簡単なようで難しい!今話題のクラウドとは

簡単なようで難しい!今話題のクラウドとは
目次
  1. ぼんやりとした定義
  2. クラウドサービスの分類
  3. 代表的なクラウドサービス
  4. Gmail
  5. Evernote
  6. Saleforce
  7. 開発者が使うクラウドサービス
  8. クラウドの利点と欠点
  9. クラウドの利点
  10. クラウドの欠点
  11. クラウドがもたらした価値

「クラウド」という言葉の意味をご存知でしょうか。「クラウド」という単語をご存知の方は多いと思いますが、説明できる方は少ないと思います。実際、若い言葉な上に現在でも拡大を続けるため「クラウド」を正確に定義することは不可能ですし、また正確な定義を求めるべきではありません。今回は「クラウド、クラウドってよく言ってるけど、意味がよくわからない」という方を対象に、幾つかの角度でクラウドの説明を試みます。読み終わった時になんとなくでもイメージをつかんで頂ければ幸いです。

ぼんやりとした定義

「クラウド」というのは、もともと「クラウドコンピューティング」を指す言葉だったと思われます。Wikipediaによると「クラウドコンピューティング」は以下のように説明されています。

クラウドコンピューティング(英:cloudcomputing)とは、コンピュータネットワークをベースとしたコンピュータ資源の利用形態である。古いもので付加価値通信網がある。

しかし「クラウドコンピューティング」はやや技術的な用語であり、またクラウドの提供者としての立場が濃い言葉でしょう。そのためか昨今では「クラウドサービス」という言葉が使われることが多いようです。総務省のサイトでは「クラウドサービス」を以下のように説明しています。

クラウドサービスは、従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するものです。

次の図はWikipediaのクラウドコンピューティングの項にある図です。

662px-Cloud_computing.svg

サービスの提供者から見た場合、アプリケーションやプラットフォーム、インフラを束ねて1つの雲(サービス)として見せています。

一方、サービスの利用者から見た場合、様々な端末からネットワーク経由で1つの雲(サービス)に対してアクセスすることで、サービスの実態を気にせずいつでもどこからでもサービスを利用できるようになっています。

「クラウド」の意味を理解するには、厳密な定義を追求するのではなく、上図のような構成のサービスをぼんやりと総称している、という程度にとらえておくのが良いでしょう。

クラウドサービスの分類

多岐にわたるクラウドサービスですが、大きくは「開発用のクラウドサービス」と「それ以外」に分けられます。

開発用クラウドサービスは開発者にプラットフォームを提供するサービスです。アプリケーションを作る上で有用なサービスを提供しています。開発用クラウドサービスは、さらにIaaS/PaaS/BaaSに分類できます。

それ以外のクラウドサービスは、Gmailに代表されるような、完成品のアプリケーションを提供するものです。このようなクラウドサービスはSaaSと呼ばれます。SaaSの中には、拡張や他システムとの連携を可能とするAPI

代表的なクラウドサービス

代表的なクラウドサービスを見ることで「こういうのをクラウドサービスというのか」というイメージが形成されるかもしれません。

Gmail

言わずと知れたGoogleが提供する無料メールサービス。大容量のメールボックスを提供していて、またGoogleのお家芸である検索機能により「メッセージのアーカイブ」という新しいメール整理のスタイルを提案しています。

Evernote

ユーザの「第二の脳」となることを目指している、個人用ドキュメント管理システム。容量制限がなく、また検索機能が強力なため「置き場に困った情報はとりあえずEvernoteに置いておく」というスタイルを可能にしました。

Saleforce

名前が表しているとおり、営業支援システム(SFA:SalesForceAutomation)をクラウド型で提供しています。クラウド型SFAでは最も有名なサービスでしょう。高額ですが充分すぎる機能を備えています。またSFAが動作している基盤をPaaSとして提供しています。

