- 更新日: 2022年05月31日
- 公開日: 2020年01月07日
Linuxコマンドを覚えよう② ディレクトリの表示・移動編
プログラミング学習を始めた方の中には、コマンドプロンプトやターミナルを使ったLinuxのコマンド操作に苦手意識をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回はディレクトリの移動や表示などの基本操作について分かりやすく解説していきます。Linuxコマンドを自由に扱えるようになると作業効率が上がるので、ぜひこの機会に手を動かして覚えてみましょう。
ディレクトリ・ファイルの一覧を表示するlsコマンド
まずはディレクトリ・ファイルの一覧を表示する「ls」コマンドについて解説していきます。
ちなみに『ディレクトリ』とは、ファイルを整理するためのものです。ここではフォルダのようなものだという理解で問題ありません。
lsコマンドの基本操作を覚えよう
ターミナルを開き、下記コマンドを実行してください。「cd」コマンドはディレクトリの移動に使用するコマンドであり、単にcdを実行すると『ホームディレクトリ』まで一気に戻れます。
$cd
なおコマンド実行時に「$」は入力する必要がない点に注意してください。
ホームディレクトリに移動できたら、下記コマンドで「linux_sample」というディレクトリを作成してください。ここで登場した「mkdir」コマンドは、ディレクトリを作成するLinuxのコマンドです。
$mkdir linux_sample
ちなみにmkdirは英語の「make directory」の略で、ディレクトリを作成するという訳になります。
本当にディレクトリを作成できたか確認する必要がありそうですね。あるディレクトリ配下にどのようなディレクトリ・フォルダが存在するか確認する場合、「ls」コマンドを使います。
lsの後に表示したいディレクトリ名を指定しましょう。
ls 表示したいディレクトリ名
それでは下記コマンドを実行してください。
$ls
コマンドを実行するとホームディレクトリ配下のディレクトリやファイルの一覧が表示されることを確認しましょう。一覧の中に先ほど「mkdir」コマンドで作成した「linux_sample」ディレクトリが存在していればOKです。
では次に「linux_sample」ディレクトリ配下にいくつかファイルやディレクトリを作成してみます。下記コマンドを上から順番に実行してください。
$touch linux_sample/file1.txt
$touch linux_sample/file2.txt
$touch linux_sample/file3.txt
$mkdir linux_sample/dir1
lsコマンドを使って、linux_sample配下のファイルやディレクトリを表示してみましょう。 下記のような実行結果となれば成功です。
$ls linux_sample
//実行結果
dir1 file1.txt file2.txt file3.txt
lsコマンドのオプションを理解しよう① -l編
ここまでで指定したディレクトリ配下にあるファイルやディレクトリを表示させることができました。この章ではlsコマンドに用意されている「オプション」について学び、より実践的なコマンド操作をできるようになりましょう。
ターミナル上で下記コマンドを実行してください。
$ls -l linux_sample/
//実行結果
drwxr-xr-x 2 XXX staff 64 1 12 10:20 dir1
-rw-r--r-- 1 XXX staff 0 1 12 10:19 file1.txt
-rw-r--r-- 1 XXX staff 0 1 12 10:19 file2.txt
-rw-r--r-- 1 XXX staff 0 1 1 2 10:19 file3.txt
上記のような実行結果となれば成功です。 (*実行結果のXXXは皆さんのユーザー名が表示されます。)
このようにlsコマンドに「-l」というオプションをつけると、指定したディレクトリ配下にあるディレクトリ・ファイルの詳細情報を表示できます。
ls -オプション名 表示したいディレクトリ名
実行結果の中にある「drwxr-xr-x 」や「-rw-r--r-- 」などについて今回は詳しい説明を省きますが、現時点では、先頭が「d」であれば、「ディレクトリ」で、「-」であれば「ファイル」を指しているとだけ覚えておいてください。
lsコマンドのオプションを理解しよう② -a編
次に紹介するのが「-a」オプションです。早速下記コマンドを実行して、結果を確認してみましょう。
ls -a linux_sample/
//実行結果
. .. dir1 file1.txt file2.txt file3.txt
上記の結果が得られたら成功です。「-a」オプションは、指定したディレクトリ配下にある隠しファイルも含めた全てのファイル・デイレクトリを表示できます。
今回の例では、「.」と「..」という隠しファイルが表示されています。 「.」は「カレントディレクトリ 」で、「..」は親ディレクトリです。
Linuxでは、本来表示させる必要のないファイルは隠しファイルとして設定されているのです。
ちなみにオプションは組み合わせて使用できます。前章で紹介した「-l」と「-a」を組み合わせて使ってみましょう。
$ls -la linux_sample/
//実行結果
drwxr-xr-x 6 XXX staff 192 1 12 10:20 .
