- 更新日: 2017年08月18日
- 公開日: 2017年08月17日
子ども向けプログラミング言語のスクラッチとは?わかりやすく解説をしてみた
2020年の小学校でのプログラミング教育必修化をきっかけに、関心度が急上昇している子ども向けプログラミング。
その中でも特に注目されているスクラッチ「Scratch」について、まったくのプログラミング初心者でもわかるように解説します。
スクラッチとは?
スクラッチ「Scratch」は、ビジュアルプログラミング言語の1つです。
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのライフロングキンダーガーテングループによって開発されました。
無料で使える
スクラッチ「Scratch」は用途を問わず無料で利用できます。
ゲームやアニメーションなどの作品づくりも、自分の作品を世界中に公開するのも、他の誰かの作品をコピーして自分のアイディアを加えるのも、すべて無料です。
すべての年代に受け入れられている
スクラッチ「Scratch」は、特に8歳〜16歳向けに設計されていますが、教育現場では小学生から大学生まで、プログラミング学習にとどまらず、数学や文学、社会学など様々な教科の学習に利用されています。 その他にも、博物館、美術館、図書館なとで幅広い年代の人々に活用されています。
より小さな子ども向けには、簡略版の「ScratchJr」(5歳〜7歳向け)があります。
日本語表示に対応している
スクラッチ「Scratch」はアメリカで生まれましたが、現在は40を超える言語に翻訳され、世界150カ国以上で使用されています。 もちろん日本語にも対応。 日本語は、なんと「ひらがな」表示も選べるので漢字を覚える前のお子さんも安心して使えます。
教育者からも絶大な支持を集めている
スクラッチ「Scratch」は、21世紀を生き抜くために不可欠なスキルである創造的な思考力、論理的な判断力、協調性を楽しく簡単に学べるように設計されています。
教育者向けのガイドやサンプルの作品が多数用意されており、教育者同士が情報交換できるコミュニティが充実しているのも、教育現場での活用が広がっている理由のひとつです。
ちなみに、NHKのEテレで放送中の番組「Why!?プログラミング」で採用されているプログラミング言語もスクラッチ「Scratch」です。
スクラッチ「Scratch」の使い方
スクラッチ「Scratch」は、面倒な利用登録やインストールしなくても、パソコンさえあれば初心者でも簡単にプログラミングを始めることができます。
使い始めるために必要な手順(所要時間5秒)
- スクラッチ「Scratch」のサイトにアクセス
- 画面左上にあるネコのイラストが目印の「やってみる」をクリック
画像引用:Scratch
たったこれだけです。迷いようがないくらいシンプルですね。 実際に試してみると、その手軽さを実感できると思います。
オフラインで使いたい人には、ダウンロードして使えるオフラインエディター もあります。
スクラッチ「Scratch」の特徴
先にもお伝えしたように、スクラッチ「Scratch」は使い始めるハードルが圧倒的に低いことから、世界中の幅広い年代の人々によって使われています。
ビジュアルプログラミング言語の代表格とも言えるスクラッチ「Scratch」の特徴を、3つお伝えします。
かわいい・親しみやすい
スクラッチ「Scratch」を開くと、まず目に入ってくるのがこのネコの絵です。 これは、公式キャラクターの「Scratchキャット」です。 この絵に指令を出すことで、絵に動きを与えたり、音を鳴らしたりできるようになります。 このような絵は「スプライト」と呼ばれます。 「Scratchキャット」の他に、自分で書いた絵を使うこともできます。
直感的に操作できる
スクラッチ「Scratch」では難しいコードを書く必要がなく、子どもが簡単に使いこなせるようになっています。 ブロックをジグソーパズルのようにつなぎ合わせるだけで、ゲームやアニメーション、インタラクティブな物語作品ができあがります。 必要な操作はドラッグ&ドロップなどの簡単なマウス操作のみです。 例えば、上の図(右側)のようにブロックをつなげると、ネコを以下の通りに動かすことができます。 - 旗のボタンをクリックすると前に10歩動く - もし画面の端についたら跳ね返る - これらの動きをずっと繰り返す
世界中にシェアできる
