「デザイン」を組織に根付かせ、経営に活かすためにやっていること PR TIMES 新井氏 後編


「デザイン」を組織に根付かせ、経営に活かすためにやっていること PR TIMES 新井氏 後編

「プロトタイプをすることでユーザーのことをより深く考えるようになった」

*デザイン思考とは、デザイン的プロセスを通し、ビジネスにおけるプロダクト開発に対してクリエイティブなアプローチ活用して解決しようとする考え方

前回はプロトタイピングを採用するメリットを実体験を交えながらお話いただきました。

そこで今回は、時代が変化していく中で、今後デザイナーに何が求められるのかということについてお聞きしていきたいと思います。

(前回の記事はこちら)

目次
  1. デザイン思考を社内に啓蒙。熱意を持って小さく始める
  2. 新たな価値を生み出す場合、デザイン思考ではフィットしない
  3. これから、デザイナーと経営者の距離はますます近づく

デザイン思考を社内に啓蒙。熱意を持って小さく始める

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どのようにすれば、デザイン思考を活用して素早く小さく改善する組織にすることができますか?

自分がいいなと思うことを、社内で発信し続けることだと思います。

実際に私も、デザインスプリントの実践講座を社内で開催しています。

デザインスプリントの実践講座には、営業やプランナー、ライターなど様々なメンバーが集まってくれました。

参加者にはイベント後のアンケートに「私はデザイナーではないけれど、今後の企画立案などの際にデザインの手法を取り入れて見ます。」と記入してくれた方もおりました。

デザイナー以外には少し敬遠されるのではないかと思ってましたが、思った以上に反響がよく、楽しんでもらえたようです。

このイベントを開催することで、デザイン思考に対しての心理的なハードルを下げることができたと感じています。

このように、社内文化形成のためには啓蒙活動を地道に進めていくことが大切です。

まずは、自分が熱意を持って小さく始めることが大事ではないのかと思います。

新たな価値を生み出す場合、デザイン思考ではフィットしない

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近年、デザイン思考がかなり注目されるようになりつつありますが、デザイン思考はビジネスにおける特効薬になりえますか?

私自身、デザイン思考を日々実践しているのですが、その中で「デザイン思考を取り入れれば業績が改善するというわけではない」と感じることがあります。

状況(会社のフェーズ)に応じて、デザイン思考のフレームワークを使い分けをしないと思うような成果を出せないのではと思います。

例えば、現在、デザインスプリントデザインスプリントはすごく良いと評価されていますが、個人的な意見としては、新しいものを作り出すときにはデザインスプリントはあまり適切ではないと実感しています。

なぜなら、デザインスプリントは、ユーザーのニーズに沿って様々な解決法を見つけるものだからです。

顕在化しているニーズを満たすためにどのようにしてくのかということを考える際には、とてもフィットすると思います。

新規事業では、最初はユーザーがなにを求めているのかがわかりませんし、ユーザーが求めている以上のものを作らなければなりません。

今あるユーザーのニーズ起点で企画をするのではなく、ユーザーが求めている以上のものは何なのか?ということを深堀して考えていく必要があります。

そのため、ニーズがまだ顕在化していない新規事業を始める場合は、デザインスプリントの手法ではなく、他のフレームワークを利用する方が良いのではないのかと個人的には思っています。

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これから、デザイナーと経営者の距離はますます近づく

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最後に今までのご経験の中から、今後デザイナーに求められるスキルセットなどを教えてください。

今後、さらにデザイン思考が注目されていくと思います。

デザインの重要性というのも日本でも重要視されていくと思いますし、すでにgoogleやFacebook、マッキンゼーなどの海外企業ではデザイン会社をたくさん買収しています。

日本では博報堂が、デザイン思考を世界中に普及させたIDEOに出資していますよね。

業務面でも変化があったように思えます。

僕自身も今までは印刷物などのデザイン製作が中心でしたが、徐々にUIやUXの改善を行ったり、会社のブランディングまで手がけるようになってきています。

また近頃は、経営層の相談を受けることも実はデザイナーの役割になってきていると思います。

弊社は社長と距離が近いということもありますが、「会社の方向性を今後はこのようにしていきたいのだけど、デザインでなんとかできないか?」と相談を求められることも多々あります。

こういった背景からも、今後デザイナーには幅広い役割が求められるようになってくると思いますね。

―デザイン思考の有用性やデザイナーが今後担うべき役割 、たくさんのヒントがいただけました。PR TIMES、Tayoriの展開、ともに楽しみにしています。本日はありがとうございました!


CodeCampus編集部
この記事を書いた人
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