- 更新日: 2024年6月18日
- 公開日: 2024年6月17日
子育て中心の生活&事務職からエンジニアへ! 仲間や講師と関わる中で得た「前向きな考え方」
今回インタビューに応じていただいた原口さんは、長崎県が主催する2023年度「ながさき IT CAMP」エンジニア養成コースの卒業生です。
子育てを中心として過ごし、非正規雇用や時短勤務で働いていた期間が長く、少し人生に負い目のようなものを感じていたという原口さん。株式会社システック井上への正社員就職を叶えられたのは、ながさき IT CAMPの受講を経て前向きに変わった考え方や、一緒に学ぶ仲間や講師・事務局など多くの人のサポートがあったからだと言います。
ながさき IT CAMPでの学習を通じて変化した考え方や、現在どのようなことが役に立っているのかをうかがいました。
【ながさき IT CAMP】
長崎県が主催し、県内の情報関連企業等への就職を希望するIT分野未経験の求職者等を対象に、ITスキルの習得から就職までを一貫して支援するオンラインプログラム。2023〜2024年度はコードキャンプ株式会社が運営委託先として講座を提供。
※2024年度のながさき IT CAMPでは、2025年3月末までに受講生が就職先決定することを目指して支援します。
ながさき IT CAMP(コードキャンプ)を受講する前
ーこれまでのお仕事のご経験を教えてください。
仕事としてIT分野に関わったことは全くなく、前職は事務職です。その前は製造業の工場でミシン作業をしていました。
時短勤務やパートで働いている期間が長く、子育て中心で全く働いていない時期もあります。その後、だいぶ子育てが落ち着いてきて、直近はフルタイム勤務をしていました。
ー受講のきっかけを教えてください。
元同僚が独立をする際に、購買システムの構築を依頼されて「やってみよう!」と試みたものの、うまくいきませんでした。技術力があれば、その人だけでなくいろんな人の役に立っていたかもしれないのに、という思いが残りました。
その時偶然「ながさき IT CAMP」の受講生を募集しているというニュースを見て、技術を学んで色々な人の役に立ちたいと思い、応募しました。
ー受講をすると決めるまでに時間がかかりましたか。
自分の中では受講することをスパッと決めていました。ただ、これから仕事も忙しくなるのがわかっていた時期だったので、家族には受講を絶対反対されるだろうと思い、誰にも内緒で決断しちゃいました(笑)。
受講が決まってから家族に話し、引かれはしましたが(笑)、温かく見守ってくれました。
ながさき IT CAMPの学習中について
ー1番印象に残っているエピソードはありますか。
ソースコード共有会というワークショップがあり、講師の高橋先生が、希望した人が書いたプログラミングのコードを見てコメントをくださるという会がありました。恐れ多くも私が一番に手を上げたので最初に見てもらったんですが、その後の受講生のコードがどれもとてもきれいで上手で、自分のできなさを目の当たりにしました。
元々負けず嫌いで、誰かに負けたくないというよりは、他の誰かができるなら自分もできるんじゃないか、まずはやってみよう!と思うタイプなので、ものすごく悔しくて、より勉強に集中するようになりました。
ー先生からはどのようなアドバイスをもらいましたか。
インデントの作り方や、わかりやすく区切るコードの書き方など、初歩的な部分の大切さを自分が理解していないことに気づかせていただきました。
今は研修中ですが、実際にコードを書いてみると、このソースコード共有会で教えてもらったルールが繋がってきて、すごく役に立っています。
※インデント:プログラミングのコードを書く際に段落をつけ、ソースコード全体の構造を視覚的にわかりやすくすること
ー今のお仕事にも繋がる大切な気づきがあったんですね。他にも印象に残っていることはありますか?
学習メンターのしんちゃんは本当に大きな存在でした。
4ヶ月間ずっと順調に進んでいたかというとそうではなく、仕事や家庭でいろんなことが起きたり、スケジュールだけでなく気持ち的にもちょっと最近勉強が進まないなと思うこともありましたが、しんちゃんのお陰で沈まずに学習を進められたんです!
雑談から、学習が進まないという悩みを相談したり、他にも就活でのあれこれ話を忌憚なくさせてもらいました。2週間に1回、気軽に相談できる場があったから最後までやりきれたと思っています。
ー受講していて、自分の変化や成長を感じたことはありましたか。
受講をする前は、自分のこれまでの人生に負い目を感じる部分がありました。
でも、講座開始キックオフの時に、事務局の川井さんから「キャリア=人生」という話をしてもらったことや、その後キャリア面談を担当いただいたキャリアコンサルタントの先生から今までの自分の人生を全肯定してもらったことで、なんだか感極まってしまい、面談後は泣きながらトイレ掃除をしたんです(笑)。
そうして、今ではすごく前向きに物事を捉えることができるようになったと思っていて、今の仕事でも、何かあっても前向きに捉え、自分が違う方向で接してみれば良い結果が返ってくるんじゃないかと考えられるようになりました。
勉強に対しても前向きになっていて、4ヶ月間一生懸命頑張って勉強してきたから、その分今いる会社でもなにか役に立てるところもあるはずだ、という自信にも繋がっています。4ヶ月間通して勉強したらこれだけ知識がつくことを実感しているので、勉強することが今は苦ではなくなりました。
ほかにも、一緒に勉強してきた仲間とのご縁もまだ続いていて、色々な居場所を持てるようになり、安定した日々の中で成長に向かって過ごせています。この前も卒業生で集まっていたのですが、ながさき IT CAMPの企業交流会で出会った企業に就職している人も多く、ながさき IT CAMPがなかったら絶対就職できなかったよね、と話をしていました。
就職活動について
ー就職活動はいつ頃からスタートしましたか?