開発者が使うクラウドサービス

Code部の読者が特に気になるのが、このカテゴリのクラウドサービスでしょう。

AmazonWebServices(AWS)

開発者向けクラウドサービスの先駆者であり、かつ最大の勢力を持つ巨人です。IaaSであるAmazonEC2の提供に始まり拡大を続け、今や50種のサービスを提供しています。

AWS最大の特徴は「使った分だけ課金」という料金モデルを提示したことでしょう。このモデル登場以前は、企業にとって新しいITシステムの構築は「投資」だったのですが、AWSの登場でシステムは「成長させていくもの」へと変貌しました。

技術面で見ても、「プログラムによるリソース管理」「オートスケールで急増する負荷をさばく」などの特徴的な機能は開発の現場に破壊的なイノベーションをもたらしました。

開発者向けクラウドサービスの姿を決定付けたAWSですが、サービス拡充と継続的な値下げを武器にした規模の拡大はとどまるところを知りません。これからもこの分野はAWSが牽引していくことは間違いないでしょう。

GoogleComputeEngine(GCE)/MicrosoftAzure/SoftLayer

AWSの対抗としてGoogle、Microsoft、IBMが提供するクラウドサービスです。

GCEはGoogleの技術力が遺憾なく発揮された超高性能なIaaSが特徴です。AzureはMicrosoftらしくWindows関連サービスが手軽に始められるのが特徴です。SoftLayerは柔軟な設定と徹底した情報開示が特徴です。

GMOクラウド

CPUやメモリ、ストレージの性能を自由に設定できる「リソース型」と呼ばれるIaaSが特徴です。日本の会社が運営しており管理画面が完全に日本語で使えたりサポートが日本語で受けられる点に安心感があります。

クラウドの利点と欠点

クラウドの利点

工夫次第で節約が可能

多くのクラウドサービスは「使いたい時だけ使う」「使った分だけ課金」という性質を持っています。このため、システムを使わない場合はサーバの電源を落とし節約する、という使い方ができます。さながら電気や水道代のような感覚です。

素早い調達

クラウドサービスの多くは調達がとても早いです。IaaSの場合、例えばLinuxの上で動作するWebサーバが5分で手に入ります。PaaSやSaaSはもっと立ち上がりが早く、動作するアプリケーションが5分で手に入ります。

クラウドの欠点

ネットワークがないと手も足も出ない

クラウドはネットワーク経由でサービスにアクセスするため、ネットワークがない状態では手も足も出ません。これは、クラウドを使う上で最も大きな制約でしょう。

進化に付いていくのが大変

どのクラウドサービスも進化が早く、付いていくのが大変です。特に開発者向けクラウドは競争が激しいためか、新しい機能が次々とリリースされています。日々の学習は必須と言えます。

クラウドがもたらした価値

クラウドのもたらした価値で最も重要なのは「圧倒的スピード管理コストの低下

クラウドがない時代、特にハードウェアを調達する必要があった時代は、動作するOSが手に入るまで1ヶ月以上かかるのが普通のことでした。それが今や5分でOSが起動し、さらにインターネット経由でアクセスする環境までできてしまいます。実に8000分の1以上

さらに必要なだけ使いその分だけ費用を払えば良いので、ムダがなくなりTry&Errorの手法でシステム構築が可能になりました。それに加えて重要なのが、プログラムでサーバを管理できるようになったことです。自動化範囲が増え、数百台のサーバを数人で管理することが可能になったのです。

以上の2つの価値は破壊的イノベーションという言葉に相応しい変化をもたらしました。しかし今やクラウドは「当たり前にそこにある」ものになりました。イノベーション以前の状況を知らない人も多いかもしれません。そういう「クラウドネイティブ」な世代はクラウドを空気のように使いこなし、世の中にさらなる変化をもたらすのでしょう。

もしかするとクラウドのもたらした真の価値は、世の中の変化の速度を上げたことなのかもしれません。

tomo
ライター
tomo

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