アプリ開発の落とし穴!iPhone・Androidリジェクト事例9選


アプリ開発の落とし穴!iPhone・Androidリジェクト事例9選

アプリ開発者にとってもっともドキドキする場面が、アプリを公開する瞬間です。長い道のりを経て開発したアプリが世に公開される瞬間は、何本アプリを開発してもアドレナリンが出る瞬間です。
しかし、自分では問題ないと思っていても、予期せぬことで”リジェクト(申請却下)”されて、アプリが非公開もしくは未公開となってしまうことも珍しくありません。アプリ開発で不本意な結果に招かない様、事前に対策を講じておくことも重要です。App Store と Google Play を中心にアプリ審査やリジェクト実例をご紹介し、皆さまのアプリ開発に貢献できれば幸いと思います。

アプリ開発全般の記事はこちら!
超基礎からのiPhoneアプリ開発!【これから始める人必見!】
Android アプリ開発の流れがわかる公開までの 6 ステップアプリ審査について

同じ内容のアプリを開発しても、公開先のAppStoreとGooglePlayでは事情が違ってきます。基本的にAppStoreの方が、アプリ公開前・公開後もリジェクト・リスクが高く、慎重に開発していく必要があります。

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目次
  1. iPhoneとAndroidのアプリ審査の簡易比較表
  2. iPhoneアプリリジェクト事例
  3. タイトルがテロ連想でリジェクト『リア充爆発しろ!』
  4. ユーザーの投稿でリジェクト『YYC』
  5. アプリ内広告でリジェクト『嫁放置』
  6. YouTubeAPIを使ったアプリでリジェクト『結婚式余興集(未公開)』
  7. ニセモノ疑惑でリジェクト『キュートランスフォーマ―帰ってきたコンボイの謎』
  8. 類似アプリでリジェクト『フグッピーふぐ』
  9. リジェクトをうまくかわしたアプリ『ウンログ』
  10. AppStoreリジェクトまとめ
  11. Androidアプリリジェクト事例
  12. タイトルでリジェクト『Androidがしゃべる!Speak』
  13. Google Playリジェクトまとめ
  14. Amazon Appstoreでのリジェクト
  15. まとめ

iPhoneとAndroidのアプリ審査の簡易比較表

iPhone Android
アプリ公開前の審査
アプリ公開までの審査日数 1 ~ 2 週間 0 ~ 1 日
リジェクトの審査形式
規約事項(文字数) 25 (5245) 17 (2147)
審査基準 厳しい 易しい
アプリ公開後のリジェクト
リジェクト基準の変更
リジェクトのサポート言語 English English
規約サイト developer.apple.com play.google.com

(2015.5.22時点)

また両方のアプリに共通するリジェクト基準は以下の内容になります。

  • クラッシュやバグがある
  • 未完成要素(画像やリンク)がある
  • アダルトな要素が含まれている(配信広告含む)
  • 暴力的・反社会的な要素が含まれている
  • ストアに表示するアプリ説明の未熟

その他にもユーザー登録を伴うアプリの場合は、ユーザー側に利用規約を提示できるシステムが無いとリジェクト対象になります。
それでは実際にどのようなケースでリジェクトされているのか、過去に起きた事例を元に検証してみます。

iPhoneアプリリジェクト事例

タイトルがテロ連想でリジェクト『リア充爆発しろ!』

リア充絶滅城しろiTunes / Google Play

2015年4月に再リリースされた『リア充絶滅しろ!』。元々は『リア充爆発しろ!』というタイトルでしたが、「爆発」というキーワードやアプリ内でカップルが爆発する描写がテロ行為を連想させる、という理由で一度リジェクトされました。日本人の感覚とゲーム内容を照らし合わせると「爆発」という表現がベストなようでしたが、App Store とは合致しなかったという事例です。
【検証】
アプリ開発は、日本人の感覚だけでなく、ワールドワイドな視点も必要と考えられます。日本のように世界全体でテロや戦争が無くなれば、「爆発」という表現も Apple が受け入れてくれる日も来るのでしょうね。

