- 更新日: 2017年03月15日
- 公開日: 2017年03月13日
社会課題を物理的に解決する「IoT」ソリューションを【IoT Solution Camp】笠井氏、高橋氏講師紹介
リクルートMTL「BRAIN PORTAL」とコードキャンプ「TORIKAJI」が共同で開催する、loTを活用したサービス・ソリューションを企画設計してハードウェアの仕様書に落とすための知識やノウハウを学ぶイベント「IoT Solution Camp」。
今回は、日本でも数少ないハードウェアデバイスの開発講座の講師を務める「BRAIN PORTAL」の創業者の笠井氏と高橋氏のインタビューをご紹介します。
講師プロフィール紹介
笠井 一貴氏
株式会社リクルートホールディングス Media Technology Lab. BRAIN PORTAL発案者で開発責任者。スタートアップや小規模プロダクトに最適化した製造アプローチ、ツールの開発を行う。ジョイントベンチャー立ち上げやマーケティング職を経て、リクルートではR&Dなど新規事業開発に従事。
高橋 ひかり氏
株式会社リクルートホールディングス Media Technology Lab. BRAIN PORTALの発案者でカスタマーサクセスリード。スタートアップと国外の工場・製造パートナーとの間に立って最適な製造のあり方をコーディネート。米、ヨーロッパなど世界各地を渡り歩きハードウェアスタートアップを支援。
BRAIN PORTALとは?
ハードウェア・IoTスタートアップに、工場・専門家をマッチングしながら、製造に関する包括的支援を提供。
初めてのものづくりの挑戦に対し、アイディアを仕様書に落とすところからコスト計算、実際のプロトタイプ製造/納品、量産プランニング、工場紹介、工場モニタリングカメラなどツールの提供まで幅広く手がける。リクルート MTL(事業育成機関)所属の新規サービス。
世界一IoT・ハードウェアスタートアップを見てきた2016年
高:2016年のBRAIN PORTALは、世界中を飛び回り、様々な国々の多種多様なハードウェア/IoTスタートアップと接してきました。その数は世界一かもしれません(笑)また、彼らのニーズに最適な製造ソリューションを提供するために沢山の工場とも会話してきました。そして、工場やメーカーが独自に持っている、開発/製造の見立てやプロマネノウハウを学んできました。
笠:その地道な活動で得た経験から、スタートアップ向けに開発のアプローチや仕様書を最適化し、初めてものづくりに挑戦する人たちへ提供しています。Webサービスやアプリはだいぶ成熟してきましたが、物理的に社会の課題を解決するプロダクトはまだまだ市場を開拓できる余地があり、Webで向上した生活の利便性をさらに前に進められるポテンシャルがあると考えています。
Webサービスとは違う、IoTデバイス開発の面白さ
高:どれだけWebサービスが普及しても、物質社会である限り物理的な課題はどうしても存在してします。それをユーザーの視点に立ってどう解決するか?がこれからのハードウェアに求められるテーマだと思うんです。ソリューションは、地域や環境、年齢などによってバラバラのはずです。
例えば、舗装された道・いつでも清潔な場所でメンテナンスできる環境と、道がボコボコで洗浄水を確保できないような環境とでは、ドローンでもウェアラブルでも、必要な機能もその達成の仕方も変わりますね。
笠:何より、Webサービスやアプリの開発と比較して、IoTデバイスやハードウェアを開発する醍醐味は「モノとして手触り感がある」ことですね。まだまだ商品化できないような荒いプロトタイプでもモノとして手元に持って触ってみると「キュンとする」ような妙な愛着が湧いたりします。(笑)
実際に商品化していく過程ではいろんな国の、様々な知識・スキルを持った人と文化や言語の壁を超えて一つのプロダクトを作り上げていくことになるので、何度も鳥肌が立つような経験をしました。
高:本当に、そこは他のサービス開発とは違う醍醐味ですね。今回のイベントをきっかけに参加してくださる方々の中からデバイスやハードウェアづくりに取り組んでもらえるようになると嬉しいです。
ソリューションドリブンで正しいサービス開発を
高:開発にあたって重要な考え方は、プロダクトドリブンではなくソリューションドリブンだと思っています。一つのデバイスにあれもこれもと機能を詰め込みすぎてしまうと、結局何がしたい(できる)プロダクトなのかわからなくなってしまう。自分が実際に目にしたユーザー課題に対してソリューションを提案するように、ユーザーの顔を想像しながら講座に取り組んでもらえれば良いと思います。
笠:IoTデバイスやハードウェアを開発する方々がぶつかる壁は、「正しいやり方」を理解して実践することで、その多くを回避することができます。モノの製造は情報の非対称性が強い業界なので、初めて取り組む人やチームには案内人の存在が不可欠です。
どういう順序でプロダクトの開発を進めて行けばいいか?実際に商品 として市場に出すためにはどんなプロセスが必要か?など。参加者の方には講座を通じて身につけてもらえればと思っています。
参加者へのメッセージ
高:自分たちのアイデアからサービス・プロダクトを作り上げていく達成感や醍醐味は唯一無二だと思います。そういったことを楽しみたい方やチャレンジしてみたい方はぜひ一緒に取り組みましょう。
笠:誰もがMAKERとして、欲しいものを自分の手で作ることができる未来はすぐそこまできています。まだまだ未開拓の領域でスタートラインはみんな一緒です。「今何を知っているか?」は気にせずに、楽しみながら手と頭を動かしたい方の参加をお待ちしています。
IoT Solution Campオーガナイザー「調整さん」山口氏より
「IoT Solution Camp」を通じて、参加者が次の一歩を踏み出すきっかけや新しい世界を知るきっかけになるような時間を作りたいと思っています。
「調整さん」やリクルートMTLはソーシャルグッドなものを生み出すために様々なイベントを仕掛けています。スタートラインはみんな同じなので気負わずにまずはチャレンジしてもらえれば嬉しいです。
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部