Webマーケティング・制作の内製化によりコスト削減と運用スピードの向上を実現する【オリックス株式会社】
- 更新日: 2019年04月16日
- 公開日: 2017年10月17日
Webマーケティング・制作を内製化するために、社員にどのようなスキルが求められているのか?今回は、Tech2GOを運営しているコードキャンプの研修を受講し、Webマーケティングの内製化に取り組むオリックス株式会社の井上氏に研修の狙いや成果についてお話を伺いました。
オリックス株式会社
営業推進部 ペイメントサービス第二チーム 井上 洋子氏(写真右)
インタビュアー:コードキャンプ株式会社 取締役COO 米田 昌悟(写真左)
Webマーケティング・制作の内製化に挑戦
-本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。今回は、インタビューでお話を聞かせていただく井上様を含め、Webマーケティングを担当されている方にプログラミングとデザインの研修を受講していただきました。まずは、研修を受講された背景についてお教えください。
私が所属するチームでは主に『Flico(フリコ)』という法人向けの振込手数料削減サービスの企画・運営・販促を行っています。 今回研修を受講させていただいたのは、チーム内でFlicoのプロモーションを担当している2名とその上席者1名の合計3名です。
Flicoのサービスは2015年の7月にリリースしました。当初は、弊社営業部門による対面営業を中心に販促活動を展開していたのですが、営業部門で接点を持っていない企業や部門のお客さまへの販路も新しく開拓するために、2016年の秋ごろからチーム独自のWebマーケティングを中心とした非対面型での販促活動に着手しました。
このWebマーケティングでの販促活動をスタートさせるにあたり、Webサイトや広告の制作は制作会社へ外注していたのですが、制作会社を挟むことで販促活動にタイムロスが生じ、スピードに課題を感じていました。
そのため、Webマーケティングの内製化に挑戦するため、今回コードキャンプでプログラミングとデザインの研修を受講しました。
外注先への依存による、コスト増・スピード不足の課題を解決したかった
-研修を受講される前は具体的にどのような課題をお持ちだったのでしょうか?
受講前は、ちょっとしたバナーの作成やテキストの追加・修正なども全て外注先に依存していました。依頼内容を決め、その都度見積りを取得して発注し、更に修正のやりとりが発生するという業務フローが常態化していました。
そのため、制作関連にかかる時間が増え、他業務に割けるはずの時間も費やしていました。また、「そもそもこの依頼内容でこの対価は適正なのか?」と疑問に思うことや、こちらの依頼意図が正しく伝わらず「思っていたものとは異なるデザインがあがってきてしまう」ということも頻繁におきていました。
さらに、私を含めてチームメンバー全員、WebマーケティングやWebサイト制作の経験がなく、プログラミングやデザインのリテラシーも持ち合わせていませんでしたので、外注先が提示する工数や価格、デザインの良し悪しについて、弊社側が自信をもって判断できない状況になっていました。
また、些細な変更についても数万〜10万円単位のコストが積み重なっていき、本来であれば新しい広告出稿に回すべき予算を使わなければなりませんでした。
スピードの面では、外注先の繁忙や人的資源などによっては依頼から納品完了されるまでに数週間を要してしまうこともあり、スピーディにPDCAを回してプロモーションの費用対効果を最大化させていくというWebマーケティングの利点を十分に活かし切れていない状況でした。
研修受講後はサイト改修、広告制作を内製化しスピーディに実行できるように
-今回は、Webサイトの制作に必要なHTML,CSSやデザインに関わるIllustratorの研修を受講していただきました。研修を通じて習得されたスキルはどのように活用されていますか?