ユーザーの投稿でリジェクト『YYC』

yyciTunes / Google Play

SNS 系アプリ大手の「YYC」は、2015年2月27日から 5日間 App Store でリジェクトされていました。突如リジェクトされた原因は、ユーザーの投稿内容にあるようですが、具体的な文言は公表されていません。Apple からリジェクトを受けた運営会社 Diverse は、不適切な投稿があった際は表示されないようアプリ内にフィルターを掛けて、リジェクトをクリアしています。さらに再びリジェクトが発生しない様に、24時間体制で投稿内容をチェックするように改善されました。
【検証】
アプリの開発段階で問題が無くても、ユーザーの投稿によって規約違反となる場合がある事例です。投稿系アプリの難しさを痛感させられます。

アプリ内広告でリジェクト『嫁放置』

嫁放置iTunes / Google Play

アプリ内広告で安定した収益を得ようとする開発者も少なくないと思います。『嫁放置』を開発した方もその一人で、アプリ内に「アイコン広告」と「バナー広告」を設置していました。しかし、Apple 側から規約 2.25 に違反するということでリジェクトされました。その後、バナー広告は残し、アイコン広告のみを削除して無事にリリースを終えています。(参考:Ninebonz

######App Store 規約 2.25 の要約/「App Storeと同じもしくは紛らわしい方法で自社製品以外のアプリの販売を促進する表示をするアプリは却下される」

また2015年に入って「ウォール型広告」を採用しているアプリもリジェクト対象となってきています。そのため「アイモバイル」や「アドリフくん」などの広告配信サービスは「ウォール型広告」の提供を停止しています。
【検証】
アプリ内広告を設置する際は、リジェクト覚悟で申請し、広告配信サービスは AdMob など無難な会社を検討する。

YouTubeAPIを使ったアプリでリジェクト『結婚式余興集(未公開)』

結婚式の余興で悩んでいる人の助けになれば、と考えだされた結婚式余興集のアプリ。アプリ開発に YouTube の API を活用し、カテゴリー毎に動画を配信しようとするも、Apple から「ポルノに関する規約で抵触、リジェクト」と申請を却下されました。アプリ事態にポルノ要素はなかったようですが、YouTube で流れる映像内に男性の裸等が映っていたようです。この問題をクリアしようと思うと技術的に難しく、現在こちらの開発者さんは、『スノボ動画』という YouTube API を使ったアプリを公開しています。(参考:iPhoneアプリ開発者の憂鬱

【検証】
API を使ったアプリ開発は便利ですが、配信元のコンテンツにリジェクト要因が含まれるので、フィルター機能など API について詳しくなっておく必要があります。

ニセモノ疑惑でリジェクト『キュートランスフォーマ―帰ってきたコンボイの謎』

iTunes / Google Play
ディー・エル・イーとタカラトミーによって共同開発された高難度のゲームアプリ「キュートランスフォーマ― 帰ってきたコンボイの謎」。Android 版は予定通り 2014年8月7日に配信されたが、iOS 版は Apple から「偽物アプリじゃない?」といわれリジェクト。その結果、8月9日からの配信予定が 8月18日に遅れた。
【検証】
Apple 側が指摘するニセモノ部分は分かっていませんが、本物であってもニセモノになる可能性があるといことです。考えられることとしては、Apple は世界中からのアプリ申請を処理し、チェックする人によってリジェクト判定が下されています。Apple 側が提供しているリジェクト・レポートには「アプリの説明不足」がリジェクト理由のトップ(2014.4 時点)に挙げられていますので、申請時には文面にも気をつける必要があると考えられます。

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類似アプリでリジェクト『フグッピーふぐ』

ふぐっぴーふぐiTunes / Google Play
2013年にリリースされ、1日 500万円の広告収入を得たというレトロ・ゲームアプリ「Flappy Bird」をベースにアプリ開発。開発を思いついた時点で類似アプリがリリースされていたので、リジェクトにはならないだろう、と思って「フラッピーふぐ」というアプリを申請。しかし、リジェクトになり Apple からのコメントを確認すると「ユーザーに誤解を招く可能性がある」という理由でリジェクトに。その後「フグッピーふぐ」で申請するとめでたくリリースされました。(参考:SONICMOOV LAB
【検証】
アプリのコンセプトはマネできても、表記に誤解を招く要素が少しでもあるとリジェクトになるようです。

