「基本エンジニアに“出来ない”はNG」ーカヤックCTO貝畑氏が語る“これからのプログラマー”とは?

「基本エンジニアに“出来ない”はNG」ーカヤックCTO貝畑氏が語る“これからのプログラマー”とは?

CTOインタビュー第二弾!

有力企業のCTOの皆様に、プログラミング学習に関する体験談や、企業内での教育・育成の取り組み、初心者へのアドバイスなどに関するインタビューを皆さんにお送りするシリーズ「CTOインタビュー」。

プロフィール:貝畑政徳氏

鎌倉に本社を構え、ユニークかつ斬新な企画のコンテンツを発信する「面白法人カヤック」のCTO。個人としてもアプリ開発の実績があり、代表的な例としては「英雄になりたい!」シリーズの開発を手がけていた。面白法人カヤックはサイコロを振って給料を決める「サイコロ給」などユニークな制度を沢山実施しており、メディアなどで紹介されることも多い。
面白法人カヤックHP URL: http://www.kayac.com/

前回インタビューnanapi CTO和田氏の記事はこちら! 技術を軸とした文化をつくりたいーnanapi CTO和田氏の“プログラミング教育”とは?

目次
  1. カヤックCTOの“始まり”
  2. 企画職にもプログラミングは”必須”
  3. プログラミングで大切なのは「工夫し考え抜く事」
  4. これからのエンジニア像とは?
  5. 最後に、プログラミング学習者に向けたエール

カヤックCTOの“始まり”

カヤック

ープログラミングに興味を持たれたきっかけを教えてください。

中学2年生の時、当時はファミコンなど家庭用ゲームが普及してきた頃だったのですが、子供ながらに自分でゲームをつくってみたいと思ったのがきっかけですね。パソコンを買ってきて、本当に簡単なところからスタートしました。

ープログラミングはどのように学びましたか?

何度もつくってみてはやり直してを繰り返していました。ここで大事なのは、学ぶ上ではバグはあっても構わないということですね。不完全だとしても、一度動かしてみないと分からないですし、全て書ききることが大切という意味合いです。一度完成させてみるとそれが一つ成功体験になるので、「これはもうちょっといけるな」という感覚も芽生えると思いますし、その感覚を積み重ねるという感じですね。

ーなるほど、そういう意味では、やはりつくりたいものが先にあって、そこから言語を学んでいくことのほうが、オススメの勉強法ですか?

モチベーションという観点だと、ゴールがあったほうが続けられると思います。プログラミングを覚えようという事自体は目標にはなりづらいというか。テキストがあって、それを上から順にクリアしていくというのも目標にはなると思うのですが、初めての方にはゴールが見えづらいですし。

何かが最終的なゴールにあったほうが続けられるし、そこに到達するまでの過程も楽しめると思います。ゴールに向かう過程でいくつかの目標を達成していくほうがプログラミングは継続出来る、という感覚が僕にはありますね。

企画職にもプログラミングは”必須”

カヤック

ーディレクターなど企画職の方もプログラミングを学んだほうがいいと考えているのですが、いかがでしょうか。

そうですね。ディレクターもHTMLなどweb制作の知見があると、何の技術を使っているかが分かるので、制作を進めていく上でも出来る/出来ないといった技術的な判断が可能になりますし、プログラミングの共通言語を知っていると、エンジニアにしてほしい事を明確に伝えられるというメリットがあります。そういった意味でも、企画職の方もある程度技術的な事を勉強しておくと良いでしょうね。

アイデアは思いついたらすぐ形にしたほうがいいですよね。そういう点ではアイデアがあればすぐ自分で作れる、つまり”自己完結が出来る”というのがエンジニアの最大の強みだと思います。だから、”企画力のあるエンジニア”を育てたいというのはありますね。

今や開発や企画などの垣根を越え、他領域にも知識がある人のほうが強い時代だと思っています。各技術を知った上で、工夫する能力のある人が新しいものを生み出していくと思うので。

プログラミングで大切なのは「工夫し考え抜く事」

nanapi

ー改めて貝畑さんにとって”プログラミング”の重要性とはどのようなものなのでしょうか?

