- 更新日: 2017年07月26日
- 公開日: 2017年07月20日
10社渡り歩いた”組織に依存しない男”はなぜSpeeeで働くのか -- Speee 是澤氏の考える企業とエンジニアとの幸福な関係
”非エンジニアが聞く「エンジニア採用」のリアル”の第6回目は、株式会社Speeeの是澤太志さんへのインタビューです。6度転職をして10社渡り歩いたエンジニアが「3年で辞める」ルーティンを破りなぜSpeeeで働き続けるのか、企業とエンジニアとの幸福な関係をお読みください!
是澤太志さんプロフィール:
株式会社Speee エンジニアマネジメント責任者 兼 エンジニア採用責任者
2000年からIT業界に飛び込み、20代の頃は主にリードエンジニアとして、30代からは組織やプロジェクトのマネジメントを中心に活動。
6回の転職と10社での多種多様な事業開発を経験。起業や個人事業主として活動していた時期もあり技術顧問や技術アドバイザーなどの経験も積む。
シーエー・モバイルにて研究開発部署の立ち上げやALBERTで技術責任者、フリマ系ベンチャーでCTOを経験し、SpeeeにてWebマーケティング事業部の開発責任者を務めたのち、現在はエンジニア採用を中心にエンジニアの組織系の責任者を務める。
【コーポレイトサイト】株式会社speee
「リスクヘッジ」と「リスクテイク」のバランス感覚が重要
-- 本日はよろしくお願いします。それでは会社の事業内容とご担当されている業務について教えていただけますか。
Speeeは、もともとSEOやWebマーケティングの事業(現デジタルコンサルティング事業)から中心に始まった会社です。
デジタルコンサルティング事業では自社でシステム開発もしていて、レコメンドウィジェット型ネイティブアドネットワークの「UZOU(ウゾウ)」というプロダクトをメディア向けに提供しています。他にも不動産売却一括査定サービス「イエウール」という売却を検討中の不動産オーナーと不動産仲介会社をつなぐサービスや、外装リフォーム会社紹介サービス「ヌリカエ」という塗装会社とユーザーをマッチングさせるサービスを運営しています。
新規事業としてインドネシアでHR事業の立ち上げや、医療系のサービスも展開しています。
僕のメインの業務としては、エンジニアのマネジメントや組織作りをやってます。最近はエンジニアだけでなく、プロダクトマネージャーの採用などにも関わっていて、Speeeのものづくりに関わる組織作りに幅広く関わっています。
-- 去年から使用言語をRubyやGo、Scalaへ切り替えられたと伺いました。採用も変化されているのでしょうか。
弊社のシステムは既に90%ほどがRubyなので、基本的にはRubyエンジニアやRailsの経験者を採用しています。
ただエンジニア経験が長く、技術力の高い方であれば、複数の言語経験やさまざまなアーキテクチャの経験をしている方が多くいらっしゃいます。
そういう方の場合はRubyやRailsの経験にこだわらず、どういう強みを持って成果を出せる人かどうかということを意識して採用するようにしています。
-- これまで多くのエンジニアに接してきて、Speeeで成果を出してきた方たちには共通軸があると思われますか。
技術が好きで自ら技術的なチャレンジをするかどうか、リスクを取れる人なのかどうかはありますね。
また、やみくもにやってみるだけではなく、リスクヘッジとリスクテイクのバランスがとれていることも大事な点です。
あとは「嫌な人」じゃないか、ですね。
-- 「嫌な人」とは、例えばどのような方なのでしょうか。
slackでコミュニケーションとることが多いんですが、そういうオープンな場で人を傷つける発言したりする人ですかね。これはブログやTwitterなどでも同様だと思います。
物事を手動しながら前に進めるためだったり、正常化するコミュニケーションの一貫として多少の”毒”とか”マサカリ"は必要になることがあるかもしれません。
ですが、その矛先が人に向き誰かを傷つけるような「嫌な人」になっても、誰も得をしないと思っています。リスペクトし合える関係が組織やチームには必要になるので、そういったところは見ていますね。
経営陣と現場が対立しない。対話で解決する会社
-- では逆に是澤さんが一緒に働きたいと思う方はどんな方でしょうか。
チャレンジから学習して変化できる人です。
賢い方とか既に実績を残した凄い方と働くのも良いんですが、それよりも変化する人と働きたいです。
失敗を恐れずにやってみて、自分で考えたり、周りからのフィードバックを素直に受けいれて変化できる。
そういう世界になれば性善説で生きられると思うんですよ。
-- 是澤さんはこれまで6回転職され、今が10社目です。これまでの会社とSpeeeとで働き方に変化はありますか。
今年の4月で丸4年経って、去年いろんな人から「そろそろやめるの?」って聞かれました。 だいたい3年で辞めるってルーティンが出来上がってきていたので(笑)
Speeeでの役割や働き方は変わってきているんですが、、無理に自分のやり方やスタンスを変えようとはしていません。
経営陣にも言いたいことを言うし、けむたい小姑みたいなことも言います(笑)
ただ、Speeeではお互いをリスペクトして相手の意図や行動の背景を理解して建設的なやりとりができるので、自分にはない新しい気づきも生まれるし、納得して次に進めることができています。
-- 理解しあって一緒に考えていけるということでしょうか。
はい、いろんな案を出し合って、結果もちゃんと共有する場があって、そういうところが良いですね。 他の会社だとよく経営陣と社員が対立する話が出ますが、Speeeでは経営陣も仲間として同じ目標に本気で向かっていってるなと感じます。まさに戦友な感じですね。
会社という「箱」ではなく自分の力で稼げる人間になるべき
