普段は、パリでフリーランスのWebデザイナーとして活動しながらCodeCampでWebデザインの講師として活躍しているマツダ先生が帰国されたタイミングでお話を伺いました。
これまでのキャリアで「デザイン」と「教育」の専門性を高め、講師として受講生に寄り添う姿勢から、多くの受講生に信頼されています。
2019年4月にリニューアルされた、CodeCampのデザインカリキュラムの作成者でもあるマツダ先生が大切にしていることを語っていただきました。
【受講生からの声】
・本日もありがとうございました。一緒に進めてくれるのですごく安心できます。
ちょっとした自信がないことも聞けるのでいつも助かっています。
・先生の授業でのお話は、僕にはない経験や体験にもとずいた目線でのお話で
とてもありがたいです。生きた教科書を読んでいるように感じました!
※CodeCampでは毎日、受講生のみなさんから
レッスンの満足度や感想をフィードバックしていただいています。
パリを拠点に、フリーランスとして活動
——まずは、これまでのご経歴を簡単に教えてください。
大学で情報デザインを勉強したあとにWebの制作会社に入社しました。そこで2年程働いたあとに教育の会社に転職してプログラミングやデザインの教育事業立ち上げに参加し、去年フリーランスとして独立しました。今はフランスのパリに拠点をおきながらデザイナーとして活動しています。
大学に通っていたころからポスターやロゴなどのグラフィックデザインをしたり、Webサイトをつくったりしていました。1社目の会社はエンジニアが多い会社でデザイナーの人数が少なかったのでデザインに関することはWebから紙までなんでもやらせてもらっていましたね。
エンジニア1〜2名とデザイナーの私で、2〜3ヶ月に1つ新しいWebサイトの開発やデザインを行い、どんどん案件を回していくような形でたくさん経験を積ませてもらいました。
「デザイン」×「教育」を仕事に
次の教育企業への転職は社会人3年目に入った頃に、いろんな縁が重なり、知人から声をかけてもらって転職をきめました。通っていた大学は教育系の学校でもあったので、尊敬している先輩や同級生たちが教育業界で多く活躍していて、興味を持っていたんです。
その会社では、新しく子ども向けにプログラミングやデザインの教室を立ち上げる準備をしていて、既存の教育を変えていく、若いメンバーで自由に挑戦ができる雰囲気があったのでワクワクしました。
自分のキャリアとしても「デザイン」だけではなく「教育」という専門性を掛け合わせることで強みを増やすことができるかなと。
その会社に転職してからは、マーケティングツールとして用いるチラシやバナーのデザインをしたり、カリキュラムや教材を開発したり、子どもたちにデザインやプログラミングを教えたりして事業の立ち上げに挑戦していました。
その後、順調に立ち上がって教室数も増え、規模が大きくなってきたタイミングで独立することに決めました。
実は、教室を立ち上げている間にパートナーが日本からフランスのパリに住む場所を移していたんです。そこで、自分もパリに拠点を移してフリーランスとして活動することにしました。
CodeCampのWebデザイン講師に
——フリーランスとして独立されてからは、どのように活動されていますか?
今はパリに住みながら主にグラフィックデザインやWebデザイン・コーディングの仕事をしています。前の職場からのつながりや、フリーランス向けのプラットフォーム、クラウドソーシングなどで仕事を請けることが多いですね。
海外でフリーランスとして働いてみて、一人で仕事をするのであればどちらかといえばフロントエンドのエンジニアよりもデザイナーのほうが仕事が進めやすいと感じています。
今は、デザイナーに求められる仕事の領域も広がっているので、自分の今後のキャリアとしてもデザインを通じてできることを広げていきたいと思っています。
CodeCampでの講師業は、知人が副業でプログラミング講師をしていたことがきっかけで知っていて、自分でもやってみようと思ってスタートしました。フリーランスになって改めて自分がどんな価値を提供できるか考えたときに、デザインと教育という2つの領域があるのでそれを活かそうと。
前の会社でも研修としてCodeCampを導入していて、いい雰囲気のサービスだとポジティブな印象をもっていたので、ぜひ働いてみたいと思い講師採用にエントリーしました。
学ぶ楽しさを体感してほしい
——講師として働く上で大切にされていることを教えてください。
これまで講師としては子ども向けのプログラミング教室での指導が中心でした。CodeCampで学んでいる人は大学生や社会人の方が多いですが、教える人の年齢が違っても大切にしていることは変わっていません。
学ぶ内容を「面白いと思えるか」や、学んでいて「楽しいと思えるか」が大切だと考えています。
プログラミングやデザインを楽しんだ経験や成功体験を、試行錯誤しながら積み重ねることで学んだことを自発的に社会で活かせるようになります。
コードの書き方やツールの使い方は技術が進むごとに変化していきます。「つくる楽しさ」を経験することで、枝葉のスキルを学ぶだけではなく「学び方を学ぶ」「学ぶ姿勢を育てる」ことを意識しています。
CodeCampで学んだ経験を通じて、新しいことを習得するコツをつかんだり、つくることや学び続けることの楽しさを実感してもらえたら嬉しいです。
マンツーマンで想いを形に
あとは、受講生との関係性は「先生と生徒」や「お客さま扱い」ではなく、「対等な立場」であるというスタンスを持つようにしています。
たまたま私の方が早くデザインやプログラミングと出会う機会があっただけですし、フラットでお互いに発言しやすい雰囲気をつくることでより純粋に学びの内容にフォーカスできると考えています。
デザインやプログラミングは自分のアイデアを形にするための手段なので、「教えてあげる→教えてもらう」という関係ではなく、一緒にひとつの作品をつくる、そのために伴走するように関わりたいと思っています。
CodeCampでの学びの主人公は講師ではなく、受講生のみなさんなので、自分がつくりたいものを実現するために一緒に前進していけると嬉しいです。
マンツーマンで濃い時間が過ごせるからこそ、受講生のみなさんが主役になって学ぶことができる環境だと思っています。
実際のデザインやWeb制作の現場でも絶対の正解はなく、顧客の希望を形にしていくことが求められるので、正解を教わるのではなく自分で考えてつくる習慣を身につけることが大切です。
いろいろな人の人生に触れる
——CodeCampで働いていて、どんなことにやりがいを感じますか?
