エンジニア必見! 時間を溶かさない情報探索のポイント


エンジニア必見! 時間を溶かさない情報探索のポイント

エンジニアとして働いていると「情報を探す」ことが多くあります。ほぼ毎日、何かしら検索しているエンジニアにとって、重要な仕事のひとつと言っても過言ではありません。

エンジニアが探す情報とは、これから使っていくフレームワーク、世の中に出てまもないライブラリ、テクニックやノウハウのようなものから、知り合いから相談されたスマートフォンのトラブルシューティングまでさまざま。

今回は、情報探索で時間を浪費しないための情報源の使いわけ方と情報探索のポイントについてお話します。

目次
  1. 情報源を使いわける
  2. Wikipedia
  3. SNS・動画サイト
  4. ブログやユーザー投稿サイト
  5. さらに詳しく調べる
  6. 適切な情報を見つけるための3つのポイント
  7. 仮説を立てる
  8. 情報の鮮度に注意する
  9. 信頼できる情報源を持つ
  10. エンジニアにとって情報探索能力は重要なスキル

情報源を使いわける

「情報を探す」といっても、やみくもにGoogle検索をすれば良いわけではありません。どのような情報を求めるのかを考えた上で適切な情報源を選ばなければ、情報の海に飲み込まれるだけです。

探したい情報に公式サイトがあれば、情報の正確さと信頼性においてこれに勝るものはありません。一方で公式の情報だけでは具体的な事例が不足しているなど分かりにくい面もあり、他の情報源とうまく組み合わせて活用することが大切です。

まずは、情報源ごとの適性について整理しておきます。

Wikipedia

Wikipediaは「ざっと全体像を把握」するのに適した情報源です。

この記事を読んでいる方でWikipediaを知らない方はいないと思いますが、Wikipediaがどんなものでどのように作られているのかを知らない人は多いかもしれません。

Wikipediaとはインターネット上の百科事典(Encyclopedia)で、Wikiというシステムを使って情報の管理と公開を行なっているので『Wikipedia』と名付けられています。

百科事典といっても、紙の百科事典を見なくなって久しいので今の若い人にはピンと来ないかもしれませんね...。Wikipediaでウィキペディアを調べるとこのような説明があります。

「ウィキペディアは、世界中のボランティアの共同作業によって執筆されるフリーの多言語インターネット百科事典である」Wikipediaより

つまり、有志によって作られた情報の塊であって、特定の企業や管理者が内容を管理しているものではありません。しかしWikipediaを正確で公平なものであるように保とうとする世界中の方々のおかげで不適切な記載や間違った情報の指摘と修正が行われ、情報の信頼性は高い水準で保たれています。

Wikipediaの良いところは「どの記事も同じフォーマットで書かれている」ということです。Wikipediaに掲載されている情報が必ずしも最新とは限りませんが(それでも、かなりの速さで更新されていることがほとんどです)どの記事も同じフォーマットで書かれており、まず最初に概要がありその後に詳細が続くという構造は全体を把握するのに便利です

多くの場合、検索エンジンで検索した結果の上位にWikipediaの項目が上がってきますが、検索に使ったキーワードが英語だった場合には英語のページが表示される場合があります。そのような時は検索キーワードを日本語(カタカナ)に変えて再検索するか、WikipediaのURLの先頭を『en』から『ja』に置き換えてみてください。ただし、有志で作られているので必ずしも日本語のページがあるとは限りません。

SNS・動画サイト

SNSは最新の情報やその分野に詳しい人を見つけるのに適した情報源です。

TwitterやFacebookなどのSNSは取扱いに注意しなければなりませんが、使い方によっては有用な情報源になります。正確でない情報が見つかるリスクがある一方で、公式サイトに掲載されていないような情報、たとえばあるライブラリの次バージョンの情報などがSNS上で流れていることがあります。

このような情報を鵜呑みにしてはいけませんが入り口としては有用。そこから公式サイトの情報を当たって裏を取る(情報の確証を得る)というように、複数の情報源を組み合わせる工夫をして使いましょう。

また、SNSにはそれぞれの分野のエキスパートが情報発信していることも多くあります。そういったアカウントを見つけると、より信頼性の高い情報が得られます。

もちろん、フォローして常に新しい情報が入るようにすることを忘れずに。

YouTubeのような動画サイトは、具体的な手順など文字では伝わりにくい詳細情報を見つけるの適した情報源です。SNSと同じように、有益な情報を発信しているアカウントを見つけてチャンネル登録をしておきます。

動画の良いところは、当たり前ですが映像がついているところ。具体的な手順など、ブログやSNSなどのテキストメディアでは省略されがちなところまで網羅されているのがポイントです。情報を発信する側も文字だと伝えにくいところまで伝えてくれることがあります。たとえば「わかりやすいプレゼンスライドの作り方」のようなチュートリアル動画がYouTubeには多数掲載されていますが、これらは動画だからこそ伝わる情報といえます。

ブログやユーザー投稿サイト

ブログやユーザー投稿サイトはノウハウやテクニックを見つけるのに適した情報源です。

Qiitaのようなユーザー投稿サイトが登場する以前、プログラミングノウハウはエンジニア個人が運営するブログに掲載されていることがほとんどでした。最近は、QiitaやStack Overflowのようなユーザー投稿型のサイトにノウハウが集められています。

ユーザー投稿サイトは情報共有型とQ&A型の2種類にわけられ、情報共有型はQiitaやZenn、Q&A型はStack Overflowやteratailなどが有名ですね。