世の中に出回っている全てのWebサービス=プログラミングと考えると、少ない人数でも卓越したプログラミング技術があれば、より大きな価値を生み出すことが出来ると捉えています。また同時に、僕はアイデアを出してつくるという行為そのものがとても好きなので、自己表現の手段でもあります。

ー御社の活動を見ていて思うのは、技術的には実現出来そうにない斬新なアイデアでも、なんとかするといったスタンスが垣間見えるのですが、勘所のようなものはありますか?

そうですね。ここは今までやったことないけど、自分たちなら頑張れば達成出来るという勘所はあります。カヤックの場合、基本”出来ない”はNGとしています。最初に出来ないと言ってしまうと面白く無いですよね。本当に不可能な事も確かにありますが、工夫してチャレンジすればたいていの事はクリア出来ると考えています。出来ない事を解決するため、いかに「工夫し、考え抜く」ということがエンジニアにとって大事なスキルではないでしょうか。

ーそういった信念は、貝畑さん自身が学んだ時の体験があったからですか?

僕の場合、ネットが今のように普及する途中経過の時代にプログラミングを学んでいたというのもあって、しっかりとした答えが見つからないことも多々ありました。その経験があるからこそ新しいものを作っていくためには、自分たちで徹底的に考えねばならないという思いがあります。

ー投げ出さないで、考え抜いてもらうというのは初心者にとってとても大事ですよね。

そうですね。毎回気づきがありますし、こうしたら出来るんだ!という発見の喜びもありますよね。何よりも勉強そのものが楽しくなります。

これからのエンジニア像とは?

nanapi

ー御社の理念の”つくる人を増やす”為に社内で実践されている事ってありますか?

例えばですが、”つくっていいとも”という社内イベントを月に一度行っています。これは社員がアプリやWebサービス、プロダクトなど、個人で制作にチャレンジしたものを発表するという場です。結果的にそれが仕事に繋がることもあります。このように社内で新しい挑戦を推奨するという試みは結構やっています。

ー社内でも挑戦することへの気概が出てきますよね。他には勉強会などは行われているのですか?

社内の勉強会は沢山あります。カヤックの場合、自社サービスや受託サービスといった事業に分かれているため、その各事業部で得られる知識というのが結講違ってきたりするので、それぞれ共有する事によって、刺激になったりする事が多くあります。

そのためカヤックでもプログラマーごとの違う分野での進出を促進しています。ここで面白いのはサーバーサイドの人の中にはフロントエンドの「ユーザーに直接触ってもらえるところ」「ユーザーからのフィードバックが直接あるところ」をやってみたい人が多くて、そういう人たちがフロントエンドに手を伸ばしているというのは見ていて大変興味深いですよね。

ーいずれにしても先ほどあったように多面的にやったほうがいいということですよね。

色んな分野を知っている人のほうが新しいものを生み出せますし、そういう人しか生み出せないものがあると思っています。でも、サーバーサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア双方に共通して重要なのは「プログラミングの基礎」というところです。ここをしっかり鍛えれば対応出来ます。

最後に、プログラミング学習者に向けたエール

カヤック

ー特に社会人の方が多いと思うんですけど、何か初学者に向けてエールを一言お願いします。

プログラミングの良いところは「個人でもモノをつくれる」という点だと思います。個人でもより多くの人にモノを届けられる可能性があります。

ネットでサービスをつくるというのは素敵で楽しい事だと思いますので、まず、自分が何をつくりたいか、何を届けたいかという目標を考えて、それに必要なプログラミングの勉強をすると、より楽しめるのではないかと思います。

自分が実現したい事の為には、難易度は違えど沢山方法があると思うのですが、自分で出来るレベルで挑戦していけるのがプログラミングです。何をつくりたいかを決めてから、ぜひチャレンジして欲しいなと思います。

続いてグリー株式会社 CTO藤本氏にインタビューを行いました。プログラミングは理系だけのものではないと語る理由とは?

プログラミングが理屈抜きに楽しかったーグリー株式会社 CTO藤本氏インタビュー

Tech 2 GO編集部
ライター
Tech 2 GO編集部

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