- 更新日: 2018年10月09日
- 公開日: 2018年10月02日
プログラミング教育がなぜ必修化に?プログラミング教育がなぜ重要なのかを解説してみた
現在ではパソコンやインターネットなどは私たちの生活とは切り離せない関係にあります。しかし、IT化が進む中でそのIT化に必要な人材が不足している現実があります。
そんな人材不足を解消すべく、日本経済再生本部が発表した日本再興戦略2016において2020年からIT人材の育成を目的として小学校でプログラミング教育が必修化される方針が示されたことはご存知でしょうか。
世界を見てみるとプログラミング教育は珍しいことではなく、アメリカやイギリス、ロシアなどといった様々な国で教育に取り入れられています。
そこで今回はプログラミング教育が必修化された背景や世界のプログラミング教育事情などを解説し、これからの必修化に備えてプログラミングを学べるスクールを3校ご紹介します!
プログラミング教育がなぜ必修化になったのか?
そもそも、どうしてプログラミングが必修化されるのかと思う方もいらっしゃると思います。それには現在のグローバル化された社会とIT技術の進歩が関係しています。本ブログではその関係を2つの視点から解説します。
1.IT人材不足
IoT(様々なものがインターネットにつながる仕組み)やAI(人工知能)開発などにおいて、高度な技術を持ったIT人材は不可欠ですが、その人材が不足している現状があります。経済産業省の発表では2020年までには37万人ものIT人材が不足するといわれています。
さらに、農業など一見ITとは関係のなさそうな産業でもIT化は進んでおり、90%の職業が少なくとも基礎的なITスキルを必要としていると言われていることから、人材不足は深刻な問題となっています。
そういった問題から、小さいうちからITに慣れ親しむことでプログラミングやIT技術に対しての抵抗をなくし、優秀な人材を多く育成しようという狙いもあるのではないでしょうか。
2.子ども自身の成長
子どもの成長にもプログラミング教育は好影響を与えると考えらます。具体的にはプログラミング的思考(意図した動きを行わせる論理的思考)を学ぶことによって、難しい問題に対する取り組み方を養うことができます。
グローバル化された現在の社会では様々な人と仕事をすることがあり、その際にもプログラミング教育で身につく論理的思考や、問題を解決する力などは必ず役に立ちます。
プログラミング教育の現状
プログラミング教育は世界中で行われています。実際にどういう教育が行われているのか見てみましょう。
1.イギリス(イングランド)
イングランドでは、2013年のナショナルカリキュラムにおいて、従来の教科「ICT」に代わって教科「Computing」が新設され、2014年9月より実施されています。
指導内容は、アルゴリズムの理解、プログラムの作成とデバッグ、論理的推論によるプログラムの挙動予測、情報技術の安全な利用法、コンピュータネットワークの理解など日本よりも本格的なプログラミング技術を習得することを目的とされているようです。
小学校での学習時間は一般的に1時間/週(約30時間/年)程度で学級担任が指導を行います。
2.ロシア
ロシアではプログラミング関連の授業を2-11年生で一貫して教え、必修と定めています。初等教育においては2009年よりアルゴリズム教育を実施しています。
内容は算術演算を数字と数式にて表現し、問題を解決する能力や簡単なアルゴリズムを構築する力を身につけます。さらに幾何学的な図形を特定し描き、表、チャート、グラフや図表、順序集合を用いたり、データを集計、分析し解釈する力を養い、プログラミング教育とつなげています。
日本よりは数学的な専門的な知識をつけさせることを目的にしているようです。
3.アメリカ(カリフォルニア州)
カリフォルニア州ではプログラミング教育は、カリフォルニア州教育局(California Department of Education)が定めるカリキュラムに科目として規定されていないためプログラミング教育を実施するかどうか、実施した場合の指導内容、指導時数などは学校裁量になっています。
カリフォルニア州は「シリコンバレー」に代表されるIT産業の拠点が存在するにもかかわらず、高等教育においてコンピュータサイエンス分野を専攻する学生が少ないことが指摘されており、コンピュータサイエンス教育を初等・中等教育に取り入れようとする草の根運動が報告されています。
すべての小学校でプログラミング教育が決まった日本とは違い、今現在では州や州の学校などの裁量でプログラミング教育を行うかどうかが決まっているようです。何を学ぶかは自分で決めるということです。
4.ドイツ
ドイツはアメリカに少し似て教育システムは全16連邦州それぞれが管轄しており、独立して教育方針を定めるためコンピュータプログラミングに重点を置くかどうかを含め、カリキュラムに関しては州によって大きな違いがあります。
