一昨年前から日本政府も本腰を入れて取り組み始めたIoTですが、どうも世界はその一歩先を行っているようです。
IoE (Internet of Everything)、それは IoT に『人』『データ』『プロセス』の要素を加えて、社会ソリューション・テクノロジーとして注目されています。
IT 関係者、エンジニア必見のIoE についてまとめてみます。
IoT の一歩先をいくIoE とは IoE とは
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IoE (Internet of Everything)という言葉は、2012 年 cisco 社(米)によって提唱された言葉になります。
IoT を進化させた発想が IoE で、世の中のモノすべてをインターネットに接続し、より良い社会環境を構築することを目指しています。
残念ながら日本では、まだ IoE プロジェクトの採用事例はなく、IoT に比べるとあまり身近に感じることはできませんが、IoE の市場規模は IoT よりも大きく、2020年までに約 1,400兆円(世界全体GDPの約2割)の市場があると推測されています。(cisco社談)
IoE のコンセプトは、「人」「もの」「データ」「プロセス」の4本柱から成り立っています。
photo:cisco
例えば、人については、自分の消化器官の情報を医者に送信し、医者が勧める薬を飲むことができるようになったり、皮膚もしくは衣類に取り付けたセンサーで自分の活動状況をネットワークに発信できるようになります。
モノについては、以下の IoT を参照ください。
データは、IoE の重要要素であり、様々な端末から送られてくるデータを元に、ライブ感覚で分析し、最良の選択肢をデバイスに提供するための原資となっています。
プロセスは、タクシーで移動するのか、飛行機で移動するのか、レストランかコンビニか、などの工程要素になります。
IoE の採用事例
現在世界で約40の IoE 採用事例 があります。
リゾートホテル MGM の IoE 事例
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ラスベガスなどに大型リゾートホテルを展開するMGM リゾートは、 cisco が提供する IoE 型 wi-fi ソリューションで顧客満足度を向上させています。
アプリにも「ジオフェンシング」という位置情報機能がありますが、このケースでは位置情報に加えて、ユーザーの SNS 情報やアクセス記録など一人一人の包括的なデータを元に、最適な情報がアウトプットされるようにシステム設計されています。
その結果、顧客ニーズにあった情報を配信でき、ホテルの満足度と周辺サービスの利用向上につながています。
オーストラリアの高速道路管理会社の IoE 事例
オーストラリアの高速道路管理会社 ASFINAG が IoE 技術を採用した事例になります。
70,000以上のセンサーと 6,500以上のカメラを設置し、そして道路とドライバーを接続。その結果、より安全に効率的に運行してもらえるようになった事例です。
交通事故の情報だけでなく、気象変化による交通への影響、渋滞を未然に防ぐ交通量予測など、日本の高速にもあればいいな、と思うような機能ばかりが搭載されています。
参考資料:cisco レポート
IoT について
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IoT のスタートは諸説色々ありますが、1999年イギリス人起業家ケビンさんが IoT という言葉を提唱したことが有力になります。
IoT の概略は、あらゆるものにセンサーを取り付け、センサーが感知する情報を、インターネットを介してクラウド上に集約、そしてネットワークにつながっている端末でその情報を共有するというシステムになります。
実際に使われているシステムの例としては、
医療 /ウェアラブル端末を活用し、着用者がこけたり、起きたり何か異常が発生すればネットワークを通じて管理者に知らせる。在宅医療のサポートに期待できる。
交通 /交通事故が発生した場合、道路のセンサーもしくは事故車両からクラウドに事故を起こしたことを情報発信し、近隣の自動車に事故情報を配信、それに基づいてナビがリルートし、交通渋滞の緩和やスムーズな移動を期待できる。
物流 /ダイムラー社の自動運転トラック、Google 社の自動運転カーなど。
環境 /海や、ダム、湖、川などにセンサーを設置し、水中の汚染状況や水位をリアルタイムに監視し、社会インフラをコントロールすることができる。
アメリカの調査会社によれば、2020年までに 260億から 300 億個の端末が IoT に接続されると推計しています。また日本の総務省によると、今後 5年で倍近い市場規模(約170兆円)になると推測されています。(総務省資料 )
そんなすごそうな技術の IoT は、実は結構身近にもあって、Windows IoT センター を活用すると自分でも IoT を制作・体感することができます。
そして海外では、駐車管理センサーや町の監視センサーなど IoT 製品も販売されています。(IoT ショッピングサイ ト)
実際の IoT 開発にあたっては、端末やセンサー、ネットワークに関する知識だけでなく、プログラミングのスキル も必要になってきます。
iOt Wiki によると、IoT でよく使われているプログラミング言語は、1位 C、2位 C++、3位 Python、4位 Java、5位 JavaScript となっています。
IoE と IoT の違いは?
IoT は、センサーからの情報を元に最適なソリューション情報が提供されるのに対して、IoE はモノからの情報に加えて「人」「データ」「プロセス」といった利用者毎の関連情報も絡めたソリューション情報が提供される特徴があります。
分野によっては似たような機能のモノもありますが、IoE は IoT に比べると連続性のあるソリューション技術になります。
例えば、冷蔵庫に『牛乳在庫チェックセンサー』があったとすると、IoT の場合はユーザーがスーパー or コンビニに行った際に「在庫がない通知」が送信される程度でしょう。しかし、IoE の場合は「在庫がない通知」に加えて、牛乳生産者へ末端の消費状況を知らせる情報が送信されます。それと同時に牛のエサの調達、気象、物流、スーパーの在庫状況、市場の需要規模などのデータを網羅し、各セクションに何が必要か、という情報をアウトプットするシステムとなっています。
つまり IoT に比べると IoE は、最高のインフラ環境に期待できるエコシステムになります。
いかがでしたでしょうか?こうしてみると IoE の世界、ちょっと良さそうですよね。
残念ながら日本での採用事例はまだありませんが、IoE によって解決される問題もたくさんあることは事実でしょう。
IoE のことを記述していると、cisco 社の営業みたいになってきましたので、これにて締めくくらせて頂きます。
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