drwxr-xr-x+ 90 XXX staff 2880 1 12 10:14 ..
drwxr-xr-x 2 XXX staff 64 1 12 10:20 dir1
-rw-r--r-- 1 XXX staff 0 1 12 10:19 file1.txt
-rw-r--r-- 1 XXX staff 0 1 12 10:19 file2.txt
-rw-r--r-- 1 XXX staff 0 1 12 10:19 file3.txt
lsコマンドに「-la」オプションを指定すると、上記のようにファイル・ディレクトリの詳細情報と隠しフォルダを表示可能です。
lsコマンドのオプションを理解しよう③ -F編
最後に「-F」オプションについて解説していきます。このオプションはファイルとディレクトリの区別がしやすくなる便利なオプションです。
下記コマンドを実行して結果を確認してみましょう。
$cd
$cd linux_sample
$ls -F
//実行結果
dir1/ file1.txt file2.txt file3.txt
ディレクトリの場合、名前の後に「/(スラッシュ)」がつくので、一目でファイルとディレクトリの区別がつきます。
指定したディレクトリに移動するcdコマンド
cdコマンドの基本操作を覚えよう
本章では、指定したディレクトリに移動する「cd」コマンドについて解説していきます。
cd 移動先のディレクトリ名
先ほどまで指定したディレクトリ配下のフォルダやディレクトリを表示させる場合、以下のように書いていましたね。
$ls linux_sample
もちろん上記のような書き方でも問題なく表示できるのですが、例えば、「linux_sample5」というディレクトリ配下のフォルダを表示させる場合、下記のように書く必要があります。
$ls linux_sample/linux_sample2/linux_sample3/linux_sample4/linux_sample5
毎回上記のように書くのは少々面倒です。そこで「cd」コマンドを使用してみましょう。
cd linux_sample/linux_sample2/linux_sample3/linux_sample4/linux_sample5
cdコマンドは指定したディレクトリに移動するコマンドです。先ほどまで「ホームディレクトリ」にいましたが、上記コマンドを実行することで「linux_sample5」ディレクトリに移動しました。
これでlinux_sample5配下にあるフォルダを表示する場合、下記のように書けるようになりました。
$ls linux_sample5
深い階層のディレクトリ配下のフォルダを何度も表示させる場合は、先程のように一度cdコマンドでディレクトリを移動し、lsコマンドを実行すると良いです。
cdコマンドで上の階層に移動してみよう
cdコマンドは下の階層だけでなく、今いるディレクトリよりも上の階層への移動も可能です。
では下記コマンドを実行してください。
$cd
//ホームディレクトリにいる
$cd linux_sample
//linux_sampleディレクトリに移動
$cd
//ホームディレクトリに戻る
「cd」だけ指定すると「ホームディレクトリ」まで一気に戻れます。
cd
=> ホームディレクトリへ移動
次は下記コマンドを実行してください。
$cd
//ホームディレクトリにいる
$cd linux_sample
//linux_sampleディレクトリに移動
$cd dir1
//dir1ディレクトリに移動
$cd ..
//linux_sampleディレクトリに戻る
$cd ..
//ホームディレクトリに戻る
「cd ..」を実行すると、今いるディレクトリの親ディレクトリに戻れます。今回の例では、dir1の親ディレクトリはlinux_sampleディレクトリです。
cd ..
=> 親ディレクトリに移動
現在の位置を表示するpwdコマンド
本章では「pwd」コマンドについてみていきましょう。pwdコマンドは、ホームディレクトリから現在いるディレクトリまでのパスを表示できます。
pwd
=>今いるディレクトリまでのパスを表示
それでは下記コマンドを実行して結果を確認してみましょう。 ユーザー名は皆さんが設定した名前が表示されます。
$cd
$cd linux_sample
$cd dir1
$pwd
//実行結果
/Users/ユーザー名/linux_sample/dir1
pwdコマンドを使えば、ディレクトリの階層を直感的に理解できるので便利です。
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まとめ
ここまでファイル・ディレクトリの一覧を表示させたり、指定したディレクトリへ移動したりするコマンドについて解説しました。
本記事で紹介したコマンド操作は、Linuxのコマンドの中でも頻出なものなので、ぜひこの機会に使えるようにしておくと良いでしょう。
- この記事を書いた人
- ヤマモト