現在ではバイエルンなどの3つの州で後期中等教育のいくつかの学年でコンピュータの授業を義務化していますがほとんどの州では義務化はされていません。指導時間数は州により異なりますが、2時間(45分授業)/週で、いくつかの州でのみ4時間(45 分授業)/週の特別コースがあります。
5.イタリア
イタリアでは2004年にコンピュータサイエンスに関する授業が初等教育、中等教育に導入され、更に2014年9月より教育省と大学研究機関が協力して、初等教育(小学校)からコーディングを導入するProgramma il Futuroと呼ばれるプロジェクトを開始しています。
このプロジェクトの小中学校の授業は日本と同じように論理的思考方法を身につけることを目的とした学習が行われているそうです。
Programma il Futuroは任意参加のプロジェクトであるが、教育省が推進しており2017年のプロジェクト終了までに更に参加校が増えていくと予想されています。
6.中国(上海)
中国中央政府が目指す教育政策は、就学率・進学率等を指標とする教育発展だけでなく、国際化・情報化社会での知的想像力やモラル、生涯学習を可能とする各種の資質・素養を国民が獲得することに重点をおいています。
上海では、教科「情報科学技術」は、9年間の義務教育カリキュラム中に独立した必修科目として設定されており、小・中学校の義務教育を通して全生徒の情報素養を全面的に引き上げることを主目標とした内容で日本が進めているプログラミング教育とは少し違うようです。
プログラミング教育のカリキュラム概要とは?
まだ詳しいカリキュラムについては決まっていない部分もありますが、文部科学省が発表した小学校プログラミング教育に関する概要資料によると、プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動とされています。
小学校段階におけるプログラミング教育の実施例は以下のようになります。
総合的な学習の時間 | 自分の暮らしとプログラミングとの関係を考え、そのよさに気付く学び | |||||
理科 | 電気製品にはプログラムが活用され条件に応じて動作していることに気付く学び | |||||
算数 | 図の作成において、プログラミング的思考と数学的な思考の関係やよさに気付く学び | |||||
音楽 | 創作用のICTツールを活用しながら、音の長さや高さの組合せなどを試行錯誤し、音楽をつくる学び | |||||
図画工作 | 表現しているものを、プログラミングを通じて動かすことにより、新たな発想や構想を生み出す学び | |||||
特別活動 | クラブ活動において実施 |
小中学生向けプログラミングスクール
CodeCampKIDS
画像出典:CodeCampKIDS
CodeCampKIDS(コードキャンプキッズ) | ||||||||
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公式サイト | https://codecampkids.jp/ | |||||||
運営会社 | コードキャンプ株式会社 | |||||||
受講形式 | 来校しての授業 | |||||||
教室 | 東京都品川区大崎 | |||||||
対象 | 小学1年生から中学3年生 | |||||||
開講時間:土曜日 | ロボットコース 14:00-15:00 | Scratchコース 15:30-17:00/17:30-19:00 | ||||||
開講時間:日曜日 | ロボットコース 10:30-11:30 | Scratchコース 11:30-15:00/15:30-17:00 | ||||||
受講料金(月額) | ロボットプログラミング:10,800円 | Scratchプログラミング:16,200円 |
注意 上記の受講料金のほかに入会金10,800円、機器(PC・タブレット)をレンタルをする場合月額2,160円必要です。
CodeCampKIDSはCodeCampが運営する、初めてでも楽しく学べるビジュアルプログラミングから、本格的なゲーム、Webサービスやアプリなどの開発を学ぶことのできる、小学生・中学生のためのプログラミングスクールです。授業は小学1年生から3年生程度を対象としたロボットプログラミングコースと小学3年生から中学3年生程度を対象としたScratchプログラミングコースがあります。
ロボットプログラミングコースはマサチューセッツ工科大学メディアラボが開発した「ScratchJr」でプログラミングの基礎的な概念を理解した後に、SpheroやOzobotなどのロボットをプログラミングで操作することによって、はじめての子でも基礎からしっかりとプログラミングを学習できます。
Scratchプログラミングコースは同じくマサチューセッツ工科大学メディアラボが開発した「Scratch」でプログラミングを学びます。基礎的な概念を理解した後に、シューティングゲームやアクションゲームなど本格的な開発を始め、最終的には作った作品をオンラインコミュニティに投稿することができます。