研修後は、Webサイトの軽微な変更や、画像・バナーの作成は全て内製化できるようになりました。引き続き、内容やボリュームによって外注する場合もありますが、提示されたコストの妥当性の検証や、内容についての擦り合わせが、以前に比べスムーズに行えるようになりました。
あとは、WebサイトやWeb広告の展開・変更スピードも大幅に向上しています。社内でクリエイティブの制作をすることで、外注先のスケジュールの影響を受けずに業務を進められるようになりました。
外注する場合があっても基礎知識を習得したことで、より具体的に依頼を行うことができ、意図と違うデザインがあがってきてしまうことも少なくなりました。
今までは、ABテストのために案を複数案作成してみたり、少し変更したい、というような時でも予算と時間がかかってしまうので止めていたのですが、現在では、自分たちで手を動かして対応できる範囲ならば積極的に取り組んでいこうという動き方に変わってきています。
特に、導入事例など頻繁かつ迅速に更新したいページは以前に増してスムーズに更新することができるようになり、マーケティング効率が向上することを期待しています。
オンライン研修は業務と平行してスキマ時間を活用し、自分のペースで学習できる
-受講期間中は、オンライン型と講師派遣型を併用して研修を受講していただきました。特にオンラインで、どのように学習をすすめていらっしゃったのかお聞かせください。
今回の受講者は3名とも家庭のある女性で、育児や家事などの都合で業務時間終了後に受講することが難しい環境でした。また、少人数で実務を担当しているので研修だけに時間を割くこともできない状況でした。
オンラインでの学習は、各々の隙間時間を使ってテキストを読み進めたり、レッスンを受講したりという形で学習を進めることができました。全体での講義形式とは異なり、各人の状況に合わせて自分のペースで受講することができたので、仕事と家庭を両立しながら効率的に学習をすることができたと思います。
実は当初、3名ともオンラインでの学習経験がなく、やや抵抗感があったのですが、実際に受講してみるとオンラインでのコミュニケーションに慣れていないだけで、フェイス・トゥ・フェイスで講師と会話をすることとほとんど変わらないばかりか、受講する時間に融通を効かせることができ、教室までの移動時間も必要なくなるので無駄なく効率的に学習できるスタイルだと実感することができました。
Webマーケティングと対面営業の融合により事業収益を最大化させていきたい
-研修を経て、Webサイトの更新・クリエイティブ制作の内製化・質の向上を実現しつつある状況だと思います。今後さらに挑戦していきたいことなどがあればお教えください。
冒頭でもお話しした通り、これまでは新しいサービスをリリースしても、アプローチができるのは営業部門が接点を持っている企業のお客さまだけでした。これからは、弊社と接点がまだないお客さまにもサービスを知っていただき、利用していただけるような非対面での販売促進に力を入れていきたいと考えています。
法人のお客さまも、新しいサービスを検討する際にWeb上で情報収集を行うことが一般的になってきています。弊社においても、Webマーケティングを活用することで、今まで営業部門が接点を持っていなかった企業や部門の担当者の方からのお問い合わせやお申し込みをいただくことができ、一定の成果が出ています。
また、集まったリードを成約、サービス利用開始まで結び付けられるように、ナーチャリングの仕組み化も進めています。効果的にサービスの利用を促進するためのマーケティングオートメーションの更なる活用やロボットツールの導入などを検討していきたいですね。
私たちのチームで成果を出すことができれば、それを他のサービスの販促戦略にも展開していくこともできるようになると思います。
現在はサービスの企画・運用業務と並行しながらプロモーション業務を行っていますが、将来的にデジタルマーケティングの機能を持った独立した組織を設立することなども視野に入れながら、ノウハウをしっかりと蓄積していきたいと考えています。
私たちのようなプロダクツ部門がWebマーケティングを通じて創出する新しい接点と、営業部門が対面営業で獲得する商機を融合させることで営業の効率化を推進し、事業収益を最大化する体制をつくっていきたいですね。
-本日はお話をお聞かせいただきありがとうございました。井上様のチームでの成果がよい成功事例となるよう、引き続きデジタル活用のためのお手伝いをさせていただければと思います。
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部