リジェクトをうまくかわしたアプリ『ウンログ』

iTunes / Google Play

2012年7月のリリース以来2年で20万ダウンロードを達成した便秘対策アプリの「ウンログ」。自分が出したうんちの状態と健康状態をサポートしてくれるアプリで、「うんち」というキーワードやウンチ・キャラも Apple 側の理解を得てリリースに。開発者いわく「ウンチのキャラは、日本のお化けだよ」といって Apple 側を説得したそうです。

AppStoreリジェクトまとめ

AppStoreでのアプリ申請は、リジェクトになる確率は高いように感じますが、Appleから指摘された部分を訂正もしくは説明すればほとんどの場合でリリースできています。ただし、Appleとのやり取りは基本英語になりますので、AppStoreでのアプリ公開を考えている方は多少の英語力も必要と考えられます。

Androidアプリリジェクト事例

タイトルでリジェクト『Androidがしゃべる!Speak』

speakGoogle Play

任意の文字を読み上げてくれる便利なアプリの「端末がしゃべる!Speak」。最初は「Android がしゃべる!Speak」で配信していましたが、突如開発者の元に Google Play から「ガイドラインに違反しているのでアプリを削除しました」と通知が来たようです。実際にアプリは既に Google Play から削除されており、その後サポートのやり取りで名称を訂正し、復活しています。(参考:Pistatium Blog

【検証】
今回のケースは、Google Play 規約の「なりすましまたは虚偽の振る舞い」に該当したと考えられます。”Android”がタイトルの一部となるようなケースはダメみたいですね。

Google Playリジェクトまとめ

Google Playのリジェクトは、AppStoreに比べるとルールがゆるく、開発者としては作業しやすい環境になります。ただし、アダルトや誤解を招くような表現についてはAppStore同様にリジェクト要因になっていますので、広告含めて注意が必要です。Designed for Families

Amazon Appstoreでのリジェクト

amazon-app-storeAmazon アプリ

日本国内ではマイナーな「Amazon Appstore」かもしれませんが、アメリカを中心に現在市場規模を徐々に拡大してきていますので、Amazon Appstore のリジェクトについても触れておきます。 Amazon Appstore の場合、リジェクトのことを「Pending」と呼んでいます。Amazon Appstore は App Store 同様にリリース前に審査があり、こちらをクリアしないとアプリを公開できません。主だっだガイドラインは Google Play、App Store 同様ですが Amazon Appstore の特徴的なリジェクトを以下にご紹介します。

  • GooglePlayなど他のアプリストアへのリンクはNG
  • アプリ内に広告を設置している場合は、アプリ紹介のスクリーンショットに広告が載っている画像を掲載しないとNG
  • アプリ名に「for Android」のように「for Kindle」と付けるとNG
  • アメリカのみで販売されている端末でもチェックされるので、アプリチェクには限界がある

Amazon Appstoreはアプリの公開数は少なくリジェクト事例も少ないですが、AppStore同様に年会費$99を支払いますので、サポートには一定の品質を期待できます。ただし、Amazonサポートとのやり取りは英語になります。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?アプリ開発者にとって避けては通れないApp StoreとGoogle Playのリジェクトの壁は、意外とぶ厚いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。各サービス共にアプリ開発者に対してガイドライン(規約)は用意されていますが、リジェクトの判断は人によって行われていて微妙なリジェクト要素は審査員の考え方によって判定が下されます。せっかく開発したアプリが「リジェクト」という壁にぶち当たるかもしれませんが、必ず打開策はあると思いますのでじっくりとApple、Googleと向き合って、リリースを目指す事が一番と考えられます。
”リジェクト”もネガティブに考えるのではなく、一つの経験と前向きに考えてアプリ開発に挑戦していきましょう!

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オシママサラ
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