ウォンテッドリーCTO川崎氏が語る「Wantedly People」と採用への思い 前編


ウォンテッドリーCTO川崎氏が語る「Wantedly People」と採用への思い  前編

ウォンテッドリーCTO川崎氏が語る「Wantedly People」と採用への思い前編

今回から”非エンジニアが聞く「エンジニア採用」のリアル”と題して、人事責任者やCTOなどのエンジニア採用に携わる担当者からの本音をインタビュー形式で聞き出していく新企画をスタートします。今、コード部を運営するコードキャンプへのお問い合わせで多いのは、非エンジニアの方からの「エンジニアとして採用されるためには何が必要なのか」という、採用に関する質問です。

このインタビューでは同じ立場の非エンジニアがそうした悩みの代弁者となり、採用担当者に切り込んでいきます。第1回目は、WantedlyのCTOである川崎禎紀さんです。ご自身のキャリアから今のWantedlyの採用スタンス、学生時代の話、そして11月11日に発表されたばかりの新プロダクトまでかなり盛りだくさんの内容となっています。


川崎禎紀さんプロフィール:

ウォンテッドリー株式会社取締役CTO

1981年生まれ。東京大学理学部情報科学科を卒業後、同大学院にて情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻の修士課程を修了。

2006年に外資系金融機関に入社し、テクノロジー部門VPを経て、2012年4月よりWantedlyの開発・運営にCTOとして参画。

中学生のころから、ゲームを作るために独学でBASICとC言語でプログラミングを覚える。

大学在学中は、ユーザーインタフェースの研究を行う。Wantedlyを活用し、創業メンバーと出会い参画を決意。人の価値観や人生が変わるようなサービスを提供できるように、日々開発に没頭している。好きなゲームはStarCraftII。好きなアーティストは電気グルーヴ。

(Wantedlyプロフィールから抜粋)


前回記事:今や多くの方が利用しているフリマサービス「メルカリ」CTO柄沢氏にお話を伺いました! メルカリCTOが語る「成長速度を加速させる方法」とはー執行役員CTO柄沢聡太郎氏

目次
  1. 「Wantedly People」でもっと「つながる」世界
  2. これからは個人でもブランディングする時代

「Wantedly People」でもっと「つながる」世界

DSC07053E1

インタビューをお受けいただきありがとうございます。よろしくお願いします

よろしくお願いします。

今回の企画は、人事やCTO等のエンジニア採用に携わっている方から「どういう人材を求めているのか」という点をクリアにすることを目的としています。背景をご説明すると、当社は現役エンジニアからプログラミングのオンラインレッスンを受けられるCodeCampというサービスを運営しているのですが、そこに転職に関する相談が多く寄せられているんですね。
メールやLINE(CodeCampでは、10月25日から日本初のLINEサポートを開始)で「どんなスキルや素養があれば採用につながりやすのか」という質問が多いんです。
そこで、直接担当者に伺ってみよう、ということでこの企画がスタートしました。
早速ですが、改めて御社の事業内容を教えてください。

今は「Wantedly」というビジネスSNS、ウォンテッドリーではシゴト交流サイトと言っているのですが、サイトの運営を通じて、情熱を持ってより良い仕事をするためのサポートをしています。

もともと、会社と人とのマッチングというところから5年前に「Wantedly」をリリースしました。ただ、5年の間にかなり使われ方の幅が広がってきていて、今は「みせる」「であう」「つながる」という3つのキーワードで説明しています。

「みせる」は、セルフブランディングだったり、自分から情報発信していく使い方です。プロフィールに、今までどういうことに取り組んだのか、会社や学校だったり外部のプロジェクトの情報を積み上げていく。そこから出会いが生まれたり、これから会う人のプロフィールを検索したり、公式プロフィールサイトとして使われています。

「であう」は、会社と人とのマッチングです。いわゆる人材事業で、ウォンテッドリーが一番知られている領域だと思います。

最後に「つながる」ですが、出会って繋がった後、コラボレーションしていくために「Wantedly Chat」というチャットを作っています。社内でのコミュニケーションも効率化されますが、特に会社の枠を超えてプロジェクトを進めていく時にサポートするためのサービスです。

今は一つの会社だけで、完結することは少なくなってますよね。

今回のインタビューもそうですが、勉強会をやろうとか、何かするという時には複数の会社と協力しあう事がほとんどです。そういった繋がりを支援するという意味もあり、ビジネス系のチャットを提供しています。

社内で閉じるチャットではなく、社会的資本といわれる自分の持っているネットワークと出会ってきた人を全て記録しておいて、その中でグループを作りチャットをしてプロジェクトを進めていくためのサービスです。

Wantedlyが人と人を繋げる”線”だとしたら、「Wantedly Chat」によってその”線”が太く強くなっていくというイメージでしょうか。

そうですね、出会ってから、活用してもらうものという位置付けになります。

ぜひ見せたいプロダクトがあるのですがいいですか。

はい、ぜひ!

