ソフトウェアエンジニアが活躍できる無限のフィールドとは?ー情報システム部門①

ソフトウェアエンジニアが活躍できる無限のフィールドとは?ー情報システム部門①

「ソフトウェアエンジニアのキャリア」についてお伝えしている当寄稿。

これまでに「組込みソフトウェア」「プロジェクトマネジャーの仕事」についてお届けしてきましたが、今回より新たに2回に渡って「情報システム部門」についてご紹介します。

目次
  1. 情報システム部門の仕事とは
  2. ①「やりたい事」を全て聞き出し、「やるべき事」を明確に決める
  3. ② どういったシステムで、どのような効果があって、どれぐらいの費用が必要かを計る
  4. ③ 社内でプロジェクトの承認を取る。
  5. アプリケーション構築・運用・保守の仕事
  6. 最後に

情報システム部門の仕事とは

みなさんは「情報システム部門」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 自社内のサポート、またはヘルプデスクのようないわゆる「パソコンのお助け係」、という印象が強いかもしれません。確かにそうした業務も情報システム部門の大切なお仕事の一つです。しかし、それはあくまでも運用のごく一部分であり、それ以外にも社内のアプリケーション・インフラの企画・設計・構築から運用まで広範囲な業務に携わっているのです。 主に行っている仕事としては…

  1. IT戦略・システム企画
  2. アプリケーション構築・運用・保守
  3. インフラ構築・運用・保守

などがありますが、これらの仕事の中でアプリケーションエンジニアに関わりの深い①と②について今回は詳しくお話しします。

IT戦略・システム企画の仕事

企業が経営を行ううえで「経営戦略」は不可欠です。経営戦略は、会社の中・長期的な方向性を示すことを指しますが、情報システム部門では、その経営戦略を支えるためにシステムの企画立案や要件定義を行います。

例えば、 「現状、売上1億円の会社だけど、3年後には売上5億円の会社にする!」 「今はまだ100名のユーザーにしかサービス提供できていないけど、5年後はユーザーを1万人に拡大するぞ!」 と言ったように、その戦略に沿ったシステムの“企画”を行います。

企画するシステムは大きく二つに分かれます。一つは、業務内容と直接関わる販売や在庫管理、経理・財務などを扱う、「基幹系システム」。 もう一つは、基幹系システムで蓄積している情報の分析や、業務の効率化等を目的とした「情報系システム」です。

経営戦略の実現にこれらのシステムが大きく貢献するのですが、忘れてはいけないことが一つあります。ビジネス部門のオーナー(以下、ビジネスオーナー)が業務を作り、その業務をサポートするのが“システム”だということです。したがって、ビジネスオーナーとしっかりと話をしながら、そこからさまざまな関係者と共にプロジェクトを進めていきます。

①「やりたい事」を全て聞き出し、「やるべき事」を明確に決める

  • 業務の目的やフローについてビジネスオーナーから入念にヒアリング
  • システムで解決すべき課題とその解決方法を協議

② どういったシステムで、どのような効果があって、どれぐらいの費用が必要かを計る

  • ビジネスオーナーはシステム導入による効果を算出
  • 情報システム部門は用意できるシステムと、そのコストを算出

    • 既存システムの改修やリプレイスなのか、新規導入をするのか
    • 開発を自社で行うか、外部に委託するのか
    • ハードを自分たちで持つのか、クラウドサービスを利用するか

③ 社内でプロジェクトの承認を取る。

  • 効果とコストから、用意するシステムを決める
  • 目的・効果・コストを明確にして、決裁者に分かり易く説明する
  • プロジェクトの承認を取る ~このような形で、IT戦略・システム企画を立てていきます。

アプリケーション構築・運用・保守の仕事

システムの企画を立て、プロジェクトの承認が下りれば、次は「システム仕様」と「実装スケジュール」を作っていきます。ここではインフラ側の内容は割愛し、主にアプリケーション側のお話をします。 アプリケーションを構築するにあたり、自分たちでゼロの状態から作り始めるのは小規模なものを除いて、多くの時間とコストがかかります。その場合、既に世の中に発売されているアプリケーションを購入し、業務に併せてカスタマイズする、またはソフトハウス※1への開発委託が基本になります。

この時に気を付けるべきことは、先ほども触れたように、システムを使うのはビジネス部門である、ということです。最新の技術を駆使していたとしても、UIデザインが素晴らしくても、レスポンスが速くても、ビジネスオーナーの要望を満たしていなければ、それは一切役に立ちません。ビジネス部門の業務の流れを十分に理解し、必要なものを用意することが最も重要なのです。

システム仕様と実装スケジュールが決まれば、いよいよ実装に移ります。実装中は策定した仕様に合致しているのか、進捗状況は想定通りになっているのか、不具合は発生していないか等を、関係者同士で常にコミュニケーションを取り合いながら進めていきます。システム仕様の変更、実装スケジュールの見直しが必要になる場合はビジネスオーナーに報告・相談をしながら解決していきます。

実装が終わった後はテストを行い、ビジネスオーナー側にシステムを納品します。その後、ビジネスオーナーによるテストを実施し、問題が無ければ次はリリース作業に移ります。利用マニュアルの作成や利用者へのトレーニング、既存システムがある場合にはデータ移行等もあり、まだまだ終わりではありません。 最後に、リリースが完了した後は運用・保守に入ります。不具合はもちろん、ビジネスオーナーでも見落としていた業務の流れが発覚した場合にはすぐに改修が必要になります。また、使い方が分からないビジネス部門のユーザーからの問い合わせに対応する必要もあります。ユーザーが新システムに慣れ、一連の機能が正常に安定して作動し、業務に問題が生じていないかまで、非常に広い範囲までをサポートしています。

最後に

さて、ここまで情報システム部門の仕事について解説をしてきましたが、いかがでしたか? 次回は、情報システム部門のエンジニアに求められるスキルや特長についてお伝えします。情報システム部門で輝くエンジニアとはどんなエンジニアなのか?! 引き続き、お付き合いください。 ※1 ソフトハウス…ソフトウェアパッケージの開発やソフトウェアの受託開発を主要業務としている企業のこと。

著:西尻 良介(株式会社VSN

株式会社 VSN
ライター
株式会社 VSN

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