【2022年版】基本情報技術者試験の概要と対策【徹底解説】


【2022年版】基本情報技術者試験の概要と対策【徹底解説】

転職やスキルアップのためにIT技術の知識を身につけたいなら、基本情報技術者試験をおすすめします!

「基本」と入っていますが、初心者向けの取得しやすい資格というわけではありません。

難易度は少し高めに設定されていますが、試験概要をしっかり把握して対策すれば初心者でも合格は可能です!

この記事では試験科目や合格率をはじめとする、基本情報技術者試験の概要について解説します。

CBT試験や午後試験のプログラミング科目の選択、効果的な学習方法についても触れていますので、ぜひ参考になさってください。

目次
  1. 基本情報技術者試験とは
  2. 基本情報技術者試験の試験要項
  3. 試験の内容
  4. 午前試験と午後試験
  5. 午前試験免除制度
  6. 合格率の推移
  7. 基本情報技術者試験の勉強法
  8. 過去問を繰り返し学習する
  9. 基本情報技術者試験におすすめの参考書は?
  10. 試験の対策
  11. プログラミング言語は何を選ぶ?
  12. 新しい解答方法(CBT方式)への対応方法は?
  13. さらに重視されるテクノロジ系、数学分野への対応方法は?
  14. まとめ

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験は、エンジニア向けの国家資格のなかでは登竜門といえる試験です。

同じ国家資格(情報処理技術者試験)である『ITパスポート』はユーザー向けの試験なのに対し、基本情報技術者試験は開発者向けの資格に分類されています。

基本情報技術者試験の試験要項

開催の概要は以下のとおりです。

項目 内容
主催機関 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
試験日程 春期試験:毎年 4月第3日曜日
  (申し込み:1月中旬から約1ヶ月間)
秋期試験:毎年 10月第3日曜日※
  (申し込み:7月中旬から約1ヶ月間)
受験料 5,700円
申し込み方法 インターネットのみ
(願書郵送申し込みは廃止)
受験方法 CBT方式
 午前 試験時間:150分
多肢選択式(4択)出題数80問/解答数80問
 午後 試験時間:150分
多肢選択式 出題数11問/解答数5問
合格基準 午前、午後とも60点(各100点満点中)

※ 2020年度秋期試験は延期、今年度中にCBT試験実施予定(決まり次第公式サイトにて発表)

※※ アンダーライン部分は2020年度からの変更点

参考:公式サイト(試験要綱・シラバス

試験の内容

試験内容は以下の3分野です。

  1. テクノロジ系・・・基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、セキュリティ、開発技術
  2. ストラテジ系・・・システム戦略、経営戦略、企業と法務
  3. マネジメント系・・・プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント

出題の割合はテクノロジ系が3分の2、ストラテジ系とマネジメント系が各6分の1ずつです。

詳細な試験分野については、公式サイトにシラバスが公開されています。

午前試験と午後試験

試験時間は午前と午後、各150分です。

[午前] 基礎知識や用語についての短問(80問全問解答)

  ・テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系からほぼ均等に出題

[午後] 具体的な事例を使った応用問題(11問、選択により5問を解答)

問題番号 内容
問1 テクノロジ系(セキュリティ)
問2〜5 テクノロジ系3問、ストラテジ系+マネジメント系1問
(うち2問を選択解答)
問6 テクノロジ系(データ構造およびアルゴリズム)
問7〜11 テクノロジ系(プログラミング問題5種類、うち1問を選択解答)

午後試験はほぼテクノロジ系で、選択によってはすべてテクノロジ系の問題になります。

午前試験免除制度

IPAに認められた講座を受講し修了試験に合格すると、午前試験を免除されます。免除される期間は修了試験の合格後1年間(春/秋の2回)です。

  • メリット・・・難易度の高い午後試験に集中できる。試験勉強のリソースを分散できる。
  • デメリット・・・二万円〜三万円程度の受講費用がかかる。修了試験の受験回数は講座により1〜2回のみ。

公式サイトに認定講座の一覧があります。受講される場合は開催を問い合わせの上、お申し込みください。

合格率の推移

合格率は20%〜30%前後で推移しています。

image (IPA公式サイトの統計資料に基づき作成)

合格率の分母は、応募者数ではなく実際の受験者数です。それでも7〜8割は不合格になるため、しっかり方針を決めて勉強・受験する必要があります。

基本情報技術者試験の勉強法

学習期間の目安は公式には発表されていませんが、3ヶ月程度といわれています。早めに学習に着手し、どのくらい時間がかかりそうか見積もっておきましょう。

過去問を繰り返し学習する

基本情報技術者試験でよく出題される内容は決まっています。過去問を繰り返し解き、不明な点を参考書でじっくり理解していきましょう。

過去問学習におすすめのサイトは『基本情報技術者試験ドットコム』の過去問道場です。

image過去問道場のサイト)

