- 更新日: 2019年10月10日
- 公開日: 2019年10月03日
[Webデザイン初心者必見]Webデザイン技能検定とは?
コンピューター、プログラミング関係の国家資格と言えば、みなさんITパスポートや基本情報処理技術者、ソフトウェア開発技術者を皆さん思い浮かべるかと思います。対してWeb関係の国家資格と言えば、ウェブデザイン技能検定が最もポピュラーな資格と言えるのではないでしょうか。
やはり、国家資格となると持っているのと持っていないのでは、就職時など様々な場面で違ってきますし、何しろ自分の能力を示す分かりやすい証明となります。
そこで今回は、ウェブデザイン技能検定とはどういう資格か、というところから合格するためにはどうすればよいか、合格すればどういうメリットがあるのかなどを、できるだけ分かりやすく説明したいと思います!
Webデザイン技能検定とは
それでは、Webデザイン技能検定とはどのような資格なのか見ていきましょう。
Webスキルの国家資格
Webデザイン技能検定は特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施する「国家資格」です。同様の国家資格、基本情報処理技術者などがコンピュータ、プログラミングなどの知識を問われるのに対し、こちらはWebサイトの作成に関する知識を問われます。
この資格は1級、2級、3級と3つのレベルに分かれており、1級が最も難しくなっています。試験は、実技および学科試験で実施され、ウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等が問われます。1級と2,3級の違いは難易度などもありますが、1級の実技試験は、学科試験を合格した方のみ受検することができるという違いもあります。
学科試験はマーク方式の筆記試験、実技試験は課題選択方式で行われます。どちらも70点以上が合格基準とされています。試験免除もあり、学科と実技のいずれかのみに合格した場合、次回の試験時に免除されるという仕組みです。
実技試験は3級では、テキストエディタとブラウザを使用し、2級では、ウェブコンテンツ作成ソフトウェアを使用します。1級ではPC及びソフトウェアを受験者本人が持参可能、と受験する級によってかなり違ってきています。上級になるにつれ、より高度かつ実務的な内容を試されます。
難易度
3級は比較的簡単で、主にWebサイト作成の知識を問われるものです。デザインのセンスなども求められないため、しっかり勉強すれば実務経験が無くても特に問題なく合格することができます。逆に実務経験が豊富な人は少しの勉強しなくても合格する事は可能です。
2級になると難易度も上がり、より実践的な知識を試されます。未経験の人では少々厳しくなってきますのである程度の実務経験を積んだ人が対象となります。
1級はかなりの難易度なので、Webデザインに関する豊富な知識とデザインセンス、技術の応用力など様々なスキルを試されます。実技試験ではウェブサイトの運用管理におけるチューニングなども試験内容に含まれてきます。
受験資格
3級は誰でも受験することができますが、2級と1級は1つ下の級を持っている、一定の実務経験を積んでいるなど、大まかには以下のような条件があります。詳しい資格についてはホームページをご覧ください。
受験資格 | ||||||
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1級 | 【実技試験】 ・1級の学科試験に合格した者 【学科試験】 ・7年以上の実務経験を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了後、実務経験5年を有する者 ・大学卒業後実務経験3年を有する者 ・高度職業訓練修了後実務経験1年を有する者 ・2級合格後実務経験2年を有する者 |
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2級 | ・2年以上の実務経験を有する者 ・大学、職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業した者 ・普通、高度職業訓練を終了した者 ・3級の技能検定に合格した者 |
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3級 | Webデザインの業務関わる者 |
試験概要
それでは、初心者の方が最初に受験するであろう3級の試験概要は以下のようになります。
試験概要 | ||||||
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試験時間 | 学科45分、実技60分 | |||||
試験日程 | 年4回、日曜日に実施 | |||||
受験手数料 | 学科:5,000円/実技:5,000円(35歳以上)または3,000円(35歳未満) | |||||
出題形式 | 学科:筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式 実技:課題選択方式 |
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合格基準 | 学科:70点以上(100点満点) 実技:70点以上(100点満点:ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること) |
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学科試験内容 | ・インターネット概論 ・ワールドワイドウェブ(WWW)法務 ・ウェブデザイン技術 ・ウェブ標準 ・ウェブビジュアルデザイン ・ウェブインフォメーションデザイン ・アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン ・ウェブサイト設計・構築技術 ・ウェブサイト運用・管理技術 ・安全衛生・作業環境構築 |
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実技試験内容 | ・ウェブサイト構築(デザイン、運用管理) |
試験概要の詳細については技能検定ウェブデザインの試験科目をご覧ください。
就職に有利なの?