-- 起業経験もお持ちですが、Speeeという組織で働いてみてどのような印象でしょうか。
僕の場合、社長になってしまうと性格的にビジネス勘定ばかりするようになるっていうのがわかっているんですが、別にそういうのをメインにはやりたくないし、向いてないと思うんですよ。
どちらかといえば、僕は現場の課題に対して戦略を練って、検証して、世の中へ良いフィードバックを返せる仕組み作りを参謀的戦略家としてやっていきたい。そして書籍などで世に残し伝えたいと考えるようになってきてます。
エンジニアでいえば「Joel on Software」という有名なバイブルがあってJoelの経験や考え方から学ぶことが出来ますし、ドラッカーもマネジメントのことを研究して体系化しまとめ世に出したことでみんなが活用できるようになっています。
僕も自分の孫やその先の世代まで考えて世の中に貢献したいし、時代を超えて生き残るほどの思考や実績を残することが真の価値じゃないかな?と考えています。
Speeeもそういう想いを持っている会社なので、エンジニア採用や組織マネジメントの実証と体系化する取り組みに裁量と責任を持ってやらせてもらっています。
- - 是澤さんの課題と非常にマッチした会社であると。ただ、一方で組織というものに依存していないようにも見えます。
正直、特定の会社でしか生きられない方は組織的にも個人的にも魅力を感じないなと思っています。
一つの会社に依存して会社の器で勝負しても、その会社が無くなったらどうするんだろうと。
僕は歴史が好きなんですけど、国の成り立ちっていうのはまず人が集まってきてその土地での営みで成果物や価値が生まれ、それらの効率的な運営をやるために自治体などの組織が生まれ、法律や制度など仕組みを創ったりしていくものだと思っています。
だから会社という「箱」がありきではなく「人」がいて「箱」ができてっていう順序のはずです。
-- ちなみに、歴史ではどの時代がお好きなのでしょうか。
幕末とか戦国時代とか、後は三国志ですね。三国志では曹操や郭嘉といった魏の武将が大好きで。日本だと藤堂高虎が好きです。
藤堂高虎は、7度主君を変え転職したんですが、転職回数でいうと僕もあと1回変えたら並びます(笑)
高虎の好きなところは、彼は織田家や秀吉にも家康にも仕えた実績を持ち、家康からは外様大名にもかかわらず信頼されていた。なぜそこまでの評価されているのかというと、環境にかかわらず実績を残し続けていたからだと思います。
一国一城の主として家を守るために自分の力できっちり実績を残していく、自分の能力を磨きその力で成果をあげることが大事です。そうした考えもあって、あんまり「箱」にこだわってもしょうがないこだわるなら成果だよね、という話はよくしています。
エンジニアという「書生」へ投資することで世の中を変えていく
-- 御社は業務委託であっても社内エンジニア向けと同じ福利厚生を提供されたり、まさに「箱」じゃなくて「人」で見られていますよね。
同じエンジニアで互いの働き方が違うだけなのに、社員なのか社員じゃないのかというだけで待遇に違いがあるのは素晴らしい世界とはいえない。
技術力が凄い人は、どんな働き方をしていても凄いことには変わりはない。
僕たちとしてはそういう凄い人が来てくれることがありがたいわけですから、その人たちが働きやすく成果を上げやすい環境を作ろうと考えています。
歴史に戻ると、明治頃には裕福な人間が才能のある者や見込んだ人を「書生」として支援して、勉学や創作に集中できる環境を整えてあげる文化がありました。
-- ヨーロッパでも貴族が芸術家のパトロンとして支援してましたね。
その通りです。そういう仕組みがあったからこそクリエイティブの発展がありました。 ただ、芸術家を支援といっても「誰にどんな支援をすべきか」の目利きが出来るのは、常日頃芸術に触れていて知識と経験がある人間にしか出来ません。
それを会社とエンジニアの関係に置き換えると、どうすればエンジニアがより確度高く成長し、成果が残せるようになるのかがわかって投資できるのは同じエンジニアがベストだと思うんですよね。 Speeeのような会社の投資をきっかけにいろんなスペシャリティを持ったエンジニアが育ってくれることで、もっと幸せな世の中になるんじゃないかなと考えています。
\Webサイト担当者としてのスキルが身に付く/
根性論ではなく論理的に考え変化出来ることがSpeeeの良さ
-- エンジニアへの投資を惜しまない会社であると。最後に是澤さんがSpeeeで働いていて楽しいと思う点を教えてください。
変化する組織であるというところです。
2年ほど前までは技術よりも営業という印象がありましたが、井原さんが来てこれからはモノづくり組織でいくぞという発信をしたこともあって、どんどん組織が変わっていきました。僕からみると経営陣の意識も大きく変わってきたと思います。
変化の内容も、いままでの延長でANDでいくのか、ORでいくのかを考えて強弱つけることや取捨選択ができています。
また、エンジニアへの投資という文脈になったとき経営者は感情論や根性論をしてしまいがちなところがありますが、Speeeの経営陣はそういうところがないですね。
背景や人の感情も含めて論理的に考えて戦略と捉えてくれますし、経営陣が考えた戦略や施策に対して指摘をしても経営陣が受け入れてくれますし、どうやれば一番成果が残せるのかをディスカッションし、コミュニケーションを取りながら一緒に進められるところがよいところですね。
--経営層と現場との理想的な関係性ですね。それでは次の方をご紹介いただけますか。
BASE株式会社のCTOでえふしんさんこと、藤川真一さんをお願いします。
--本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部