ユーザー登録すると、以下の機能を使えます。

  • 問題に解答するとすぐ結果がわかり、その場で解説を読める
  • 学習履歴はグラフで表示され、苦手分野がすぐわかる
  • 不正解やしっかり理解できていない問題にチェックをつけ、まとめてチャレンジできる

スマホでも快適に動作するので、通勤時間などすきま時間を有効活用できます。

手はじめに直近年度の過去問を、さらに1つの出題分野から細かく絞り込んで数問ずつチャレンジし、学習が進んだら徐々に範囲を広げていくと効率的です。

また、IPAの公式サイトにも過去問と解説があります。

基本情報技術者試験におすすめの参考書は?

情報処理の概念を理解するために最適な参考書を2冊ご紹介します。

[かんたん合格 基本情報技術者教科書]

image

この本は、言葉(特に専門用語)がわからず勉強に行きづまってしまう方におすすめです。

できる限りわかりやすい表現を選び、丁寧に説明されています。例えば略語にはルビが振られ、正しい読みかたがわかります。

また、内容が充実しているのに本の価格が安めなのもおすすめポイントです。1冊持っていても損はありません。

[キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者]

image

親しみやすいキャラクターのイラスト図解が豊富に使われています。ネットワークなど文字だけでは理解しにくい概念を、頭の中にイメージしながら覚えたい方におすすめです。

大変人気があり、書店で基本情報技術者試験の参考書を探せば手に入りやすい本です。

基本情報技術者試験の出題範囲は広いため、上記2冊の本だけでは午後試験の難解な部分まで詳細には解説しきれていません。

繰り返しますが過去問に多くあたって解説をよく読み、理解を深める必要があります。

試験の対策

基本情報技術者試験で気になる試験対策について解説します。

プログラミング言語は何を選ぶ?

午後試験のプログラミング科目は、表計算CASLC言語JavaPythonの5種類の言語から選択できます。どの言語を選ぶかは悩みどころですが、目安としては以下のとおりです。

  • プログラミング未経験の方・・・表計算、CASL
  • プログラミング経験者・・・プログラムを組んだ経験のある言語
  • エンジニア就職の切り札にしたい方・・・Java言語

プログラミングの勉強を、参考書や過去問をただ解くだけで対応するのは困難です。手元に実行できる環境を用意できるかどうかが鍵になります。

CASLの動作環境は、IPAからシミュレーターが提供されています。またフリーでWeb上から使えるCASLシミュレーターも公開されており、すぐにプログラムを動かせます。勉強に一番着手しやすい言語です。

表計算では、関数のほかにマクロへの対策が必須です。手元にExcelがあれば類似のマクロを組んで動かせます。

すでにExcelを使って過去問を解いた例がネット上にあるので、最初に読んでみてExcelと表計算の違いを把握すると後の理解がスムーズです。

C言語とJavaは問題の難易度が高く、開発経験者でない場合は学習にかなりの時間と労力が必要になります。

またPythonは2020年度から試験に追加された言語のため、過去問がありません。Pythonでの受験を考えている方は、IPAで公開されているサンプル問題を読んでから検討するとよいでしょう。

新しい解答方法(CBT方式)への対応方法は?

問題の解答方法について、2020年度秋期試験以降から従来のマークシート方式に代わりコンピュータを使ったCBT方式が導入されます。

すでにCBT方式が導入されているITパスポート試験の公式サイトでは手順の詳細が説明されているほか、CBT疑似体験ソフトウェアをダウンロードできます(Windows版のみ)。

ITパスポートと同様の手順になるかは未定ですが、上記をチェックしておけば参考になるでしょう。

さらに重視されるテクノロジ系、数学分野への対応方法は?

今後のAI時代に対応するため、基本情報技術者試験では2020年度からテクノロジ系と数学分野を重視する対策が取られました。

  • 午前試験で数学(線形代数、確率統計ほか)に関する出題比率が上がる
  • 午後試験でテクノロジ系科目の比率が増える

参考:公式サイト

最新年度の参考書のなかにはすでに数学の問題増加に対応しているものもあるので、重点的に学習するのをおすすめします。

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まとめ

基本情報技術者試験の概要と、試験対策について解説してきました。

この試験を受けるメリットはさまざまです。

  • 就職、転職活動の役に立つ
  • IT系の職種では、取得を義務づけられている会社もある
  • ほかのIT系技術を学ぶとき、土台となる知識が得られる

開発者にならなかったとしても、仕事の効率化や会社の戦略立案、エンジニア職の方とのコミュニケーションに役立ちます。

試験に取り組むなかでプログラミングやWeb制作に興味がわいたら、それは学びのチャンスです!

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鳥飼千愛
この記事を書いた人
鳥飼千愛
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