まず最初に、Webデザイン技能検定は国家資格ですが「この資格がないとできない仕事」というのはありませんので、Webデザイン関係の仕事をするなら必須の資格という訳ではありません。基本的には技術職ですので、実際の業務では資格よりも技術力の方が重要視されるでしょう。
しかしながら、この資格は国家資格ですので持っていない人との差別化は図れます。つまり持っていない人と持っている人では持っている人の方が就職の際のアピールポイントにできるということです。ただし、3級だと数週間から1ヶ月くらい勉強すれば合格すると言われていますので、2級以上くらいではないとアピールにならないかもしれません。
Web業界への就職、転職の場合、多くはポートフォリオ(自分ができることをまとめたもの)を作ることになると思います。実務経験が豊富な場合、経験を活かして充実したポートフォリオを作ることができますが、実務経験が浅い場合、そこまで充実したポートフォリオを作れない場合があります。
そんな時に、経験の少なさを国家資格を持っているという点で補える利点もあります。資格をとるのにはそれなりの学習と知識が必要ですので、そういう努力ができ、ある程度の知識はあるということをアピールすることはできるのではないでしょうか。
Webデザイン技能検定合格率
Webデザイン技能検定の1級から3級の合格率は以下のようになっています。
・3級:60~70%
・2級:30~40%
・1級:10~20%
3級は比較的合格率が高く、2級でも30~40%とそう低くはありません。さすがに1級になると10~20%と合格率はかなり低くなってきています。基本情報処理技術者の合格率が20~30%程度と考えると比較的合格しやすい資格だと思います。
3級は比較的簡単にもかかわらずこの程度の合格率というのは、安価で誰でも受験できるため、気軽に申し込んでしまい勉強をあまりしないで受験してしまう、またはそもそも受験しない、というケースがあるためだと思われます。
1級は受験内容、受験手数料などを見てもそこまで気軽に受験できるものでもなく、きちんとした受験目的がある人が受験していると考えられ、かつ合格率が10~20%ということは、かなり難しい部類と言っても差し支えないでしょう。
合格するための勉強法
資格に合格するには勉強は欠かせません。それでは合格するためにはどんな勉強法があるか見ていきましょう。
独学での勉強
まずは独学での勉強です。独学での勉強で最もポピュラーなのは学習本を購入して学習するという方法です。どんな試験でも大体そうですが、過去問を重点的にすることで合格率を上げることができます。3級では知識を問われることがほとんどなので、過去問などをしっかりすることは必須です。
過去問は問題集として購入することもできますがホームページで過去問の公表もしていますので、こちらで学習するのも効果的です。ただしホームページは解説などはないので注意してください。
しかし、2級以上になると実際のWebデザインなどの実務経験が問われる試験になってきますので、仕事で実務経験を積んでいない人は本だけでは少し心もとなくなってくるでしょう。
独学での勉強の最大の弱点は「どうしても分からない時に教えてくれる人がいない」ということと「応用力が身に付かない」ということです。実務をこなしている人は先輩などに聞いてもいいでしょうが、完全な独学となると分からないでそこでストップしてしまうこともあります。
スクールでの勉強
スクールでの学習では実務に沿ったカリキュラムと経験豊富な講師がサポートしてくれますので、独学よりも効率の良い勉強が行えます。
2級以上で登場するAdobe PhotoshopやDreamweaver、Fireworksといったソフトの使い方やHTML、CSS、Javascriptの知識などは未経験の人には難しく、ソフトは自分で購入するには高価なので就職先などでなかなか使えない人はスクールを利用した方がスムーズに技術を習得できます。
また、スクールに通うということは自分を勉強する環境に置くということで、自宅よりも学習に集中することができます。自宅での学習になると、さまざまな誘惑があり学習を中断してしまう可能性があります。
スクールの最大の弱点は「費用が掛かる」ことと「スクールまで通学する必要がある」ということです。3級なら独学でも十分合格できますので、そこまでスクールに通うメリットはないかもしれませんが、2級以上を狙う方はスクールに通った方が合格への近道となるかもしれません。
\一流デザイナーのスキルが身に付く/
まとめ
Webデザイン技能検定はWeb関係では数少ない国家資格です。先ほども説明しましたが、これがないとできない仕事はありません。ですがコンピュータ関係の資格のほとんどはそういう資格です。それでもみんな資格を取得するということはそれだけの意味があるということだと思います。
もちろん資格だけ持っていて、実力が伴っていないような状態ではあまり良くありませんが、全く知らない人があなたを評価する時、資格があるのとないのでは見方が違ってくることも事実です。
この資格、特に2級以上は持っていて損はない資格だと思いますので、Web関係に従事している方、またはこれから従事しようとしている方で何か資格が欲しいと思っている方は1度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
- この記事を書いた人
- ふろっく