- 公開日: 2020年10月05日
現役Webデザイナーが教える!コミュニケーション能力の必要性
実は、Webデザイナーにはコミュニケーション能力が必須なんです。
コミュニケーション能力と聞くと「おしゃべり上手な人」にならなければいけないと感じていませんか?
大丈夫です!おしゃべり上手でなくても問題ありません。
大切なのは意思疎通するためのコミュニケーション、いわゆる『報・連・相』なんです。
Webデザインをする上では、クライアントやチームメンバーとの意思疎通がきちんとできているかどうかが重要になってきます。
デザインとは問題解決の手段。 デザイナーの独りよがりで進められるものではないんです。
またコミュニケーションをまったく取らないデザイナーよりも、普段から周囲とコミュニケーションをとっているデザイナーのほうが成長しやすいともいえます。
この記事ではWebデザイナーにとって最低限必要なコミュニケーション能力や、コミュニケーション不足だとどうなるかといった話を紹介していきます。
ぜひご覧ください!
なぜWebデザイナーにコミュニケーションが必要?
コミュニケーション能力よりも、デザイン能力を磨かなければいけないのでは?と思う人も多いかもしれません。
しかし、いくらバツグンのデザイン制作能力があっても、コミュニケーションをまったくとらずに目的のものを制作することは困難なのです。
なぜWebデザイナーにコミュニケーションが必要なのか、以下の3つの理由があります。
- 1.デザインの要件設定のため
- 2.チーム体制で仕事をするため
- 3.常に新しい情報を得るため
それぞれの理由を説明していきますね。
1.デザインの要件設定のため
要件設定とは、ものすごく簡単に表現するなら「最終的にどんなものを作るのか」を決める事です。
それにはクライアントが求めているもの、実現するために必要なものなどたくさんの情報が必要です。
クライアントと打ち合わせし、すり合わせをして決めていくものです。
このときに認識のズレが発生したままにしておくと、いざデザインができあがっても「求めていたものと違う」となってしまいます。
最終的に欲しいWebサイトのイメージを一致させるためにも、制作段階でのコミュニケーションがとても大事なんです。
2.チーム体制で仕事をするため
制作会社などではデザイナーだけでなく、ディレクターやエンジニアなど各分野のメンバーとチーム体制で制作を進めます。
そしてサイトの規模が大きいほど、制作に関わる人数も増えるものです。
チームで動くときは情報共有がとても重要。 ちょっとしたことでも一人で判断せず、チームで共有して認識のズレを防がなければいけません。
一人で動くのではなく、全体でそれぞれの役割を最大限の力で動くためにはコミュニケーションが必須です。
3.常に新しい情報を得るため
Webの世界の情報は日々新しいものであふれています。
いままで当たり前だったものが今後も使える保証もありません。
そんな中でWebデザイナーは常に情報にアンテナを張っておきたいところ。
しかし、常に自分一人で情報を完全に集めるのは困難です。
そこで、情報交換するために同業者や業界の方とコミュニケーションをとることをおすすめしています。
職場環境によってルールも使っているものも千差万別。
さまざまな環境の情報を得るために、会社の壁を超えてつながりをつくるといいでしょう。
そのときに必要な能力は、やはりコミュニケーション能力なんです。
フリーランスにとってコミュニケーション能力は必須スキル
フリーランスWebデザイナーの場合、すべてを自分でしなければいけません。
クライアントとの打ち合わせ、営業、外注する場合はその先の人との連携など。
コミュニケーションをとらなければいけない場面ばかりです。
また、フリーランスで活動していると自分なりのルールができあがってきます。
狭い世界に閉じこもってしまうと、自分の常識を世間の常識と錯覚しやすい状況になるため注意が必要。
周囲と円滑にコミュニケーションをとり、常に新しい情報に触れていきましょう。
Webデザイナーに必要なコミュニケーション3つ
Webデザイナーに必要なコミュニケーション能力は大きく分けると
- 聞く
- 理解する
- 伝える
以上の3つです。
技術はもちろん必要なのですが、同時にこれはとても大切な能力ですので順番に紹介しています。
聞く力
いわゆる『ヒアリング力』といわれるものです。
クライアントやディレクターの要望がデザイナーと認識がずれたままで制作を進めてしまわないように、より正確に「聞き出す」必要があります。
納期直前に「話が違う」なんてことにならないように、最初の段階からきちん確認しましょう。
クラウアントがイメージしているものをしっかりと聞き取りをして、共通認識として具体的に形にできるようにしなければいけません。
ここで大事なのは、質問責めにしないということです。
こちらの質問を投げかけすぎてクライアントの選択肢をせばめてはいけません。
自分の都合のいい方向に誘導せずにしっかりとクライアント本人に考えてもらい、それを聞き取りましょう。
理解する力
クライアントからヒアリングするときに大事なのは、どんな目的を達成したいのかという点を理解することです。
達成したいのは「キレイなWebサイトを手に入れること」なのか?
それとも「そのWebサイトから売上がどれだけアップすること」なのか?
「さらにその先の展望を見据えたもの」なのか?