スクラッチ「Scratch」で作る作品は、プロジェクトと呼ばれています。 プロジェクトは、「Scratchコミュニティ」を通じて気軽に世界中に公開できます。 他の誰かが公開しているプロジェクトを見て遊んだり、プロジェクトをコピーして自分のアイディアを加えて新しい作品を生み出したりと、作るだけではない面白さがあるのも特徴です。
スクラッチの開発環境
プロジェクト作成画面には、大きく分けて、プロジェクトを作る場所とプロジェクトを実行する場所の2つのエリアがあります。
プロジェクトを作る
プロジェクトを作る場所は、3つのエディターで構成されています。 - スクリプトエディター - ペイントエディター - サウンドエディター
スクリプトエディター
12のカテゴリに分類される様々なブロックをつなぎ合わせたものをスクリプトと呼びます。 スクリプトを作ることで、絵(スプライト)や背景に動きをつけられます。 ブロックは役割毎に異なる形をしており、ジグソーパズルのピースのようにピッタリとはまるものしかつなぎ合わせることができません。 そのため、プログラムのエラー発生を自然と回避し、プログラミング初心者の頭を必要以上に悩ませたりしません。
ペイントエディター
作品の中で動かすスプライトや背景を作れる画像編集ソフト。 一般的な画像編集ソフトのようにマウスで自由に絵を描くだけで、作品の中で活用できる素材を簡単に作ることができます。
サウンドエディター
作品の中で鳴らす音の編集ソフト。 自分の声や音を録音したり、パソコンに入っている音楽ファイルを取り込んだりできるので、手軽に音をつけることができます。
プロジェクトを実行する
プロジェクトを実行する場所は、ステージエリアと呼ばれます。 スクラッチ「Scratch」を起動した時に「Scratchキャット」が現れる、左上のエリアのことを指します。 プロジェクトを作る際は、常にこの画面で動きを確認しながらプログラミングを進めていきます。 ゲームを作った場合、ゲームを実行するのもステージエリアになります。
スクラッチ「Scratch」を学習できるサイト
無料でスクラッチ「Scratch」を学習できるサイトはたくさんあります。 スクラッチ「Scratch」が子ども向けに開発されているだけあって、動画や簡単なゲーム形式で学べるコンテンツが充実しているのも特徴です。 その中でおすすめのサイトを3つご紹介します。
「Scratch」webサイト
画像引用:Scratch
公式サイト上には、スプライトの基本的な動かし方をはじめ、ゲームや物語の作り方がわかるチュートリアルビデオが無料で公開されています。 ただ1つ、英語なのが難点ですが、画面上の操作方法を真似しながら実際にプロジェクトを作ることができるので、英語がわからなくても視覚的に理解できるのでおすすめです。
NHK『Why!?プログラミング』番組ホームページ
『Why!?プログラミング』は、Eテレで放送されている小学校高学年向けのプログラミング学習番組です。
番組ホームページではテレビで放送された動画を全て視聴することができます。 放送回毎に、ミッションが設定されており、それをクリアしながらゲーム感覚で楽しく学べるのがポイントです。 また、各回の動画に対応した教材が用意されているので、教材を活用しながら学習していくことができます。
他にも、NHKのサイト『ワイワイプログラミング』ではスクラッチ「Scratch」を学べるコンテンツがたくさん用意されています。 小学生から高校生までを対象としているようですが、見た目も楽しく誰でも簡単にできるので、特に初めて使い始める時におすすめです。
ドットインストール『Scratch2.0入門(全19回)』
3分以内の動画を見て学べます。全19回で、基本的な操作からプロジェクトの共有までの一連の流れを学べます。 動画の解説音声が早口なので、子どもだと少し難しく感じるかもしれませんが、実際の画面を見ながら一つ一つの基本操作を確認できます。 短時間で概要をつかみたいという人におすすめです。
\Webサイト担当者としてのスキルが身に付く/
まとめ
スクラッチ「Scratch」は、教育研究機関が開発した子ども向けのプログラミング言語というだけあって、使い易さや教育的効果の面でも非常に優れた設計になっています。
年代や目的を問わず、一度遊んでみる価値はあると思います。 無料で使えるのでぜひ試してみてくださいね。
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部