講師として働くやりがいはすごくシンプルで、受講生の方に「できた!」と言ってもらえた瞬間が嬉しいです。いつも「いぇーい!」とか一緒にもりあがってしまいます。笑 なによりもその瞬間が一番ですね。
あとは、みなさんと一緒に時間を過ごす中で自分も学ぶことが多いです。受講生の方は日本全国にいて年齢も幅広いので、色んな方の人生を聞いて一緒に働き方やキャリアについて考えたりして、自分ももっと頑張ろうと刺激を受けることもあります。
最後はちょっと特殊なんですが、フランスで暮らしているとほとんど日本語を話す機会がないので、CodeCampの講師として日本語で受講生のみなさんとやりとりできると心が落ち着くということもあったりします。笑
海外にいながら日本語でCodeCampを受講している方もいらっしゃるので、お互いの状況について情報交換したりすることもありますね。
——Webデザインを教えていて、成長が早いと感じる受講生の特徴を教えてください。
とにかく、まず手を動かして試してみる人は成長が早いです。Webデザインやグラフィックの制作は頭で理解するだけではなく、体感して得られる気づきやスキルもかなり多いので。
好奇心を持って「ここをいじったらどうなるだろう?この操作をしたらどんな表現ができるのかな?」と、たくさん試してみることで経験値が早く溜まっていくと思います。
また、日頃からたくさんの良いデザインを見るようにして、気に入ったデザインをみつけたら自分でつくってみることも成長を加速させるとてもいい練習だと思います。自分の好きなデザインつくることで楽しみながら学べますし、つくりたいデザインのイメージが明確なので講師もより実践的なアドバイスをすることができます。
最初のうちはバナーなど小さなデザインでもいいので、やりたいことをどんどん講師に相談して、実践してみてもらえると嬉しいです。講師としても、たくさん挑戦する方と関わるのは楽しくエキサイティングです。
あと、目標とする完成イメージから逆算してどんなステップで制作していけばよいか思考できる人は、もうそのまま「仕事としてWebデザインができそう!」と思うこともあります。
基礎的な知識をインプットすることも必要なのですが、教科書通り学習するだけでなく「どんなものをつくりたいか」というイメージを持って、積極的に自分の獲得したい知識をレッスンで質問してくれる人の方が早く仕事に繋げられると思います。
「機能」と「美しさ」を両立させる
——「Webデザイナー」になるためには、どんなことができる必要があると思いますか?
相手(顧客)の話を聞いて、適切なデザインを提案できるならば「自分はWebデザイナー」だと言えると思います。相手の目的を達成したり、相手の顧客により良く価値が提供できるデザインをつくることがデザイナーの仕事です。
でも、実際の現場では依頼者が明確なイメージを持てていないことがあります。そこで、Webサイトのターゲットについて話を聞いてみたり、達成したいゴールや伝えたいメッセージをヒアリングしながらデザインを固めることが必要です。
「かっこいいデザインにして欲しい」と頼まれたとしても、その人が考える「かっこいい」とはどんな雰囲気なのか、そのかっこよさをどんな風に伝えればよいのか、それによって何を達成したいのか、相手の想いを汲み取りながら形にしていきます。
綺麗なグラフィックを描くことだけがデザインではなく、機能と美しさの両立が重要です。「いいデザイン」の追求には終わりがありません。そういったことも、レッスンで伝えていきたいですね。
学びを活かして「デザイン」を楽しむ
——最後に、これからWebデザインを勉強する方やWebデザイナーを目指している方にメッセージをお願いします。
Webデザインの学習を通じて、つくることの楽しさに触れたり、想いを形にする技術を身につけて欲しいと思っています。
Webデザインをつくるための学習で得られることは、ただサイトをつくる技術を身につけられるだけではないく、もっと広い意味でモノづくりやデザインについて触れる機会になるはずです。
自分にとって楽しいことや幸せだなと思うことを実現するために、学んだことを存分に活かしてもらえると嬉しいです。