- 更新日: 2017年03月31日
- 公開日: 2015年06月23日
比べてみました Illustrator VS Photoshop
何かの画像を制作しようと思った時に、Photoshop と Illustrator どっちを使って作業する方がベター?と悩んだことがある方も多いと思います。多くの場合、写真をベースに文字やイラストを重ねて、目的とする画像を作っていくと思います。つまり写真とイラストの両方を使うので Photoshop にも当てはまるし、Illustrator にも当てはまることが困惑の原因として考えられます。2つを合わせたソフトがあれば一番いいのでしょうが現状は存在しません。
素直に Photoshop と Illustrator の違いを理解し、目的にあった使い方ができるようにご紹介していきたいと思います。
Illustrator とは
Illustrator ベクタ画像方式でイラストやロゴをデザインするソフトになります。1987年に Illustrator はデビューし、 Illustrator CC というバージョンが最新になります。
Photoshop とは
Photoshopラスタ画像方式(ビットマップ画像)で画像や写真をデザイン・加工するソフトになります。1990年に Photoshop はデビューし、現在 Photoshop CC、Photoshop Lightroom、Photoshop Elements、Photoshop Express(アプリ)の4種類が展開されています。
ベクター画像?ラスタ画像?
Illustrator と Photoshop の2つの最大の違いとも言える画像方式について触れておきます。 2D グラフィックス表現は大きく分けて2つに分類することができます。「ベクタ画像(Vector Graphics)」と「ラスタ画像(Raster Graphics)」になります。まず一般的に馴染みの深いラスタ画像についてご説明します。 ラスタ画像(ビットマップ画像)は、1 ピクセル毎に色と濃度の情報を記録する画像形式で、点の集合体で画像を表現する方式になります。そのため画像を拡大してみると、曲線部分の境界が滑らかでなく、ガタガタしていることに気付くと思います。
Photoshop で e を2000倍に拡大
それに対してベクタ画像は、画像を数値で記録している画像形式になります。例えば丸を表現する場合は
<circle x=“150” y=“150” r=“150”/>
の様なコードで表現します。数値で画像を描くようになりますので、曲線部分の境界も滑らかで拡大してもガタガタしていないことに気付くと思います。
Illustrator で e を 2000倍に拡大
また一般的に画像のサイズが大きくなるとファイル容量は大きくなる、というイメージがありますが、これはラスタ画像に当てはまることで、ベクタ画像の場合は画像を大きくしてもファイルサイズがそれほど大きくならないという特徴もあります。
Illustrator と Photoshop の比較
Illustrator | Photoshop | |
---|---|---|
形式 | ベクタ画像 | ラスタ画像(ビットマップ) |
最大サイズ | 16,383 × 16,383 ピクセル | 300,000 × 300,000 ピクセル |
リッチブラック* | ○ | × |
読み込み速度 | 早い | 普通 |
画像内の切り抜き | ひと手間 | 簡単 |
プラグイン数 | 120 程度 | 500 程度 |
推奨メモリーサイズ | 3 GB 以上 | 2 GB 以上 |
3D 表現 | ○ | ○ |
動画編集 | × | ○ |
CSS 書き出し | ○ | ○ |
画面分割 | 18 パターン | 10 パターン |
利用料金 | 月 2,180 円(一般) | 月 980 円(一般) |
仕事数* | 5051 件 | 5,824 件 |
ワークスペースと環境設定画面の違い
ワークスペースについては Illustrator も Photoshop もそれほど大きな違いはないように感じます。しかし、機能の種類や使い方は 2つのソフトで大きく違ってきます。 環境設定では、設定項目が Illustrator と Photoshop では違うことに気付くと思います。
Illustrator にむいている作業
- ロゴデザイン
- キャラクターデザイン
- ワイヤーフレーム
- ポスター制作
- デジタルアート
ロゴやキャラクターデザインに Illustrator がむいていることはお決まりといえるでしょう。ワイヤーフレームについては、コンテンツのサイズ変更や再利用、操作が早く行える点で Illustrator 側に入れています。
Photoshop にむいている作業
- ウェブデザイン
- 写真加工
- デジタルアート
ウェブデザインについては、Illustrator でも作業できますが、柔軟なサイズ調整が必要な web には Photoshop の方がむいていると考えられます。
尚、デジタルアートについては、Illustrator の要素も Photoshop の要素も必要になるケースが多々あります。
\一流デザイナーのスキルが身に付く/
まとめ
いかがでしたでしょうか?画像初心者にとっては少し複雑だったかもしれませんが、Illustrator と Photoshop の違いについて少しでもお役立ち出来ていれば幸いです。個人的には百閒は一見にしかずということで、まず Illustrator も Photoshop も試してみることをお勧めします。Adobe では 1か月の無料体験を実施していますので、今からでもすぐに両方のソフトを体験することができます。
【表内の補足】
- リッチブラック/ シアンやマゼンタ、イエローのカラー要素が加わった黒色のことで、普通のブラックに比べると深みのあるブラックになります。
- 仕事数/ 表内で紹介している仕事数とは、フリーランス・ワークサイト大手の Upwork、Elance、ランサーズ、クラウドワークス内で Illustrator もしくは Photoshop で抽出した仕事件数になります(2015.6.15 時点)。
- この記事を書いた人
- オシママサラ