「トップエンジニア・インタビュー」。

プログラミングを始めたきっかけやご自身のスキルアップの極意、初心者へのアドバイスなど、貴重なお話をお届けするシリーズです。

今回は株式会社メルカリ執行役員CTO柄沢聡太郎氏にお話をお伺いしました!

プロフィール:柄沢聡太郎

在学中である2007年末からエンジニアグループnequal を立ち上げ、サービスなどを運営。2010年中央大学大学院卒業後、グリー株式会社に入社。退社後2011年2月株式会社クロコスを立ち上げ、CTO就任。日本初のFacebook社”認定マーケティング開発社”となる。2012年8月、クロコスをヤフー株式会社へ売却。その後もヤフーのグループ会社としてクロコスの事業成長と平行して、ヤフー自身のソーシャルの展開、新規事業を担当。強い開発組織のためのマネージメントを経験した後、2015年5月、株式会社メルカリに参画。執行役員CTOとして、技術領域全般を統括。

本日はインタビューを受けていただきありがとうございます。

中学の頃からプログラミングに触れていたとお聞きしたのですが、きっかけはどのようなものでしたか?

中学生の頃に親がダイアルアップ回線を繋いでくれたおかげで、インターネットには触れていました。当時は、友達とメールのやりとりをしたり、ジオシティーズでホームページを作って、そこに簡単なJavaScriptを組み込んだりしていました。ただ、その頃はプログラミングと言えるようなモノではありませんでした。本格的に始めたのは大学に入ってからです。

大学に入り、授業でC言語に触れてからは、Webプログラミングにも興味が出てきて、友達との飲み会の出欠をとるシステムをPerlを使って作成してました。PHPの勉強を始めたのもその頃で、自分で作ったケータイ向けサービスへのアクセスが多くなっていくことで、プログラミングの面白さを実感していきましたね。

それ以来、がっつりプログラミングをやっていった感じです。

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プログラミングはどのように学ばれたんですか?また効果的な勉強法などがありましたら教えて頂けないでしょうか?

最初は、書籍やブログなどで無料配布されているスクリプトなど見ながら勉強していました。ただ、勉強していく中で、個人で取り組むことに限界を感じ、何かやれることはないかと考え3つのことを意識してやるようにしました。

1つ目は、「自分の知らないことがたくさん転がっている世界に飛び込んでいく」ということです。いろんなアルバイトやインターンを経験させてもらったのですが、あえて自分よりレベルの高い人がたくさんいるところを選んで、自分を追い込める環境に身を投じるようにしていました。

その度に、自分だけでは出会えない、新しい世界が見えるようになったと思います。

2つ目は、「アウトプットをたくさんする」です。もちろんインプットもたくさんすることが前提ではありますが、アウトプットしないとインプットが経験になっていかないんですよね。方法としては自身のブログを書きまくったり、勉強会などでも積極的に発表していました。

3つ目は、「1つのものを極める」ということ。実際に極められたかは別として(笑)、極めるぞという覚悟で取り組んでいました。世の中にはたくさんの技術があるので、何もかも知らない事ばかりの頃はあれもこれもと目移りする時期もありましたが、当時のアルバイト先のCTOに「何か一つ極めてみろ」と言われて、まずはPHPを頑張ることにしました。それによって、徐々に周辺技術も含めて視野が広がり、「狭く深く」から「広く深く」というようになってきましたね。

1on1制度がエンジニア育成のポイント

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柄沢さん自身、20代で技術本執筆・起業・バイアウトを経験されてる中で、これまでどのような仕事を行ってきましたか?

新卒入社したグリーではインフラチーム に所属し、ソフトウェア基盤や開発環境など、エンジニアたちが使う土台となるソフトウェア部分を整える仕事をしていました。その後、同年代のエンジニアたちと立ち上げたクロコスという会社では始めてCTOに就任したのですが、何かを決めるとか、勉強会を企画するなど、自主的にリーダーシップをとることを意識していました。

クロコスがヤフーに買収されてからは、徐々にメンバーが増えてきたのもあり、プロダクト開発の時間が減ってマネジメントにシフトしていきました。当時も順調に開発が進むために、組織という観点から働きかけるような仕事をしていました。メンバーの育成や評価なども行っていました。技術的なアプローチと組織的なアプローチ、両方から「エンジニアが開発しやすい環境を整える」という仕事をしてきたと思っています。メルカリはいままさにどんどんと拡大しているので、その開発組織を整えるという新しい挑戦をしています。

メルカリにジョインしてから、CTOとしてエンジニア育成のために取り組まれたことはありますか?

メルカリにジョインした当初、社内の情報の整理や共有がまだ整っておらず、新しく入社したエンジニアが開発環境を整えたり、慣れるまでに時間がかかっているという状況がありました。組織の拡大に向けて中途社員の受け入れを効率化させるべく、社内の情報をまとめて受け入れ体制を整えたり、新しい社員にはメンターをつけて毎日ちょっとした悩みでも聞くような制度を作ったりしました。

また、新卒社員の受け入れを今年から始めたので、新卒研修にも力を入れています。新卒には業務だけでなく、メルカリ社の考え方の基礎やカルチャー、メルカリのユーザーについて理解してもらうことをとても大事にしています。

なぜかというと、仕事はOJTの中で徐々に覚えていけますが、文化を共有しないと一緒の方向を向いて良いものを作り上げることは絶対にできないと思っているからです。また、直接ユーザーからのお問い合わせに返答する接するCS(カスタマーサポート)の研修も2週間行います。そこで、実際のユーザーの声に触れることが、実際にプロダクトを開発していく上でも非常に重要になってきます。

技術の方針と経営の方針を一致させる-これからメルカリに必要な組織をつくっていく

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これから本格的に海外展開して大きくしていこうというフェーズだとお聞きしましたが、CTOとして心がけている点や取り組まれていることがありましたら教えてください。

まず意識しているのは「技術の方針と経営の方針を一致させること」。技術についてだけを考えるのではなく、会社や事業全体がどういう方向に向かっていくのかを理解し、それに最適な開発組織を作る、最適な技術を採用する、ということを大切にしています。

代表の山田(進太郎)とは頻繁に1on1で話しているのですが、彼は半年とか数年先のやりたいことが見えているので、それを実現するために技術面ではどうするのか、先回りして準備することはあるか、というふうに次の取り組みについて考えています。

例えば最近では、先日メルカリの新規事業として「メルカリ アッテ」というアプリがリリースされたのですが、このアプリではアカウント作成時にメルカリIDを利用しています。このIDの共通化をを実現するために、アーキテクチャを作り変えて、ID の処理を扱っている部分をマイクロサービス化する、という準備を行ってきました。これも将来を見据えての動きですね。

メンターという存在を決して侮ってはいけない。

プログラミング初学者に対して指導されるとしてどのようにしますか?

先ほども話しましたが「自分を追い込めるような環境に身を置く」ということがまず重要だと思います。その上で、自分にとってのメンターを見つけること。自分自身、いろいろな会社でエンジニアの経験させていただきましたが、尊敬する人を観察し、良い部分を真似するようにしていました。さらに、自分の知らない領域まで詳しい人と関係性を築くことで、成長速度は加速すると思っています。

プログラミング学習者へのエール

プログラミングというと、「難しい」という先入観がある方も多いかなと思うんですが、プログラミングや技術というのは、その先に何か人々にとっての価値を生み出すための手段だと思います。

プログラミングを通じて、自分のアイデアを形にするということをぜひ経験してもらいたいですね。

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