インターネット環境があれば、CodeCampKIDSOnlineもありますので、時間の都合が悪い方や遠くて来校できない方にはおすすめです。無料体験もありますので雰囲気が知りたい方には申し込んでみるものいいかもしれません。高校生にはより本格的な学習ができるCodeCampも検討してみてください。
TENTO
画像出典:TENTO
TENTO(テント) | ||||||||
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公式サイト | http://www.tento-net.com/ | |||||||
運営会社 | 株式会社TENTO | |||||||
受講形式 | 来校しての授業 | |||||||
教室 | 東京、さいたま、神奈川、千葉、静岡 | |||||||
対象 | 小学3年生から高校生 | |||||||
講義回数 | 週1回:月4回(年間48時間) | |||||||
受講料金(月額) | 月払い(月4回):16,000円 | 隔週(月2回):9,000円 |
注意 月額料金とは別に入会金10,000円が必要です。
東京の自由が丘教室と東京、さいたま、静岡のフランチャイズ校は料金体系が異なります。
TENTOは2011年に設立された寺子屋方式の子供向けプログラミング教室です。寺子屋方式のため、様々な年代の子どもが集まり同じ教室で学習を行います。いろんな個性・発達段階の子どもがお互いを尊重し合いながら各自の学習を進めていきます。
学習カリキュラムは子供の個性を生かすため、10以上のプログラミング言語の中から自分に合った言語を選択することができます。プログラミング言語を学びつつネットの危険性を回避するための学習や、グラフィックソフトの使い方やワープロソフトなど一般的なITスキルも身につけます。
簡単なプログラミングに慣れてくれば、実際に仕事で使用されているような本格的なプログラミングを学ぶこともできます。プロエンジニア経験を持つ講師もいるので、より実践的な技術が身に付きます。
TENTOはほかのスクールよりはプログラミングに特化しています。将来は理系、情報系と決めている中高生には魅力的なスクールではないでしょうか。プログラムがあまり好きではなくても無料体験へ行けばその楽しさに気付くかもしれません。
LITALICOワンダー
画像出典:LITALICOワンダー
LITALICOワンダー(リタリコワンダー) | ||||||||
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公式サイト | https://wonder.litalico.jp/ | |||||||
運営会社 | 株式会社 LITALICO | |||||||
受講形式 | 来校しての授業 | |||||||
教室 | 東京、神奈川 | |||||||
教育コース | ロボットクリエイトコース(年長児から小学3年生) | ゲーム&アプリプログラミングコース(小学1年生から高校生) | デジタルファブリケーションコース(小学1年生から高校生) | ロボットテクニカルコース(小学3年生から高校生) | ||||
受講料金(月額) | 月2回:11,880円 教材費:1,080円 | 月4回:19,440円 教材費:2,160円 |
注意 月額料金とは別に入塾金16,200円が必要です。
月額料金とは別に教室運営費(月額)1,620円が必要です。
LITALICOワンダーは子どもの創造力を解き放つITとものづくりのスクールです。プログラミングやロボット、デジタルファブリケーション(3Dプリンタなどのデジタル工作機械を使った成型技術)といったテクノロジーを学ぶことができます。
授業は試行錯誤をする時間を重視するために少し長めの1回90分で、講義ではなく個々のペースで学習を進めていくというスタイルです。1人1人の子どもにあった学習スタイルを提供するため教材もテキストや動画など多種多様なものを取り揃えています。
ロボットなどのものづくりをプログラミングに加えることでプログラムへの抵抗をなくし、より子どもが取り組みやすい学習環境を作り出すことができます。教室もカラフルで楽しい雰囲気で学ぶことができそうです。気になった方は無料体験で雰囲気を味わってみてください。
\Webサイト担当者としてのスキルが身に付く/
まとめ
現在ではまだIT教育は一般的ではありませんが、IT化の波はすぐそこまで迫ってきています。自分には関係ない、難しそうだからやりたくないと思わずに、より良く生きていくための知恵を学ぶと考え、今回ご紹介したスクールなどをうまく活用して、来るIT時代に取り残されないよう力をつけてみてはいかがでしょうか。
- この記事を書いた人
- ふろっく