そういった根本的な目的を理解する力が必要なんです。
一般的にWebサイトは目的達成のための手段です。
ただ話を聞くのではなく、クライアントが最終的に求めているものを見定めて、理解したいという姿勢でコミュニケーションをとりましょう。
伝える力
クライアントに提案するときに重要なのが、この伝える力です。
提案の内容がクライアントにとって最善だとしても、その内容をクライアント目線で伝えなければ良さがわかりません。
相手の立場に立って専門用語は使わず、クライアントの要望をどんな形で実現するのか言語化・視覚化してわかりやすく伝える必要があります。
職場によってはWebデザイナーが制作チームにクライアントの要件を伝える場合もあります。
デザインに関する内容もデザイナー以外の分野のメンバーにもわかりやすく伝え、チーム全体で連携できるようにしましょう。
コニュニケーション不足によるトラブル
ここまではコミュニケーションの大切さを紹介してきました。 では、もし実際にコミュニケーション不足になるとどんなことが起こるのか、いくつか例を挙げてご紹介しましょう。
クライアントとのコミュニケーション不足
【想像してたデザインとまったく違う】
打ち合わせでのヒアリングをはじめ、クライアントの要望をしっかりと聞き取って正しく意図を理解していなければ、目的やイメージが漠然とした状態で進行してしまいます。
その結果、クライアントが「なんか違う」と感じるデザインになってしまう可能性があります。
例えば「清潔感のあるデザインにしたい」という要望の場合。
清潔感にどんな色・形・雰囲気をイメージしているのかは人それぞれです。
自分の経験だけで判断せず、クライアントとしっかりとコミュニケーションをとり認識を確認しましょう。
チーム間のコミュニケーション不足
【同じ参考サイトを見ているのにポイントがずれていた】
ディレクターに指示された参考サイトをベースにデザインを制作したのに、「指示したものとまったく違うじゃないか!」
と修正になってしまった。なんてことはありませんか? これは
- 「どのポイントを参考にして欲しかったのか」を伝えられていないディレクター
- 「どのポイントを参考にすべきなのか」を聞けていないデザイナー
という両者のコミュニケーション不足の可能性があります。
お互いにこの点に気がついていれば回避できることです。
ちょっとした声かけで解決できることなので、まずはコミュニケーションをとるようにしましょう!
【コーディングしづらいデザイン】
チームで制作する場合、デザイナーが制作したデザインを別のメンバーがコーディングすることも多いかと思います。
そのとき、デザインカンプを見て「この部分はどう表現するつもりでデザインしたんだろう?」と確認しなければいけないポイントが多ければ多いほど、工数が上がってしまう可能性があります。
デザイナー側がチームで利用しているツールやメモ書きなど、より伝わりやすい方法で伝えるようにしましょう。
デザイナーがコミュニケーションスキルをアップするには
コミュニケーション能力をアップさせるためには、実戦で繰り返す必要があります。
一朝一夕で身に付くものではないため、日々の意識づけがとても大切です。
コミュニケーション上手は聞き上手
コミュニケーションとは「こちらが一方的に上手に話すこと」ではありません!
「会話が続かない」
「話す内容が思いつかない」
と悩む人も多いかと思いますが、こちらが一方的に話す必要はないんです。
相手の話に耳を傾ける、興味や関心を持って聞くことが大切です。
ペラペラと自分のいいたいことだけ話す人と、自分の話に興味をもって聞いてくれる人、あなたならどちらと「また話したいな」と感じますか?
人間は自分のことをわかってくれている人、理解してくれる人に対して信頼感や好感をもつものです。
まずは『聞き上手』を目指しましょう。
相手の話にうなずき、あいづちをうつだけで会話がスムーズになることもあります。
コミュニティなどに参加して実践していく
おなじデザイナーや地域のコミュニティなどに参加してコミュニケーションをとる実践はとてもおすすめです。
しゃべることが苦手でも、同じ業界の人が相手なら共通の話題がみつかりやすく話しやすいと感じるかもしれません。
同業者の横のつながりもつくれて一石二鳥。
さまざまな環境の話を聞いて、新たな縁もつながり世界を広げられます。
フリーランスだけではなく、会社員のWebデザイナーも積極的にコミュニティに参加することをおすすめします。
同じデザイナー同士でどうやっているか情報共有をし、先輩の話を聞きに行くだけでも大きな気づきと経験になります。
たくさんの情報を吸収して実践すれば、どんどん成長していけますよね。
いまはオンラインで活動しているコミュニティも多いため、気軽に新たな世界に飛び込めます。
まずは気になったところを覗いてみるところからはじめてみてください!
\一流デザイナーのスキルが身に付く/
デザインはコミュニケーション
Webデザイナーは指示されたものを作って終わり、という仕事ではありません。
普段から自分から質問や相談、提案をして「あの人は受け身じゃないデザイナーだ」と認識されたら、デザイナーとして一歩リードできます。
自分の成長にもつながる大きな一歩です。
小さなことでも「確認はしてないけど、きっとこうだろう」と思い込まず、声をかける癖をつけていきましょう。
その小さなコミュニケーションがプロジェクトの進行を円滑にし、デザインがいいものになることもあるんです。
友人や同僚、コミュニティなどコミュニケーションの練習は日々さまざまな場面でできます。
いきなりおしゃべり上手を目指すのではなく、しっかり話を聞いて伝えられて信頼される、そんなデザイナーになりたいですね!
- この記事を書いた人
- 今村真理子