仕事の状態を見ながら、1月頃から本格的に始めました。
あまり遅くから始めると、もう他の人に決まってしまったと言われてしまうかもと思い、自分の中でデッドラインを決めて書類を出し始めました。結果として3社応募しました。
ただ、ながさき IT CAMPの中間発表会や最終発表会と一緒に開催された企業交流会も活用して、学習中から少しずつ就職活動の準備を進めていました。
企業交流会参加後に、選考を前向きに考えてほしいと連絡があったり、中には書類選考を飛ばして面接をしませんかとご連絡をいただいた企業もありました。
ー就職活動をするにあたり、ながさき IT CAMPで役に立った情報や参考にしたことがあれば教えてください。
全部役に立ったんですが(笑)、講座では自分を振り返る機会をいただきました。
これまでは自分のことを考えるのが苦手でしたが、絶対考えなきゃいけない時間を設けたことで、志望動機や自分の長所を述べる練習にも繋がっていたと思います。
特に面接対策の資料の中に記載されていた自己紹介のやり方や話の組み立て方は本当に参考にさせていただいて、まさにその通りに自己紹介をしました。
面談で面接練習もできたので、自分が全然喋れないこともわかりましたが、面談担当者に「原口さんなら大丈夫だと思います」と言ってもらえて自信になりました。
でも、1番は「企業の方から選ばれるだけじゃなくて、自分も企業を選ぶんだということを忘れないでください」という言葉がすごく印象に残っています。
それまでは企業に気に入られるように自分を見せないといけないと思っていましたが、その言葉をきっかけに「『私が』企業を見るんだ!」という意識で就職活動に臨めました。
ほかにも、発表会の時に一緒に受講していた仲間たちも頑張って就職活動をしていることを聞けて、みんな頑張っている中で自分も一緒に頑張っていることがわかり、心強かったです。
あとは、オンライン会社説明会も大変ありがたかったです。
家にいながらたくさんの会社を知ることができて、会を重ねるごとに、自分がどこを重視して企業を見ているのかがわかるようになりました。
私が入社を決めたシステック井上さんがいいなと思ったのも、オンライン会社説明会時のやりとりの中で、システック井上さんには自分の会社が好きな人がたくさんいる会社なのかな、と感じる場面があったからです。
ー株式会社システック井上に入社をした決め手を教えてください。
面談が進む中で、社員の皆さんの「自分たちで会社を良くしていこう」という思いをすごく感じたからです。
また、社員一人ひとりが活躍することをとても歓迎してくれることをお話から感じることができたので、そういう環境で自分も頑張ってみたいと思えたことも決め手となりました。
また、ここなら様々な経験をさせてもらえそうだと思いました。私自身色々な経験がしたいと思っていたので、そことすごく合致したなと思います。
そういう話をする機会をいただけたのも、ながさき IT CAMPで学ばせてもらったからだと思うと感謝しかありません。
現在のお仕事について
ー現在のお仕事の内容について教えてください。
今は技術研修中で、あと1ヶ月ほどあります。研修後は、ずっと開発をするわけではなく、お客様の新規開拓も行う営業SEのような形で働きます。
開発のプロセスを理解していないと開発業務の依頼ができないので、どう開発するかを一通りわかっておく必要があると言われています。
ながさき IT CAMPで習った内容がそこでもすごく活かされるだろうなと思います。
ーながさき IT CAMPで学んだことの中で、お仕事で役に立ちそうなことはありますか。
人のコードを見て読み解く練習ができた最終課題は本当にありがたかったです。人のコードって、見てもこんなにわからないんだ...と実感しました。
研修中に保守性についてもよく話があるので、学習中に気付けてすごく良かったなって思います。
ほかにも、アイデアソンのイベントも役立っているなと思います。
ITリテラシー基礎コースのアイデアソンのイベントに任意参加させてもらったのですが、仕事を1人ですることは全くなく、普段関わることがなくてもその時々に接する人たちもいるので、その人たちと意見をどうやって重ねていくかを練習ができたことは、一つ大きな自信にも繋がっているなと思います。
ー今苦労していることはありますか。
研修中に覚えることがたくさんあって、それをこなせているかどうかは数字で測れないところなので、自分がちゃんとわかっているかをどのように判断するかは難しいです。
でも、一緒に研修を受けている仲間がいるので、ながさき IT CAMPの講座での仲間との関わりと同じように、ここでも仲間と一緒に成長できているんだろうなと自分に言い聞かせながら、頑張っています。
最後に
ーながさき IT CAMPの受講を検討されている方へ一言お願いします。
大きく人生が変わるきっかけになると思います。
私みたいにゆるく考えていても、ものすごく熱量を持った方たちも受講されていて、そんな方たちから良い影響を受けて、いい感じで人生が変わっていくっていうのを経験させてもらいました。
「これをやりたい」という明確にやりたいことでも、「何かやりたい」と軽く考えているものでも、ちょっと手を出してみたらどうでしょうか。きっと良いことしかないので、あとはもうその流れに身を任せてみてください。
ーありがとうございました!
\Webサイト担当者としてのスキルが身に付く/
ながさき IT CAMP 受講生募集
ながさき IT CAMPでは、2024年度の受講生を募集しています。
応募期間は2024年6月26日〜8月15日となります。詳細は以下サイトをご確認ください。
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部