人工知能とは?気になるトピックをわかりやすく解説します!


人工知能とは?気になるトピックをわかりやすく解説します!

人工知能(英語表記ではAI:Artificial Intelligence)とは、コンピューター上で人工的に実現した知能、または知的なふるまいをするシステムのことです。

人工知能が発展すると、世の中は便利になると予想されています。

その反面、仕事を失うかもしれない、または人工知能が人間に危険を及ぼす怖い存在になるかもしれないと、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、人工知能の現状や、今後の展望についてわかりやすく解説します。

人工知能の作り方についても触れていますので、ぜひご覧になってください。

目次
  1. 現在の人工知能
  2. 特化型人工知能の実用例
  3. 人工知能の利用には、人間の介入が不可欠
  4. ディープラーニングの概要
  5. ディープラーニングの実装
  6. 今後の人工知能
  7. まとめ

現在の人工知能

人工知能というと、映画『ターミネーター』シリーズのように感情や人格を持った存在を想像する方も多いのではないでしょうか。

しかし現在実用化されているのは、限定された分野のみで人間の知能を代替する特化型人工知能と呼ばれる種類の人工知能です。

特化型人工知能の実用例

特化型人工知能は身近なところで利用されており、すでに人間の能力を超えた働きをしています。

生体認証:顔認証、虹彩認証、静脈認証など、画像によって認識、判断し瞬時に個人を特定する

コミュニケーションAI:Appleの『Siri』やMicrosoftの『りんな』など、人間と双方向の会話をすることで学習し、会話ができる

将棋や囲碁のプログラム:『AlphaGo』や『Puella α』は、電王戦で人間に何度も勝っている

Google検索:検索キーワードから最適な結果を導き出すために、『RankBrain』をはじめとする複数のAIが利用されている

将来的に人工知能の技術が進めば、人間の働きを代替するだけではなく、さらに省力化や自動化が進んでいくでしょう。

人工知能の利用には、人間の介入が不可欠

現在実用化されている人工知能には、自律的に判断をできる知性がありません。そのため開発や運用には、人間の介入が不可欠です。

Microsoftは5年ほど前、SNSの会話から学習して、会話能力を成長させるコミュニケーションAI『りんな』と『Tay』を相次いでリリースしました。

りんな』は、日本Microsoftからリリースされて5周年を迎えました。現在は新たな機能を搭載してさらに学習を重ね、会話だけでなくファッションコーディネート、ラジオ出演など、活躍の領域を広げています。

その一方、米国Microsoftからリリースされた『Tay』は、人種差別発言を繰り返すなど様々なトラブルを起こし、リリースからわずか16時間後に停止されてしまったのです。

後ほどTayのトラブルの原因は、複数の悪質なユーザーがTayとの会話で不適切な学習をさせたためと発表されました。

りんなとTayには、センシティブな情報を取り込まないようフィルタリング機能が実装されていました。しかしTayのトラブル時には、想定した仕様を大幅に超えた悪質ユーザーとのやりとりがあったと推測されています。

Tay自身には知性がないため、自分にとって不適切なデータを取り込むかどうか判断できません。最初から不適切なデータを取り込まないよう、人間が想定し実装しておく必要があったのです。

人工知能を運用するには人間の介入が不可欠で、利用する人間の倫理観が大きく問われます。

ディープラーニングの概要

ディープラーニングは、人工知能のうち機械学習という分野に属する技術で、人間がおこなっている"学習"をコンピューターで実現するものです。

人工知能研究の歴史をさかのぼると、始まりは1950年代になります。そして2010年代にディープラーニングが登場すると、人工知能研究は"ブレークスルー"ともいえるほど大幅に発展を遂げました。

ディープラーニングは、人間の神経細胞のしくみを取り入れた人工知能です。

まずコンピューター上に、人間の神経細胞のつくりを模したニューラルネットを多層に重ねたしくみ(モデル)を作ります。そして、モデルに非常に大量のデータ(ビッグデータ)を読み込ませ学習させます。

すると、モデルは特徴量と呼ばれる変数を自動的に見つけ出し、それらをもとに他のデータについて判断できるようになるのです。これが、ディープラーニングになります。

例えば、モデルに猫の画像データを大量に学習させるだけで、"どんな特徴があれば猫と判断できるのか"を人間が考えたり設定したりすることなく、猫かどうかを判断できる人工知能ができあがるというわけです。

先に説明した生体認証やコミュニケーションAI、囲碁や将棋のプログラム、Google検索にもディープラーニングの技術が使われています。

ディープラーニングの実装

現在、ディープラーニングのモデルづくりに使われている主要プログラミング言語はPythonです。

Pythonには、人工知能のモデルを作るためのライブラリ(再利用できるプログラムを集めたもの)がいくつもあります。

ライブラリを呼び出して組み合わせ、計算に必要なアルゴリズム(処理手順)やパラメーター(人間が手で調整すべき値)などを設定すればモデルの完成です。

Pythonのプログラミング自体の知識は初心者レベルで大丈夫ですが、そのほかに以下のような基礎知識が必要です。

  • 数学の知識:微分、線形代数(特に行列)、確率・統計
  • ディープラーニングのモデルに関する知識
  • モデルを記述するフレームワークについての知識(Keras、PyTorch、Chainerなど)
  • Pythonのライブラリの使い方に関する知識(Numpy、Matplotlibなど)

0〜9までの手書き数字を分類できるモデル(MNIST)など初歩的なものであれば、パソコンにGPU(並列処理ができる演算処理装置)が搭載されていなくても実行できます。

MNISTのソースコードは、ネットで検索するとたくさん出てきます。モデルづくりに興味があればまずは書き写して動かしつつ、知識を身につけるのが理解への近道です。

今後の人工知能

人工知能が世の中に広まり、浸透しつつあるなかで、「人工知能に職を奪われる未来が来るのでは」という懸念を持つ方も少なくないようです。

しかし、今までも自動車や携帯電話、パソコンやインターネットなど新しい技術が出現しましたが、そのとき大量に失業が起きることはありませんでした。

インターネットの登場により各家庭にパソコンが普及し、携帯電話の場合は携帯キャリアやスマホのメーカーなど、新しい産業と雇用が生まれています。

日本の場合は人工知能に仕事を奪われる危機を考えるより、人工知能の技術を応用しきれず、アメリカや中国など諸外国に対して国際的な競争力を失うことを先に心配したほうがよさそうです。

ビジネス分野では、すでにGoogleなどの海外企業が人工知能の開発に多額の投資をしており、日本よりもかなり先を行っています。

日本政府は今後、日本で人手不足の医療や介護、農業などの分野を中心に人工知能の技術を普及させていく方針を『AI戦略2019』で策定しました。

また『AI戦略2019』には、これから年に25万人のAI人材を育成し、今後不足するAI人材を確保していく方針も記されています。

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まとめ

現在の人工知能と、それをとりまく環境について解説しました。

今まで持っていた人工知能のイメージと、実際の人工知能の現状には違いがあったのではないでしょうか。

機会があれば、ぜひ身の回りの人工知能に触れてみてください。どのように人工知能を利用していくかは、今後私たちが抱える課題になります。

AI人材の雇用や、社内でのAI人材の育成も、今後ニーズが広がると予想されます。必要に迫られる前に、興味があればぜひ今から勉強をはじめるのがおすすめです。

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鳥飼千愛
この記事を書いた人
鳥飼千愛
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