Web制作チーム全体のスキル向上を実現するJavaScript/プログラミング研修を導入【ガンホー・オンライン・エンターティメント】
- 更新日: 2019年02月04日
- 公開日: 2017年05月22日
Web制作チーム全体のレベルを向上させるためのJavaScript/プログラミング研修はどのように実施されているのか?日常業務で忙しい社員が、業務と並行しながら実践的なスキルを習得するための企業研修についてレポートします。
今回は、コードキャンプのプログラミング研修を導入されたガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の万崎氏にお話を伺いました。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 CS本部 カスタマーサービス部 WEBサービス課 課長代理 万崎 賢司氏(写真右)
インタビュアー:コードキャンプ株式会社 デジタル人材開発支援室 吉田 大一(写真左)
【導入前の課題】
-中途社員が中心のチームで個人のスキルや経験レベルにバラつきがあった
-社員毎に繁忙時期が異なり、集合研修を実施することが困難
-チーム全体の技術力を向上させる機会が不足していた
【研修概要】
受講者:Web制作チーム
受講形態:現役エンジニアによるオンライン・マンツーマンレッスン
受講期間:9ヶ月間
業務と並行し、チーム全体のレベルを上げるためのプログラミング研修を実施
-ガンホー様では、Web制作チーム全体に研修を導入していただいています。まずは研修を実施されるに至った背景についてお話を聞かせてください。
私がマネージメントしているWEBサービス課は、ガンホーが展開しているゲームのWebサイトを主に制作している部署です。ゲームタイトルごとに担当がついて、開発・運営側と一緒にゲームの公式サイトをはじめ、キャンペーンやイベント告知のためのWebサイトを制作しています。
今回の研修を通じて、チーム全体のレベルを上げることを目標としてメンバーへ研修を実施しています。 インハウスのWeb制作チームということで、チームとしては、現場と連動してスピード感を持ってWeb上で良いユーザー体験を提供できるようにすることを目指しています。
レベル差がある社員に合わせて現役エンジニアの「マンツーマン研修」を導入
チームメンバーは全員Webデザイナーですが、フロントエンドのエンジニアとしてある程度スキルを持っている方から、DTPなどの経験を経てWebの世界に入ってきた方など様々です。
研修テーマであるJavaScriptも社員のスキル・経験はまちまちで、ある程度は独力で実装できるメンバーもいれば、ライブラリを参照して決められたパターンなら対応ができるメンバー、ほとんど触った経験がないメンバーなど、研修のスタート地点がバラバラでした。
また、メンバーが担当しているプロダクトごとに業務の繁忙期が異なるということもあり、全員を集めて集合型で研修を実施するのは現実的ではありません。
そこで、今回は社員のレベル差に合わせて指導をしてもらえて、社員の業務繁忙に合わせて受講ペースを調整することができるCodeCamp(コードキャンプ)のオンライン・マンツーマン研修を導入することに決めました。
また一番価値を感じたポイントは、講師となるエンジニアの方へ質問ができるという点です。カリキュラムをベースにした学習と並行しながら、現役のエンジニア講師の方に実業務での相談にも載っていただけるという点も決め手になりました。
「実践的な課題」に多く取り組み、実務で使えるJavaScriptの技術を身につける
-ありがとうございます。確かに、社員のスキル・経験にばらつきがあり、まとまった研修時間を確保できないとなると研修の選択肢は限られてきますね。現役のエンジニアに、自分が抱えている業務課題について相談ができるということも技術の習得を大きく前進させられる要素だと思います。
具体的に、研修はどのように進めていますか?
