- 公開日: 2017年5月23日
Vuzix社から発売された次世代版のスマートグラス【M300】とは?
ソフトウェアやスマートグラスなどを製造している企業のVuzix(ビュージックス)社が、自社開発の最新型AR機能搭載の単眼式スマートグラス、「M300」の製品紹介の動画を公開しました。
同社は2013年に単眼式スマートグラス「M100」をリリース。「M100」をユーザーからのフィードバッグを基に改良を施されたのが「M300」です。製造業や物流業などの産業用に開発されたAR対応スマートグラスの外観は、一般消費者にも馴染みやすいデザインになっており、非常にセンスの高さを感じさせる単眼式のデバイスとなっています。
業界最先端のブランド力と豪語する、Vuzix社の次世代型スマートグラスとは果たしてどのようなものでしょうか?
「M100」の出荷数
1997年からVuzix社はウェアラブル関連の商品や機器を製作し、最終的な耐久力テストを経て単眼式スマートグラスである「M100」を開発。2013年に本製品を出荷しました。
最終的に約数千台が出荷されたといわれていますが、商品は販売したことがゴールではありません。
「M100」を調査して改善
出荷台数が少なかったVuzix社は自社で開発した「M100」が各業界の作業現場においてどれだけの利益・作業効率UPをもたらすかを調査して改善したのが「M300」です。
- 製造業(航空宇宙産業製造業)にて正確性が約99.99%まで向上
- 遠隔作業支援にて約60%の出張費用削減
- 遠隔医療にて再入院率を約30%減少
- 物流(倉庫でのピッキング)において生産性の約25%の向上を達成
Vuzix社の目標であった「生産性の劇的な向上」という目的は果たせたといえます。
産業用に特化した単眼式スマートグラス、Vuzix「M300」
現場からのフィードバッグを反映し、「M100」の次世代後継機としてVuzix社は製造業や物流業などに対応できる産業用途の単眼式スマートグラス「M300」を発表。発売は2016年の年内を予定しています。
「M100」の改良機というだけあって、「M100」からのアップグレードや交換、さらには「いきなり『M300』を買うのは・・・」という顧客の要望にも応えて、「M100」のお試しも可能となっています。
同社は2016年9月下旬に単眼式スマートグラス「M300」を企業パートナー向けに出荷しました。提携企業は50社を超え、日本企業の新日鉄住金ソリューションズ株式会社、株式会社NTTドコモも含まれています。
Vuzix社とパートナーになったロジストビュー社は、ARデモの「Pick To Sight」を公開。単眼式スマートグラス「M300」のカメラ機能を用いてバーコードを読み込むと、スマートグラス装着者のレンズ部にデジタルでアイコンと文字が表示されるソフトウェアを開発しました。初心者でもミスなく作業ができ業務の短縮に繋がります。
さらに同社は、リモートコントロール・遠隔サポート専門のRSUPPORT(アールサポート)株式会社と提携。単眼式スマートグラス「M100」に遠隔で操作が可能な「RemoteView(リモートビュー)」と、現場をARで遠隔支援する「RemoteCall(リモートコール)」に対応しています。
CPUはIntel(インテル)の情報端末向けのCPUであるAtom(アトム)を搭載。OSはAndroid6.0を採用しています。
性能
- カメラは1300万画素数が撮影可能
- フルHDビデオ撮影
- オートフォーカス&ぶれ補正
動画では「M300」の単眼式スマートグラスは、右目から見るような形となっていますが、取り外しが可能で左右両方のテンプル部分に装着して使用することができます。
ディスプレイ部はHDカラーディスプレイを採用。視野角は20°となっており、機器部分に関しては360°回転。画面とカメラの角度調整は45°まで可能という仕様です。
本体部機能
- タッチパッド(スマートグラス本体部中央)
- Android用ボタン
- ボイスコントロール用本体部マイク
製造業や物流業などに対応できる産業用途ということで、人間工学に基づいても設計されており、安全グラスの追加、ヘッドセットやヘッドバンドとの併用、ヘルメットにも対応しています。
バッテリーに関しては使用用途にもよりますが、フルで使用しても2時間は持続、最高で約12時間の稼働が可能です。
通信関連
- BlueTooth
- Wi-Fi b/g/n/ac MIMO 2.4ghz or 5.0ghz
- USB2.0 HS
防塵&防水、落下衝撃耐久
防塵&防水はもちろんのこと、2.4mからの落下衝撃にも耐えうる設計。2.4mというのは、人間が背伸びして上に手を伸ばすぐらいの長さを想定しています。頭部につけている状態からなんらかの要因によっての落下、その他の理由で高い場所に置いた場合の落下に対応でき、製造業や物流業で起こりうる状況を考えたデザインに。
まとめ
「M100」でかなり手応えを感じ、今回の単眼式スマートグラス「M300」においてVuzix社は自信を持っているようで、早くもウェアラブル撮影機器で有名なGoProとパートナー契約を発表し、同社のカメラ製品との連携が可能と発表しています。
製造業や物流業などに特化した産業用スマートグラスとして、果たしてどこまで発展していくのか、今後の展開を期待しましょう。
記事寄稿:GETAR
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