今、リブランディングを進めていて、11月11日に「Wantedly People」をリリースします。

今言ったように、幅広い使われ方をしていただくのはいいのですが、何が”Wantedly”なのかがわかりにくくもなっていて、Wantedlyをサービス全体を表すものと再定義しました。もともと「Sync」と呼ばれていたビシネスチャット機能は「Wantedly Chat」、会社と人とのマッチングは「Wantedly Visit」、自分や相手のプロフィールを見せるのが「Wantedly People」になります。

「Wantedly People」はすごく簡単にいうと名刺スキャンのアプリです

有名な名刺管理サービスがありますがその領域でしょうか。

イメージはそうです。ただ「Wantedly People」はかなり使いやすくしています。

既存のサービスって、枚数が多いと時間がかかって使いにくかったりしませんか。

確かに、イベントに参加して一度にたくさんの名刺をもらうと、一枚一枚撮影するのが面倒に感じる時があります。

結構めんどくさいですよね。「Wantedly People」は複数枚の撮影が一回で出来ます。一枚づつ取らなくても、名刺が何枚あるかを全部自動で認識します。理論上は、20枚まで一気に撮影できるんですが、開発版をお見せしますね。

DSC07086E1

【サービスぺージ】

Wantedly Chat https://www.wantedly.com/chat

Wantedly People https://p.wantedly.com/

いいですね ×2

カメラマンの方と「いいですね」が、ハモりましたね(笑)。

名刺を撮影すると、Wantedlyを検索します。そこで、マッチするものがあればワンタップで登録して、もしマッチする方がいなかったら名刺として登録します。

名刺を複数枚一気に撮影できるのはとても良いシステムだと感じました。かなり高度な画像分析をされているのではないですか。

結構、技術的には難しいことをやっています。画像の解析で、色々工夫しているんですが、どこが名刺の領域なのかをちゃんと見つけてきてくれる。

具体的にはどんな技術でしょうか。色のどのような差で判別をかけてますか。

そこは秘密。そこは秘密なんです(笑)。ただ、いわゆる機械学習のアルゴリズムを色々使っている。文字情報を抽出して、それが会社名なのか、名前なのか、と言った判別ですね。いろいろな技術の組み合わせで作っています。

DSC07076E1

アニメーションがすごく綺麗ですね。他の名刺管理アプリだと外枠は手動で合わせないといけないことが多いのですがそれもいらないんですね。

そうですね、他のアプリだと結構ちゃんと合わせないといけない。「Wantedly People」は、ここが名刺ですねっていう分析を、画像を読み込むタイミングのかなり早い段階でやってます。理論上20枚ですが、45枚ぐらいなら今のデモとほぼ同じスピードで認識してくれます。通常のミーティングでは多くても4~5枚だと思うので、ほぼストレスはないはずです。

Webサイト担当者としてのスキルが身に付く

無料カウンセリングはこちら

これからは個人でもブランディングする時代

DSC07328E1

リブランディングに戻ると、今はWantedlyでもフィードの活用が進んでて、使う目的が分かれてきているのかもしれないなという思いがあります。会いたいのか、繋がりを持ちたいのかというような違いです。

そう思います。

今は個人も会社もなく、全員が発信する時代です。会社であれば、自分たちがどういう会社なのか、どんどん発信して、日々何をしているのか、どんな人がいるのかという情報を出すようになってきています。

採用広報という言葉があるぐらいマーケティングをしっかりしていく必要があるし、個人でもそうした考え方は必要だと思います。自分のプロフィールを作って、自分はこの分野のエキスパートなんだと、セルフブランディングみたいなものをどんどんしていくことが大事なのではないでしょうか。

特に、エンジニアにはそういう個のブランディングが求められているように感じます。会社に入っていても、フリーランスとして働いたりブログに書いたり、自分をブランディングすることは大事ですね。

フリーランスではなくても、ひとつひとつのプロジェクトでなにをやったのかも大事です。プロフィールには、会社の中で自分は何に責任を持ってどういうリーダーシップを発揮して、どういう問題解決をしてきたのかということを自信を持って書いて欲しい。少し話は飛びますが、日本は、転職が良くないという文化が残っていますよね?

そうですね、あるかもしれません。

会社を変えたことを知られたくないという風潮がある。これは良くないと思っていて。

転職は、新しいことに挑戦することだし、悪びれる必要はないんです。ぜひWantedlyのプロフィールに書き溜めて欲しいです。

(インタビュアー・構成:藤本大輔)


【インタビュー目次】

ウォンテッドリーCTO川崎氏が語る「Wantedly People」と採用への思い

■前編

・これからは個人でもブランディングする時代

■中編 ウォンテッドリーCTO川崎氏が語る「Wantedly People」と採用への思い 中編

・面識無しから「つながる」ことで転職を決意

・自費で買ったMacBook Airで業務開始

■後編 ウォンテッドリーCTO川崎氏が語る「Wantedly People」と採用への思い 後編

・問題解決への熱意が良いサービスへ「つながる」


関連記事

CodeCampus編集部
この記事を書いた人
CodeCampus編集部
まずは7日間お試し!人気プログラミング講座を無料公開中
オンライン・プログラミングレッスンNo.1のCodeCamp