情報共有型サイトは知見や経験を持っている人が積極的に情報を発信しているのに対し、Q&A型のサイトは自分が欲しい情報や困っていることを投稿し、ノウハウを持っている人がコメントで情報を提供する、というように情報の流れに違いがあります。

情報共有型サイトを利用する際に注意しなければならないのは、見つけた情報が自分にとってベストではないかもしれないという点。あくまでも投稿者がそれで上手くいったというだけであって、それがすべての最適解であるとは限りません。掲載されている情報が自分の状況と一致しているか、同じような情報が他にもないかを探し、その中から自分が求めているものを選ぶようにしましょう。

Q&A型サイトを利用する際の注意としては、必ず適切な回答が得られるとは限らないということです。そういう意味では情報共有型と同じですが、読み取り方が情報共有型と違います。 Q&A型サイトの投稿にはたくさんのコメントがついていることがあり、一見解決策があるかのように見えます。しかし、最終的に投稿者が求めている解にたどり着いているとは限らないため、まず最後のコメントを読み最終的な結論ややりとりの状況を把握してから、すべてのやりとりを読むと時間の無駄にならずにすむのです

さらに詳しく調べる

比較的新しい技術に関する情報の場合、日本語での情報が少ない場合もあります。そういった場合には、探索範囲を英語の情報にまで広げた方がよいかもしれません。大丈夫、今はGoogle翻訳やDeepLのような精度の高い翻訳サイトがありますので、これらのサービスを駆使すれば英語が苦手でもなんとかなるものです。

ただし、英語の情報を検索するには少し工夫が必要。多くの検索エンジンは検索するユーザーが使用している言語のサイトを優先的に表示しようとするためです。

Yahoo!の場合はyahoo.co.jpではなくyahoo.comへアクセスすれば英語の情報を検索できますが、Googleの場合はgoogle.comを使っても表示されるのは日本語の結果です。

そこで、Googleで日本語以外のサイトを意図的に検索する場合、以下のように『gl』『hl』『gws_rd』の3つのパラメーターを付けてアクセスします。

https://www.google.com/?gl=us&hl=en&gws_rd=cr

『gl』の後のusは検索している人の国を、『hl』の後のenは検索結果の言語を『gws_rd』のあとのcrはブラウザをユーザーの国の設定に戻さないことを指定しています。このURLにアクセスすれば英語を母国語にする人の検索結果と同じ結果が得られます。『gl』や『hl』の後の文字列を変えることで英語以外の言語での検索も行えます。

当然検索結果はすべて英語で表示されますが、ドメインなどから判断すればどこに有用な情報があるかはある程度判別できるものです。エンジニアが英語を嫌っていては生きていません、ここはもうひと頑張りしましょう。

適切な情報を見つけるための3つのポイント

ここまでは情報源についてお話してきました。次に、それらの情報源を使いこなして適切な情報を見つけるためのポイントについてお話します。

仮説を立てる

これはすべての仕事に対して言えることですが、「仮説を立てる」という考え方を持っておくことは、仕事を効率化する上でとても重要です。

自分がどんな結果を期待しているのか予測しているのかをイメージし、それが正しいとすればそこにつながる情報はどこにありそうか?と考えていけば、自ずと欲しい情報のありかが見えてきます、これが「仮説」になります。もし、そのとおりの結果が見つからなければ最初の仮説を立て直します。

これを繰り返せば、検索キーワードをとっかえひっかえ入力して疲弊することもなければ、気づいたら全然関係ないことをやってたということもなくなり、求めていたものが見つかるはずです。

情報の鮮度に注意する

情報も鮮度が大切です。自分が求めていたものに近いものが見つかったら、まず掲載日(一番最初に掲載された日)と更新日(最後に更新された日)を確認しましょう。

ソフトウェアの場合は、さらに新しいバージョンがリリースされているかもしれません。最新の情報に基づいているか現在有効なものか?ソフトウェアなら公式サイトを確認して、最新の情報に基づいて掲載されたものかどうかを必ず確認します。掲載日が古くても、更新日が新しければ問題ありません。

新しさについて、どれぐらいなら大丈夫という明確な基準はありません。私の場合は掲載日もしくは更新日のいずれか新しい方が1年以上前なら、さらに新しい情報を探すようにしています。

信頼できる情報源を持つ

自分が信頼できる情報源を持つことで、より適切な情報に速くたどりつけるようになります。

それは特定のサイトかもしれませんし、特定の人かもしれません。「この分野ならこのサイトを見ればわかる」「この技術に関してはこの人がエキスパート」「この人の考え方はいつも信頼できる」など、信頼する対象や評価の軸もさまざまです。

また、一度見つけたからといってそれが永久に有効とは限らないので、常にアップデートし続けなければなりません。

Webサイト担当者としてのスキルが身に付く

無料カウンセリングはこちら

エンジニアにとって情報探索能力は重要なスキル

プログラミング初学者から見ると「プロのエンジニアはなんでも知ってる」と思うかもしれませんが、そんなことはまったくありません。プロでも毎日のように検索エンジンを使い、自分の知らないことや必要なことを都度調べて日々の開発を進めています。

エンジニアにとって情報探索能力は重要なスキルです。一朝一夕に身につくものではありませんが、今回お話したことがみなさんの情報探索能力アップにつながれば幸いです。


関連記事

若林健一
この記事を書いた人
若林健一
まずは7日間お試し!人気プログラミング講座を無料公開中
オンライン・プログラミングレッスンNo.1のCodeCamp