基本的には、いつまでに学習を修了するという期間だけ決めており、基本的には社員の業務の繁忙に合わせて柔軟に研修時間を決めて学習してもらっています。
基本は、自習形式でカリキュラムを進めています。学習内容や質問があった場合に、オンラインで講師と会話し、疑問を解決していきながら進めています。 教室までの移動時間がないため、業務の前後や合間の時間を活用して学習を進めています。
各社員がどこまでカリキュラムを進めているのかは、オンラインのシステム上から一覧で確認することができるので、定期的なミーティングで学習の進捗をチーム全体に共有したり、業務量の割に学習が滞っている社員には個別に声をかけて学習を促すようにしています。
チームの9割が主体的に参加。学習進捗とスキルをシステムで可視化
-学習を進めるにあたって、社員の方が主体的に参加することや、手を動かして実践的に課題を解いていくことを重視されていますよね。
そうですね。現在チームの約9割が研修を受講しはじめていますが、研修を実施するにあたって事前にチームのメンバーに声かけをし、「受講したい」という意志表明をしたメンバーが研修を受けています。
事前にメンバーから聞いていたJavaScriptスキルの課題として「Webについて今までほぼ実地で習得してきたので、実は基礎がわからない(理解が浅い)」や「イレギュラーな対応ができないため、自分から率先して提案しづらい」等の声がありました。
チームとしてパフォーマンスを上げていくためには社員全体のスキルレベルを向上させる必要があるという共通認識を持っており、「もっと勉強したい」という声もあがっていたので、じゃあやってみようと。
実践課題については、受講を開始してからコードキャンプさんへ課題の数を増やしてもらうようにリクエストを出させていただいたと思うのですが、やっぱり見て理解する、覚える、実践するというプロセスを多く繰り返すことが習得への近道だと考えています。
取り組みの進捗や、提出した課題へのフィードバックも個別にシステムで管理されているので、一人一人のスキルがより可視化されるのでありがたいですね。
社員に任せるだけではなく、適切な学習機会を提供することが必要
-改めて、研修の成果として期待していることをお聞かせください。
Web制作チームの仕事を通じて、ユーザー体験を向上させ、部門としてのプレゼンスを上げるためにメンバーのスキルアップは必須です。しかし、社員の自主性に任せて本を与え、勉強しようと声かけをするだけでは結果的に何もせずに終わってしまうと考えていました。
Web業界全体の傾向として、どこの会社もデザイナーやエンジニアのスキル向上を支援していますが、自発的に学習しスキル向上ができる人は限られています。社員の技術力を向上させるために会社が学習機会を提供することも、ケースによっては必要なのではないでしょうか。
マネジメント側ができることとしては現場の課題を把握して、適切な学習機会を提供すること。メンバーへの教育投資についての社内説明や調整はマネージャーの仕事なので、しっかりとスキルアップして出番がきた時に価値を発揮できるようになってもらいたいですね。
チームとして仕事の幅やできることをどんどん広げていって、研修で身につけた技術を仕事でアウトプットし、成功体験を得ることで、学習意欲が更に向上するといういい循環ができればいいなと考えています。Webは日進月歩で進んでいる業界・職種なので、いま以上に自分から能動的に情報をとって、学習成長していくきっかけになれば嬉しいですね。
領域を横断し、仕事の成果を最大化するデザイナー・エンジニアを育てる
-素晴らしいですね。流れが早い業界で能動的に学習を続けることはとても重要で、私たちのカリキュラムも研修期間だけ学習をするのではなく、研修後も一人一人が自立的に学習を続けられるようになることを志向して設計しています。
いまのWebのデザイナー・エンジニアは、領域を横断して自分たちの仕事の成果を最大化するためのマインドを持つことが重要です。スキルを身につけた上で、その視点に立って前向きなコミュニケーションが増えればいいですね。
自分たちの仕事を通じて、どう役に立てるか突き詰めていくという小さな積み重ねが大切なので、ワクワクしてもらえるようなWebサイトにしようという思いを持って取り組んでもらいたい。僕たちは自社のゲームをサポートする立ち位置なので、それを実現しないことには自分たちの価値は上がっていきませんから。
-本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。引き続きチーム全体の技術力向上、パフォーマンスの最大化のためにお手伝いをさせていただければ嬉しく思います。
- この記事を書いた人
- CodeCampus編集部