技術を軸とした文化をつくりたいーnanapi CTO和田氏の“プログラミング教育”とは?



技術を軸とした文化をつくりたいーnanapi CTO和田氏の“プログラミング教育”とは?

CTOインタビュー第一弾! 今後、Code部では、「CTOインタビュー」と題して、有力企業のCTOの皆様に、プログラミング学習に関する体験談や、企業内での教育・育成の取り組み、初心者へのアドバイスなどに関するインタビュー記事を掲載していきます。記念すべき第一弾は、株式会社nanapiCTOの和田修一氏のインタビューをお届けします。

プロフィール:和田修一氏
中央大学経済学部卒業後、2005年に楽天入社。同社の退職後、2009年に古川健介氏(現:nanapi代表取締役)と共に 株式会社nanapiを創業。以来、CTOとして、同社のすべてのシステム開発を統括してきた。nanapiは現在、生活に役立つテクニックの共有サイトnanapiや、最近では5月14日(水)にAndroid版をリリースしたスマートフォンで簡単に悩みや疑問を相談し、即レスを得ることができるスマートフォン時代のQ&A型コミュニケーションアプリ「アンサー」を運営している。

目次
  1. WEB業界におけるこれからの「働き方」とは?
  2. 社内で非エンジニア向けのプログラミング勉強会を行っているnanapi
  3. 非エンジニアにもプログラミングを教える真意とは?
  4. 最後に、プログラミング学習者に向けたエール

WEB業界におけるこれからの「働き方」とは?

nanapi

ー以前、ブログで技術についてもっとリスペクトされる事が必要だ。という記事を拝見したのですが、そのような考えに至った背景はありますか?

今までの日本人の新卒採用はいわゆる総合職の採用で、一生一つの会社で働くというのが日本人の典型的なワークスタイルでした。その中で働きつづける上で必要なスキルは「社内調整」なんです。

ビジネスが出来上がっていて、いかに社内で活躍するかがポイントになってくるので、いわゆる”専門性”というものが、”汎用的な専門性”ではなく”社内に於ける専門性”しか求められなかったのが今までです。

しかし、一生を通して一つの会社で働くということは今の時代では無いんです。終身雇用もありませんし。そうなってくると、どの会社でも働けるような”汎用的な知識”を身に付けていかなきゃいけないというのが、今の実際の働き方だと思うんです。となると結局やっぱり必然的にどこの会社でも通じるような人間になるためには専門性というのが圧倒的に重要になってくる。

私が実際にweb業界で働いてきて、web業界でいう専門性って一番何が必要なのかというとやっぱり技術なんですよ。今後、特にこの業界においては確実に技術が中心になってくるし、働き方自体も専門職が中心になっていくと思うのです。

なので、そういった中で戦って行く為にはやっぱり、エンジニアというか技術自体が中心になるような会社になっていかないと負けるなという思いから、技術的な教育を通して会社の文化をつくっていっているというのがありますね。

ー確かに、世界でみれば”技術中心”という考え方が標準ですよね。

Googleもそうですよね。Adwordsもあくまでエンジニアがつくっていますから。営業は、どちらかというとサポートといった感じですからね。ただ、僕の作りたい会社のイメージというか風土というのはエンジニアが偉いと言う訳ではないんです。技術が偉いという事なんです。技術と言う概念が偉いというようにしたい。

そういった意味ではエンジニアはエンジニアだから偉いのではなく、技術に精通しているから偉いといえますね。マーケッターであっても、エンジニアであっても、営業であっても技術に精通していれば、しっかりとした価値があるよね。という風土をつくりたい。

社内で非エンジニア向けのプログラミング勉強会を行っているnanapi

nanapi

ー今は何名くらいが研修に参加しているのですか?

まず、勉強会は大きく分けて2種類あるんですけど、一つはエンジニア向け、もう一つは非エンジニア向けですね。非エンジニア向けに関しては6名のと7名のクラスがそれぞれあって計13名ですね。

ーどのように行うのですか?

そうですね。非エンジニア向けなので。週一回クラスのメンバーが集まって私が教えながらその場で書いてもらっています。一回一時間ですけど、毎回宿題があってというかんじですね。全て業務時間中にやります。

ー実際にやってみて、効果はありますか?

毎週私が非エンジニアに対してレッスンをやっているんですが、すぐに具体的に効果というのが見えてくる訳ではないのです。どちらかというと私はこのレッスンを風土作りのためにやっているので、目に見える成果はすぐには出ないと思っています。

ですが、「あそこでこのエンジニアが『この実装は難しい』と言ったのは、こんな理由で難しかったのか!」というのが非エンジニアのメンバーでも理解できる。

これは特に社内で研修やっているメリットなんですが、社内で研修をやると「nanapiのシステムはこの技術でやっている」というのを直接説明できるんですよ。だから普段の業務と技術の勉強がリンクしやすいんですね。

また、「こういう事をエンジニアに言うと嫌がるよ。理由はこうだから。」と言う感じで教えていけます。エンジニアの仕事、そして技術への理解が非エンジニアのメンバーにもされてきていると思っています。

非エンジニアにもプログラミングを教える真意とは?

nanapi

ー非エンジニアにもプログラミング等を教えているのは、エンジニア以外の人にも必要だと思っているからですか?

私は、あくまで会社の中で一番大切な判断をする会社の軸に”技術”というもの置きたいんです。技術=エンジニアという意味ではなくて、技術という概念です。

なので技術をできるエンジニアはもちろん仕事がありますし、ちゃんと技術を理解した上でマーケティングをする、営業をする人が居ても全然いいと思うんですよ。会社の軸というのが人ではなくてあくまで”技術”というものにnanapiは置いているので、技術を覚えようということで、非エンジニアに対しても技術を教えていますね。

技術を教えているのは、彼ら彼女らをエンジニアにしようとしている訳ではなく技術に対して正しい理解をもって、リスペクトを持ってほしい、その上で仕事をしてほしいという思いがありますね。

ーそういった背景には、和田さん自身がプログラミングを学ぶメリットというのを経験されたからでしょうか。

当然ありますね。プログラミングを学ぶということは要するに物事を論理的に説明する能力であったり、データベース設計をするということは将来性を見越した上で論理的に設計するということなので、当然それが直結して仕事の能力つながるというのはやっぱりあります。

ただ、やはり教えるということ自体に関しては個々のスキル向上もありますが、それ以上に技術を中心とした風土をつくりたいと言うのが一番大きいです。

ーなるほどですね。その問題を論理的に捉えるというスキルもプログラミングを学ぶことのメリットでもあるんですよね。

本当にそうだと思います。日本語って、凄く冗長な言語じゃないですか。一方でプログラミング言語で冗長な表現というのは基本的には悪とされています。シンプルに分かりやすく、簡単に書くのが、どんなプログラミング言語でも美しいんですよ。その良さを分かってもらえると、その他にも活かせると思っています。

なので、結果的に言いたい事がより伝わりやすくなったりだとかプレゼンテーションが簡潔になったりする効果があると思っています。

またプログラミングだけでなく特に特に文章が苦手な人に学んでほしいなと思うのがHTMLですね。HTMLを正しく理解するだけで文章力が圧倒的に上がります。なので僕はHTMLというのを研修ではしっかりと教えています。

最後に、プログラミング学習者に向けたエール

nanapi

ー特に社会人の方が多いと思うんですけど、何か初学者に向けてエールとかありますか?

プログラミングを学んだ結果、その人がエンジニアになるかは正直どっちでもいいと思っているんですよ。

ただ、プログラミングという行為だとかプログラミングを書く思考をつくる事自体に凄く価値があると思っています。

だから、やっていて自分はエンジニアになれないからやめるわと言った風にさじをなげずに、エンジニアにならなくても良いから、プログラミングの最低限のことは学んでほしいなと思います。

ー確かにそうですね。プログラミングは作業の効率化も含めて必ず役に立つスキルですよね。

そうですね。最近、良くこれを言うんですけど、日本語しゃべれるから営業できるわけじゃないですよね。日本語しゃべれる上で更に営業と言うスキルが必要なのが営業と言う仕事なんです。

技術も同じでプログラミング書けるからエンジニアリングできるわけじゃないんですよ。なので、別にエンジニアリング出来なくても良いから最低限プログラミング書けるようになろうよ。と僕は言っています。

これは営業で言う日本語がしゃべれるのと同じレベルで、それくらいプログラミングを書くと言う事は当たり前になってきているんですよ。だから、ぜひ技術を学んで正しい理解を身につけて欲しいですね。

続いてカヤックCTO貝畑氏にインタビューを行いました! 企画職にもプログラミングは”必須”と語る理由とは?

「基本エンジニアに“出来ない”はNG」ーカヤックCTO貝畑氏が語る“これからのプログラマー”とは?

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